第六〜十回

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第六回 アクセントの違い

 名古屋弁の「ありがとう」の発音は関西弁とも違うし、標準語とも違います。そういう言葉はいくつかあるので紹介します。なお、分かりやすくするため、この回だけ、アクセントの位置の文字の色を黄色に変えてあります。

「ありがとう」 

 ありとう=あがとう

 今までのスタイルを崩したくなかったのでこう書きました。問題はアクセントの位置です。標準語では「り」にアクセントがあります。関西弁は「と」にアクセントです。それでは名古屋弁はというと…「が」にアクセントです。筆者は個人的には関西弁の「ありがう」が一番さらっと言えるので好きです。実際、東京、名古屋の人に比べると、関西人の方が「ありがとう」を自然にかつ、わりと頻繁に使います。聞いていて気持ちがいいですね。

「ごめんね」

 ごんね=ごめん  

 「ごめんなさい」は普通に発音できますが、「ごめんね」という言い方に限って、アクセントが変わります。まあこれも人によるとは思いますが。「ね」をとっても「ごん」と、発音は一緒です。

「カレー」

 レー=カ

 名古屋弁の「カレー」の発音は、「カ」にアクセントがあります。つまり、「ビーフレー」と言ったときの「カレー」の発音と同じです。「カーライス」と言うときは名古屋人もちゃんと「レ」にアクセントをおけるようですが、単独で「カレー」と言うと、魚の「かれい」と区別がつけられません。まあ、「カー」と正しく発音する人も多い(特に若者)のですが。ただ、もともとの英語の発音には近いと言えるでしょう。英語では「curry」の「u」にアクセントがありますからね。 

「2階」

 2階=2

 1階と3階以上は、標準語と同じ発音ができるのですが、どうも「2階」だけはだめなようです。まあこれも、結構なまった言い方なので、人によって言う言わないがあるでしょう。

「なにー?」

 ー?=に?

 「だー?」も「どー?」も全部同じ発音です。ぶっきらぼうに聞こえるので、聞き返す際に使うとき他の地方の人に言うと、うっとうしがられていると思われがちなのが困ったところです。

「名古屋」

 なごごや  

 なぜか名古屋人はこう発音することが多いようです。余談ですが、略語で「名」は「めい」と読みます。つまり、「名古屋大学」の略語「名大」は「なだい」ではなく、「めいだい」あるいは「めいでゃあ」、「名古屋駅」の略語「名駅」は「めいえき」、など。「めいだい」は、「明治大学」が東京にあるのでややこしいですが、名古屋で「めいだい」と言えば「名古屋大学」のことです。余談ですが、北陸で「きんだい」と言うと、「金沢大学」のことで、「近畿大学」のことじゃないそうです。

今回はここまで!起立!礼!…

第七回 「勘考する」は名古屋弁

 「勘考する」と書くと、標準語のように思いますが、普通、標準語では口語でこのような表現を用いることはしないでしょう。名古屋では若者以外、結構使います。つまりこれは立派な名古屋弁なのです。若者は使わないにしても、名古屋の人なら理解できない人はほとんどいないでしょう。

「勘考する」 

 材料は用意したで、勘考して作りゃあ=材料は用意したから、工夫して作って

 簡単ですね。用は、「勘考する」=「工夫する」「何とかする」「頭を使う」というような意味です。字面でも意味がよくわかります。

 勘考して観光しんと時間ないでかんにい=工夫して観光しないと時間がないからだめだよ

 いくら簡単だといっても、これを生で聞いたら、他の地方の人には意味不明でしょう。ちなみに、「〜だでかんにい」の部分は、正確に言えば「〜だでいかんにい」となり、「〜だからだめだよ」という意味です。標準語に直すと変で、誰も言わなさそうですが、名古屋の人は使いまくります。省略が多いのも名古屋弁の特徴です。

今回はここまで!起立!礼!…

第八回 「つる」が通じる範囲

 「つる」といっても、「釣る」ではありません。紐とかを用意する必要もありません。

「つる」 

 タンスつるから手伝って=タンス持ち上げて運ぶから手伝って

 「つる」一言で、「持ち上げて運ぶ」という意味になります。なんて便利な言葉なんでしょう。

 机つってー=机さげてー

 主に小、中学生が使う用語です。掃除のとき机を教室の後ろのほうにさげますよね。そのときに教室掃除の責任者?が必ず放つ言葉です。この「つる」という言葉は、三河地方(愛知県東部)ではもう通じません。いままで紹介した言葉は、三河の人も使ったり、使わないまでも意味は通じたりする言葉が多かったのですが、この言葉に関しては違うようです。ちなみに豊橋のほうでは「机をずる」と言うらしいです。

yukaさんのご指摘(掲示板より抜粋)

 
「つる」についての説明に対して一言!!「机をつる」は愛知県東部でも余裕で通じてますよ!掃除の時も普通に「机つりー」って言ってるし。とにかく今でも十分標準語かよって勢いで通じてます!!!

