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中央線白紙ダイヤ改正は?

白紙改正の噂が・・・
 中央線をほぼ毎日使い出したのが,1990年から。ダイヤ上の問題点は,いろいろ目につくが,端的にいえば,その線区への愛が足りない。JRのような大組織になると,ある一つの線区の専門家が育たないのはよくわかるが,ダイヤ上の問題点を放置すると,電気代や運転関係者の人件費など,いろいろなコストにも響いているはずであるから,利用者視点だけでなく,経営面からも,もう少し,工夫した方がよいとアドバイスしたくなる。E233系の投入完了にともなう中央線の白紙ダイヤ改正は,中央線高架工事の進捗で2009年12月に武蔵小金井での折り返しが可能になるのを受けて,そろそろとも言われているが,どうなることやら。

 2010年3月の改正では,大幅な改正はどうやら見送られたようである。武蔵小金井の2面4線化や国立駅の2面3線化を待つつもりなのでしょうか。(2009.12.27追記)

 現在のダイヤは,基本的には,国分寺の2面4線化(1988)の際に抜本改正されたダイヤを踏襲し,20年ほども使われているものになるため,通勤特快の挿入や通勤快速の増加,ライナー列車の挿入などによる上書き・小改正によって,いたるところダイヤ上のしわが寄っているから,ここらで,一からダイヤを引き直して,合理化しておくべきだが,放置状態である。すでにE233系投入は完了しているのだが,武蔵小金井付近の高架工事で,現在(2008.12),下り線のみが高架になっており,直接ホーム上で折り返せないため,所要編成数の都合から201系がまだ,残っている。新型車両に統一されることで加速性能が向上し,また,八王子以東の最高速度を95km/hから100km/hに向上させて(八王子以西は特急列車では130km/h運転区間),東京-高尾間で3分短縮し,所要車両数を現在より2編成少ない数で運転する計画になっている(その分しか車両を作っていない)とされるが,これまた実現が怪しい。

杉並3駅問題は・・
 緩行と快速が並行しているにもかかわらず,乗車バランスが快速線に偏り,快速線のかなりの列車が快速線の各駅に止まるため,特急や特別快速が中野-三鷹間を各駅に停車する快速の続行運転となりスピードを出せない状態になっている。杉並の沿線地区の利便を犠牲にして,休日同様に平日も西荻窪,阿佐ヶ谷,高円寺を通過することは,快速線のスピードアップにつながり,緩急の役割分担の点では合理的ではある。中央線三鷹以西居住者にとっては,大きな利便向上になり,JRにとっても,朝のラッシュ時にこの3駅を上り下りとも通過すれば,所要編成数が3編成削減でき,乗務員人件費,車両代,電気代ともに運行コストが節約になりそうだが,通過運転によりラッシュ時に乗客が増加してしまい快速線が現在以上に混雑すると,安全輸送,安定輸送,輸送コストの点で不安が生じる。停車列車と通過列車の交互運転による時隔短縮など,マニア的提案を含めると,様々な改善策が提案されているこの区間だが,現実的には,ダイヤ改正のたびに,快速を少しづつ減らし,特別快速と各駅停車に立て替えていくのが,現実的な気がする。10年ほど前に快速線の使用開始時間を新宿で朝の7時から新宿で6時に拡大したが,この時間帯を,特別快速と各停との混合運転にせず,単純に快速を増便してしまったのは,停車既得権を拡大し,将来の通過の代償となる取引材料を減らしてしまった感がある。

輸送障害対策
 中央線は,ほとんど毎日のように人身事故があって,とよく言われる。10年前くらいが中央線の問題のピークであったように思うが,これは,事故がその時期に増えたからでも,その後の事故防止策が効を奏しているからでもない。H社の開発したATOSという運行管理システムの導入後,東京-高尾間のどこかで何かあったら,全線がストップする運行管理となったため,ちょっとした事故でも,多くの人に迷惑がかかって,事故が増加したような印象を乗客に与えたためである(この点については,最近発売になった「列車ダイヤと運行管理:列車ダイヤ研究会 (著) 」でもJRの内部の人が認めている)。最近では,少しづつ,運転整理法に改善が見られるが,依然として,どこかで支障があると過大な区間が運休し,東京-高尾間が一括で運転取り止めとなる。少なくとも,新宿以東の事故では,新宿以西は何事もなく10割運転が可能で,立川以西や青梅線の事故では,朝のラッシュ時などは車両の送り込みの関係で,立川以東に影響が出るのはやむを得ないが,それでも,立川以東で通常の7割程度の運転が確保できるレベルの運転整理能力が望まれる。
 これを書いた後で,JR東が運行するすべての新幹線が輸送管理システムの不具合で2008年12月29日に始発から3時間ほども運転できない事態が生じている。在来線用のATOSも新幹線用のCOSMOSも輸送管理がうまくいっているときには,ますますうまくいくようなシステムであるが,うまくいかなくなったら,とことんうまくいかないのが,こうしたシステム化の特徴。エアバスの自動化が進んだ操縦システムを用いたA320などの事故率が比較的高いことの説明に,自動化システムと人間の感性のコンフリクトが話題になったが,ATOSもCOSMOSも,このエアバスの自動化システムと同じく,うまくいかないときのうまくいかなさが半端でない。うまくいかないときに,何とかすることを管理というのだと思うのですが。

