母の友人宅のネコが子どもを産み、里親を探していた。結局ねこの
いない生活に耐えられず、引き取ることにした。今度は親元で3〜4ヶ月
育つまで待った。はじめて家に来たときは、警戒してなかなかなついて
くれなかった。ひもやねこじゃらしで遊んで仲良くなった。
名前は、前の家から呼ばれていたちびにした。ちびの思い出はたくさん
ある。忘れられないのは交通事故の日。
ある日外からひどい鳴き声がして、玄関を開けたら何かみすぼらしい
物が必死に中に入ろうとしてきた。びっくりして追い出そうとしたが、
それは、交通事故に遭い、片目が飛びだしあごが割れ、ぼろぼろに
なったちびだった。どんな思いで、家まで戻ってきたのだろうと
考えると泣けてきた。すぐに、病院に連れていった。
眼球は摘出され、目やあごの周りは針金のような物で閉じられ、
鼻にはチューブがささっていた。それ以来ちびは、片目になったけど、
それでもとてもかわいかった。
人が座っていると必ず、座布団代わりにされる。人が寝ているときに、
ジャンプしてくるので肉球がずぼっと、食い込んでとてもつらい。
実家を離れて、一人暮らしをしたときは、玄関からしばらく後を
追いかけてきてくれた。
それから数年経った去年の夏の日、母から突然電話があった。
ちびが亡くなったとの知らせだった。もう年老いて、暑さのためか
少しずつ衰弱し、ずっと病院に通い続けていたそうだ。
けれど回復の兆しはなく、延命処置を断り、ちびを家に連れて帰った。
その翌日、ちびは母の帰りを出迎えて、そのまま眠るように息を
引き取った・・・。もう家には猫はいない。