種別 生態写真と解説
種ごとに生態写真を使って蝶(卵から成虫まで)や環境を紹介します。
写真に青枠(紫枠)のあるものは、高画質ファイル(約30kb)にリンクが張られていますので、クリックしてみてください。

カラスアゲハ

カラスアゲハは大阪市内では非常に珍しい蝶です。私は、2001年に1度見ただけです。大阪市淀川区新高で、2001年9月24日、朝出勤前に、民家の小さな庭に植えられたアベリアで盛んに吸蜜していました。おそらく、風で流されてきたか、人為的なもの(採集して放蝶した、飼育して放蝶した、電車や車に運ばれた)のでしょう。豊中市服部緑地公園では、たまに見られるようです。私も1度だけ見ました。大阪市城東区では、♀が産卵に訪れるという報告もあります(手塚浩、大昆・のせ、33巻、5号、通p.2465(2004))。東京都市部では比較的目にすることもあるので、同じ都市でも東京と大阪では蝶にとってはかなり環境が異なるようです。一方、静岡市南部ではカラスアゲハは最も多いクロ系アゲハで、里山や小川沿いに多く見られます。
 日本列島のカラスアゲハは、沖縄本島のものをオキナワカラスアゲハ、八重山諸島のものをヤエヤマカラスアゲハと分類さされることがあり、この場合には本種の学名がPapilio bianor dehaanii からPapilio dehaanii C. & R. Felderに変わりますから注意が必要です。そしてヤエヤマカラスアゲハがPapilio bianor になります。Papilio junia とされる場合もあります。
基礎データ(大阪市周辺域)
■科 アゲハチョウ科 ■学名 Papilio bianor dehaanii Cramer またはPapilio dehaanii C. & R. Felder
■生息環境 大公園 ■成虫観察時期 5月〜9月?(3化?)
■越冬態 ■食草・樹 コクサギ、カラスザンショウなど(推定)
■増減 不明 ■成虫の多少 ごく稀
基礎データ(静岡市南部)
■生息環境 郊外山地 ■成虫観察時期 4月〜9月?(3化?)
■越冬態 ■食草・樹 コクサギ、カラスザンショウ
■増減 不明 ■成虫の多少 多い

クリックで高画質画像へ カラスアゲハの吸蜜(♂、アザミ)
2010年5月29日
静岡市駿河区大谷


典型的なクロ系アゲハの写真かもしれません。クロアゲハやカラスアゲハは赤色系統の花が好きで、アザミやツツジ類でよく吸蜜します。今年は10日ほど蝶が出てくるのが遅れているようです。
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↑通常モード撮影。

↑パスト連写撮影。

↑パスト連写撮影。
カラスアゲハの吸水と飛び立ち
2009年5月9日
静岡市駿河区大谷
Casio EX-F1


先週産卵を観察したのですが、今日は新鮮な♂が畑で吸水するところをじっくり観察できました。羽化がだらだら続いているのでしょうか。羽化したばかりの♂は、成熟するためにはミネラルが必要なため、吸水するといわれています。1時間以上この畑から離れませんでした。ほっとけば一ヶ所で動かないので、気の毒ですが時々土を投げて飛ばしました(この写真は強制飛翔ではありません)。それにしても、直射日光下の飛翔中のカラスアゲハ♂は青が冴えて非常に美しかったです。写真で再現するのは難しいですが、パスト連写機能のお陰でその雰囲気は味わえます。

連続写真はこちらのPDFファイルを見て下さい。pdfリーダーの環境設定で、ページ表示を単一表示に設定しておくと見やすいです。
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カラスアゲハの吸蜜(春型♂、ナツミカン)
2009年5月23日
静岡市葵区南部山地


コクサギの多い谷川沿いのミカン畑です。クロ系アゲハ(ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ)とジャコウアゲハが非常に多く集まっていました。
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↑カラスアゲハ♂

↑カラスアゲハ♂

↑クロアゲハ♂

↑モンキアゲハ♂

↑ナガサキアゲハ♀

↑ナガサキアゲハ♂
クロ系アゲハの群飛と吸蜜(カラスアゲハ♂、クロアゲハ♂、モンキアゲハ♂、ナガサキアゲハ♂♀の吸蜜(夏型、クサギ)
2011年8月19日
静岡市駿河区大谷


あまり車の通らない山間部の道路沿いに、クサギが何本か花盛りです。そのうち一本に特に多くのクロ系アゲハ4種が集まっていました。同時に10匹程度いました。飛び古した個体が多かったですが、非常に壮観でした。たまにナガサキアゲハ♀がいると♂が集まってきます。また、異種間の求愛もたびたび見られました。この場合はすぐに離れます。4種のうち、カラスアゲハとナガサキアゲハが比較的多く見られました。暗いのでストロボを使いましたが、カラスアゲハは見事に輝きます。
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カラスアゲハの吸蜜(ランタナ)
2003年7月14日
大阪府豊中市服部緑地公園
尼崎市在住長澤氏撮影


服部緑地では私も1度見ましたが(クサギで吸蜜)、撮影できませんでした。長澤氏より貴重な写真を送ってもらいました。
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クリックで高画質画像へ (参考)
カラスアゲハの吸水
1991年5月18日
大阪府豊能町初谷