高密度線区での緩急運転は,1:1の比率を原則に
 別稿で緩急比率が1:1が良いことを書いた。1:1でないために,2分間隔で列車が来たかと思えば,その次とは10分開くという不合理が生じる。経営面からみると,10分に1回でも客がさばけているのであれば,それ以上の停車型列車を運転するのは余計なコストがかかっているともいえる。八王子付近でも1時間に8本程度の列車本数が確保されているが,新宿-八王子の移動に有効な列車,とか,筆者の乗車区間である国立-八王子の移動に有効な列車というように考えると,15分から20分開くことがある。1時間に8本運転していても,6本しか有効な列車がないのなら,もともと6本運転にした方がコストがカットできる。八王子方から見て,6本すべてが新宿に先着でき,立川で乗り換えれば,6本すべてが国立に行けるというダイヤにすれば,2本削減しても,利便性は減少していないし,むしろ利便性が増加している区間もあることになる。

 夕方の通勤快速では,通勤快速の次に走る各停に乗客が集中し,遅延し,その割りに,その快速の次の快速はガラガラという不合理がよく見られる。新宿駅で,快速の次の通勤快速が2分後に来て,そこから,5分はなれて次の快速ということがあるが,これは,どうしてこうなっているのか全く不明であり,快速の次の通勤快速が5分後に来て,そこから,2分はなれて次の快速が来るのが正しいだろう。通勤快速の前を空けると,新宿を超満員で通勤快速は発車することになり,新宿以東の遅延が心配されるが,新宿以西は通過駅があって,快速に頭を抑えられるので遅延が回復し,後続の快速の混雑も緩和される。23時台には,特快の後に快速が10分開くパターンが2回あり,これも,同じ理由で,特快の発車時間を後ろへずらすべきだろう。通勤快速や特別快速を後ろへずらすことによって,後続の快速が吉祥寺あたりでドア閉めができないほどの混雑になり遅延するのを緩和できる。新宿駅の下り11番線,12番線の交互発着をさらに有効にするためには,東中野-中野間の下り快速線に閉塞信号を増設して,この区間での運転間隔1分40秒程度から1分20秒程度まで詰められる設備にしたほうが良い。現在は,特急の次の列車や交互発着で先行列車と詰まっている列車が,東中野手前で徐行している。こういう,きめ細かい処置が中央線には望まれる。
 朝方最混雑時の上り通勤特快では通過駅の乗客が通過列車の次の列車に集中するので,最も問題となる武蔵境での乗車率のムラを緩和するように武蔵小金井始発電車を通過列車の直後に挟むことが行われており,これはこれで,良い考えではあるが,高架完成時には,東小金井の待避線を活用する方法の研究が望まれる。また,中野での快速の通勤特快退避を増やせば,比較的空いている緩行線との平行区間から乗車する乗客の緩行線への移転が進み,好都合だろう。

特急と貨物
 国立以西は貨物が走っており,特に立川から西では,運転本数も多い。八王子駅では一日中,貨物列車の入れ替えをやって本線を支障している。オイルターミナルが駅の北側の側線で,貨物の発着線が基本的に駅の南側を使用するのが多いため,ダイヤ上の問題以外に,事故が心配である。できることなら,中央線の本線を現在のオイルターミナルの位置に移設して,オイルターミナルの側線は,本線の南側に移動して,浅川橋梁を架けなおして,浅川橋梁西側の75km/h制限のカーブを解消してもらえるとありがたいが,いまさら実現の可能性はゼロだろう。また,貨物列車は,先行列車との間隔を詰めて運転できないので,よく,ダイヤを乱している(遅れが生じる場合もあるし,ダイヤがそもそも貨物のために最適化できないという場合もある)。これは,仕方ない面も多いが,遅れる列車はいつも決まっているのだから,しっかり調査して対策するきめ細やかさが欲しい。特急も通勤列車のダイヤを乱す主要要因で,遠く諏訪湖周りの単線区間の離合の影響でダイヤが乱されている場合がある。茅野(普門寺信号所)ー岡谷間は運転本数が多いのにもかかわらず,単線ネットダイヤになっていて,この区間の離合のために遅れが生じていることが多い。特に,茅野付近の普門寺信号所-上諏訪,岡谷-下諏訪は用地も比較的ありそうなので,JR自身が投資する魅力はないだろうが,国の総合的な交通施策として,早く複線化して欲しいです。

 さらに,改善をした方がJRにとって得だと思われるのが,臨時の続行特急の乗車率の低さである。多客時に,特急の続行で特急が運転されているが,定期の特急が着席できない状態でも,この続行の臨時が,たいていガラガラ。現在,大月-高尾間は,休日ダイヤを別立てにしているので,これを,利用して,休日ダイヤでは,臨時の特急を定期の特急に続行させるのではなく,先行させる形に改めた方が,特急列車間での乗車率のムラを解消できる。あるいは,臨時の特急は,全車指定で料金体系を定期便から切り離す(一種の会員制バスと同じで,座席を丸ごと,びゅープラザやJTBに卸売りする)のが良いかもしれない。運賃の決定の自由度を飛行機の運賃のように比較的自由に事業者(あるいは販売者)が設定できるようにするべきだろう。

最後は愛
 良いダイヤの要件は,最後は愛なのである。中央線の場合には,現場を知っている人ならばありえないようなことが,よく行われている。これは,JRのような大きな組織では,線区のプロが育たないためだろう。きめ細かい配慮が足りないのである。ダイヤ作成は,妥協の積み重ねで,ある価値を優先するために他の価値が犠牲になることはよくあるが,中央線のダイヤは,何かを犠牲にして,何かの価値を追求したというわけでもないように見える。均等乗車も失格だし,速達も失格。客の立場だけでなく,ダイヤを磨けば,若干の合理化も可能で,乗客に迷惑をかけずに,コストカットもできる。JR東日本の路線の中でも,新幹線が手間ひまをかけてダイヤが磨かれているように見えるのに比較して,中央線は手を抜かれています。

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