 うーん、三河で通じないってのは確か元ネタが「ミックスパイ下さい」(CBCで夕方放送されていた情報番組)です。このページを書いたのはもうだいぶ前なんでちょっとあやふやですけど。ま、どちらにしろyukaさんは三河の方のようなので、そちらが正しそうです。

ピエールさんのご指摘(掲示板より抜粋)

豊橋で「机をずる」という表現はないとは言いませんが余り使わないと思います。
どちらかと言えば、「机をさげる」だと思います。
実はこの「さげる」という言葉が複雑です。
「げ」のみにアクセントが来ると
1.持っている物を下方に「移動させる」2.額縁のような壁に掛けている物を下に「ずらす」
3.配膳を「片付ける」などの意味で使います。(3の場合、いまは「かたす」とも言う))

「げ・る」にアクセントが来ると逆に
4.「持ち上げる」(提げる)という意味になります。
よって2人で荷物を運んでいて段差などがあるとき、
A「ちょっとさげて!」(降ろして)B「さげるの?」(提げるの)A「いや下げる。」
のような確認をすることがあります。

 うう…中途半端な知識で三河弁に触れたことを反省しております。三河の友達より関西の友達のほうが多かったりするもんで…。言い訳っす。ごめんなさい。「上げる」=「さげる」??難しいですねえ…。

三重県四日市人さんのご指摘(掲示板より抜粋)

どうも、はじめまして。
私は三重県の四日市ですが、「机をつる」って
普通に通じますよ。情報までに。。。

 使う地域も思っていたより広いようです^^;

今回はここまで!起立!礼!…

第九回 勘違いを生む「えらい」

 この言葉は、滋賀県北部まで通じるので(京都南部までかも?)名古屋弁ではないかもしれませんが、大阪では言わないらしいので関西弁でもなさそうです。と、するとやっぱり名古屋弁?

「えらい」 

 今日はなんかえらい=今日はどうもしんどい

 「えらい」=「疲れている」なのですが、どうもそれだとニュアンスがうまく伝わらないので、またもや関西弁を引き合いに出してしまいました。標準語でよりしっくりくるのは「だるい」かもしれませんが、これだと「かったるい」の意味を含んでしまうのでやめました。「えらい」は、年配の名古屋人はしばしば「えりゃあ」と発音し、若者は時に「えれえ」と発音します。ところが、この若者のほうが問題で、「エロい」と区別がつきにくいのです。というのも、「エロい」も、「エレエ」と発音されてしまうことがあるからです。しかしこれは序の口で、次に挙げるのはもっと深刻な勘違いを生みます。

 あんたえらそうだねえ=あなた体調悪そうだね

 「えらい」=「だるい」または「しんどい」ということを知らない人が、どうも気分が悪いって時に、いきなり「なんかすごいえらそうだねえ」と言われたら、さらに気分が悪くなるでしょう。普通はこのあとに「大丈夫?」とか聞くでしょうから、問題ないとは思うんですけど…。ま、福井弁の「〜しね」に比べたらましですかね。話がそれますが、これは「〜しなさい」という意味で、出かけるときにおばあちゃんがもたもたしてたら「ばあちゃん、はよしね」と言うらしいんです…。

今回はここまで!起立!礼!…

第十回 「〜さ」という省略形

 「〜さ」はいったん覚えてしまえば、特に気にしなくても分かりやすい言葉だと思います。

「〜さ」 

 たろさの息子さんが今度結婚しやあすそうだげな=たろうさんの息子さんが今度結婚するそうですよ

 「たろさ」よりも「げな」が気になるかもしれませんね(笑)「げな」は「なも」と同じで、文末につくのですが、推定の「〜のようだ」または「〜だそうだ」という意味です。「〜そうだげな」は意味が二重になっていますが、ここらへんが分かりにくいところで、いつも二重に使うわけではなく、「行っとるげな」というような言い方もします。しかし、だからといって二重に使ったほうが意味が強い、というわけでも無いようです。話がそれすぎました。えーっと「〜さ」でしたね。割とお年を召した名古屋の方は、例えば「太郎」という人に対して普通なら「たろうさん」と呼ぶところを、なぜか「ん」を省略するのです。「う」の省略はただ単に語呂的なものです。「邦弘」であれば「くにさん」が「くにさ」になるというわけです。「修一」であれば「しゅういちさん」が「しゅういっつぁ」になりますが、これも語呂的になまっているだけです。

 つじさはもうひゃあおらっせる=つじさんはもういらっしゃってます

 これも簡単ですね。筆者が言いたいのは名字にも使う、ということです。つまり、「辻」という人に対して「つじさん」と呼ぶところを「つじさ」というように「ん」を省略しているわけです。「もうひゃあ」も気になるかもしれませんが、これは「もう早」がなまったもので、意味的には「もうすでに」という感じです。

今回はここまで!起立!礼!…

 

見終わったら「ホーム」もよってってちょう!!じゃないとカウンタが増えんもんで…。

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最終更新日 04/06/10 18:05
Author:Yuji"U-ZI"Yamaguchi
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