大阪市近郊ではなかなかカラスアゲハにお目にかかれないので、蝶の好観察地の一つである初谷で撮影したものを、参考に示します。
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(参考)
カラスアゲハの吸蜜(♀)
2007年5月26日
兵庫県猪名川町


かなりぶれていますが、きれいな青がうれしいです。
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黒いカラスアゲハの吸蜜(ツツジ類)
2011年4月24日
静岡市駿河区大谷


飛んでいるときは何か分かりませんでした。緑色の鱗粉がほとんど無く、黒く見えます。飛び古しているわけではなく、異常型のようです。
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↑矢印のところに母蝶が飛んでいます。

↑矢印のところに卵があります。
 
カラスアゲハの産卵と卵
2009年5月1日
静岡市駿河区大谷


以前から雰囲気がいいなと思っている谷筋です。高さが1〜3mのカラスザンショウが数本生えており、きっといろいろなアゲハ類が産卵に来るはずと思っていました。まさにそれが的中し、最も願っていたカラスアゲハの産卵を見ることができました。樹高1mぐらいのカラスザンショウの葉裏に1卵のみ産卵しました。しかし、カメラの設定が間に合わず、微かにそれと分かる写真です。卵はミヤマカラスアゲハと同様に、クロ系アゲハに比べてかなり白っぽいです。
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孵化直前のカラスアゲハの卵
2009年5月6日
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


頭部の様子が透けて見えてきました。
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孵化間もないカラスアゲハの幼虫(1齢、3mm)
2009年5月7日朝
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


朝見ると孵化していました。ナミアゲハに比べると突起や毛がかなり長いです。
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成長したカラスアゲハの幼虫(1齢、4mm)
2009年5月8日朝
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


カラスザンショウの葉を食べて少し成長しました。葉表に静止しています。
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摂食中のカラスアゲハの幼虫(1齢、6mm)
2009年5月9日
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


摂食中は、頭部がよく見えます。
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脱皮直後のカラスアゲハの幼虫(2齢、6.5mm)
2009年5月10日
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


脱皮したようです。頭部の殻が葉に付いています。
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成長したカラスアゲハの幼虫(2齢、11mm)
2009年5月11日夜
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


次第に緑色が強くなっていきます。
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カラスアゲハの幼虫(3齢、16mm)と飼育の様子
2009年5月14日朝
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


3齢になると、青い点が現れます。飼育は、ガラス水槽でポリエチレンで密封しています。それでもカラスザンショウは、数日で葉を落とすようです。
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脱皮間もないカラスアゲハの幼虫(4齢、16mm)
2009年5月15日朝
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


2日で脱皮しました。
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威嚇するカラスアゲハの幼虫(4齢、26mm)
2009年5月17日朝
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


頭を持ち上げてヘビのように見えます。威嚇だと思いますがどうでしょうか。
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脱皮直後のカラスアゲハの幼虫(4→5齢)と脱いだ皮を食べているところ
2009年5月18日朝
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


今度は三日で脱皮しました。しかしどうもこの幼虫、体節の間隔と太さがいびつです。寄生バエの卵でも食べてしまったでしょうか。
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カラスアゲハの幼虫と臭角(5齢)
2009年5月20日
静岡市駿河区大谷 産
静岡市駿河区 飼育


なんとか食べて成長していますが、非常に動きがおかしいです。ほとんど歩けません。しかし無理やり臭角を出させました。結局、蛹化することなく死亡しましたが、寄生バエ等は確認できませんでした。
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(参考)
カラスアゲハの幼虫(幼虫)と環境
2007年7月23日
大阪府千早赤阪村


大阪府の最高地点(最高峰ではありません)がある金剛山に登りました。下山中に、道沿いに生えているコクサギで見つけた終齢幼虫です。小さくて脱皮して間もないように見えます。
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(参考)
摂食中のカラスアゲハの幼虫(終齢)
2007年7月25日
大阪府千早赤阪村 産
大阪市淀川区 飼育


鉢植えのまま庭に埋めて育てているコクサギで飼育しています。葉色はあまり良くないのですがよく食べて成長しています。
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(参考)
カラスアゲハの幼虫(終齢、36mm)
2007年7月28日
大阪府千早赤阪村 産
大阪市淀川区 飼育


ミヤマカラスアゲハと同様にヘビのような偽頭です。
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(参考)
カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの比較(終齢幼虫)
2007年7月28日
大阪府千早赤阪村 産
大阪市淀川区 飼育


カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの終齢幼虫の比較です。矢印の“首”周りの模様が異なります。ミヤマでは黄白色の帯がぐるっと回っていますが、カラスアゲハでは背中部分にはありません。
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(参考)
カラスアゲハの前蛹と飼育の様子
2007年8月2日
大阪府千早赤阪村 産
大阪市淀川区 飼育


しばらく家を空けたため、鉢に網をかけて出かけていたところ、首尾良く、コクサギの枝で前蛹になりました。葉の色と似ていたので見つけるのに苦労しました。
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(参考)
カラスアゲハの蛹
2007年8月3日
大阪府千早赤阪村 産
大阪市淀川区 飼育


前蛹に気付いた8月2日には蛹になりました。これは翌日の写真です。
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