議会報告(番外編)



2000年11月 風の会・ニューフェイス合同視察研修
日程 2000年(平成12年)11月14日(火)〜15日(水)
視察先と視察事項
    東京都町田市   ・市民フォーラムについて  ・市民大学について
    神奈川県真鶴町 ・まちづくり条例について
        


研修内容

1. 市民フォーラムについて
町田駅から徒歩10分ほどの所にあるピンク色の高層ビル。その3、4階部分が「町田市民フォーラム」である。この地域では、12年ほど前に駅前再開発事業を組合施工で行なうことになったが、おりからバブルの影響を受け、数回の事業内容の変更など紆余曲折を経て、昨年この建物(サウスフロントタワー町田)の竣工に至った。

建物は地上30階地下3階建てで、5階から30階までは分譲マンション、1階、2階は店舗、そして3、4階部分の半分は保留床として市が買い上げ、残りの半分は市が家賃を払って入居している形。ホール(188席)、視聴覚室、学習室、和室、調理室、保育室などを備え、利用は原則として有料。また、男女平等推進センター、消費生活センター、社会福祉協議会、ボランティアセンター、国際協会などが入居している。

全体に広々していて、廊下は車椅子がゆっくりすれ違うことができる幅がある。障害者や親子連れの使える多目的トイレも男女ひとつずつあり、男性がオムツ替えの場所に困ることもない。トイレの表示は、男女とも同じ色を使っていることも大切な特長。

吹上町に生かしたい!
規模は違っても、今後新しく施設を作るときには、このようなバリアフリー・ジェンダーフリーの構造にしていかなければならないと思う。まずは町民体育館、吹上集会所の設計を確かめたい。



2. 市民大学について
方向はやや違うが、同じく町田駅から徒歩10分の第四小学校の中に、市民大学がある。これは小学校の余裕教室を活用したもの。4階建ての校舎の4階部分のうち、5教室を改修して使用している。また、スロープやエレベーターを設置し、お年寄りやハンディを持つ人にも利用しやすくなっている。

講座の内容は、「まちだの考古・考現学」「まちだの福祉」「暮らしの中の環境」など多種多様で、市民同士の自由な相互学習を目指している。実際の講師は、大学教授などのプロが多いが、世代を超えた参加・体験・交流型の実践的学習が積み上げられている。どの講座も人気が高く、抽選になるという。そのため一人1講座に限定しているとのこと。向学心の強い市民性を感じた。

吹上町に生かしたい!
現在公民館事業としてコスモス大学校があるが、対象が高齢者に限られている。若年層、主婦、サラリーマンなども受講できるような連続講座も試みるべきだと思う。
また、何も大学の先生をよんで難しい講義を聴くのではなく、地域のちょっとした知識や技術を回りの人に伝授するような、教え合いの場を作ることを提案したい。これにより、世代を超えた学び合い、認め合いが進み、コミュニティが形成されると思う。



3. まちづくり条例について
真鶴町は水源が乏しく、隣町から受水して、ようやく水が確保できた町である。リゾート法が施行された後の昭和63年から平成2年は、リゾートマンションなどの開発の圧力が高まり、助役・町長の辞任という異常な事態へ。その後、現在の町長が当選。

乱開発を防ぐため、「1日20立方メートル以上の新たな給水申請に応じない」という給水規制条例、「新たに深井戸を掘るときは町長の許可が必要」という地下水採取規制条例を施行した。
翌平成3年には、まちづくり条例策定作業が開始され、2年間かけて内容を練り上げ、条例が公布された。条例の特長は、
  1. 土地利用基準を設けたこと
  2. 美の原則を定めたこと
  3. 町民参加の手続きを設けたこと
の3点で、都市計画法や建築基準法よりも厳しい内容のため、県との調整にも苦労したという。全国に例のない先進的な条例を作り上げた職員の自信、誇りが感じられた。
 景気の動向も関係するが、条例施行以後、町内のトラブルはないとのことである。

吹上町に生かしたい!
特長の2点目「美の原則」は、言葉だけでなく、町内のさまざまな建物のデザインなどを写真におさめ、1冊にまとめてある。これの作成には、多くの町民がかかわったという。町民自身が自分の町をレンズを通して見ることで、町の美しさを見なおすチャンスにして、まちづくりへの関心を高めることができそうな手法だ。吹上で現在進行中の、環境基本条例の策定などにも応用できると思う。