種別 生態写真と解説
種ごとに生態写真を使って蝶(卵から成虫まで)や環境を紹介します。
写真に青枠(紫枠)のあるものは、高画質ファイル(約30kb)にリンクが張られていますので、クリックしてみてください。

ナガサキアゲハ

ナガサキアゲハは大阪市内では非常に珍しい蝶です。私は、これまでに数度見ただけです。しかし郊外では確実に土着しているし、ついに2003年6月、尼崎市で幼虫を発見しました。以下2010年9月追記:最近は関東地方北部でも採集され、温暖化の影響が大きいように思えます。大阪市や尼崎市では見かける機会が増えていると感じています。静岡市の低山地では、最も多いアゲハチョウです。2009年環境省“いきものみっけ”の調査では、茨城県常陸太田市が最北だったそうです。日本海側は福井県越前市でした。2010年9月25日の報道では、福島県いわき市で写真撮影されています。見つかった=生息、とは決められませんが、温暖化や今年の夏の暑さを物語っているとは思えます。
基礎データ(大阪市周辺域)
■科 アゲハチョウ科 ■学名 Papilio memnon Linnaeus
■生息環境 大公園 ■成虫観察時期 5月〜10月?(3化?)
■越冬態 ■食草・樹 カラタチ、スダチ、ナツミカンなどミカン科
■増減 増加 ■成虫の多少 稀→少

ナガサキアゲハの吸蜜(♀、ランタナ)
2006年9月14日
兵庫県尼崎市塚口本町


勤務先の会社の構内で、昼休みに吸蜜していました。後翅白紋が大きく前翅も少し白いところがあり、南国産の風情があります。前翅付け根に赤い紋(♀は裏表、♂は裏のみ)があるのと、後翅に尾状突起が無いのがこの蝶の特徴です。
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ナガサキアゲハの吸蜜飛翔(♂、ツツジ類)
2009年4月26日
静岡市駿河区大谷
Casio EX-F1、パスト連写


いわゆる里山的な環境です。ツツジの植え込みにいろいろなアゲハ類がやってきました。
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ナガサキアゲハの求愛(上♂、クサギ)
2009年8月29日
静岡市駿河区大谷
Casio EX-F1、パスト連写


雨が降らないと水が涸れる谷筋です。ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハが蝶道を作っていて次々にクサギの花にやってきますが、数分ごとに同じ個体がやってきていました。♀が訪花するとすぐに♂が求愛します。ちょっと望遠がきつすぎてうまくおさまりませんでしたが、このカットはなんとか雌雄両方が入ったところです。夏型の♂は光の加減で青く見えます。
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ナガサキアゲハの休憩(♀)
2007年9月26日
兵庫県尼崎市塚口本町


上の写真と同様に勤務先の会社の構内で、昼休みに、ミカンの木の周りをゆったりと飛翔していました。しかし暑いのか産卵することもなく、ときおりこのように休憩していました。白紋の出方も去年と同じで、子孫かもしれません。
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ナガサキアゲハの吸蜜(♂)
2004年10月11日
大阪府豊中市服部緑地公園


花の多い公園です。特に蝶のよく集まるフラワーロードで吸蜜していました。♂では、後翅に目立った紋がありません。

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(参考)
ナガサキアゲハの産卵飛翔、産卵、と卵
2010年9月11日
宮崎県日南市


低山地の道沿いの小さなミカン類畑です。少し暗いミカンの木の下をゆっくり飛び、時々産卵していました。葉ではなく、枝に直接、たっぷりの粘着?物質を出してくっつけているようです。
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ナガサキアゲハの卵と環境
2005年8月27日
大阪府豊中市


1枚目の写真の矢印で示すナツミカンの仲間?の葉の裏に産卵しました。産卵シーンは写せませんでしたが、きれいな♀でした。2枚目の写真のように天敵にやられたナミアゲハの卵と比較するとその大きさが分かります。住宅街と川沿いの道路の間です。なお、アゲハの卵の中身を吸った犯人として、クサカゲロウの幼虫ではないかという情報を匿名の方からいただきました(2006年12月10日追記)。
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ナガサキアゲハの卵(孵化間近)
2005年8月31日
大阪府豊中市


孵化が近くなり、中の幼虫の形が見えてきました。
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ナガサキアゲハの幼虫(1齢)
2005年8月31日
大阪府豊中市


その日のうちに孵化し、少し摂食した後の様子です。
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ナガサキアゲハの幼虫(2齢)
2005年9月3日
大阪府豊中市


いつの間にか脱皮して2齢になりました。
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ナガサキアゲハの幼虫(3齢、12mm)
2005年9月5日
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


摂食の様子、顔、単眼?です。
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ナガサキアゲハの幼虫(4齢、25mm)
2005年9月8日
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


鳥糞型最後の齢、4齢になりました。
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ナガサキアゲハの幼虫(4齢、32mm)
2005年9月10日
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


成長するに従いだんだんと緑色が強くなっていきます。臭角は赤橙色です。背中を少しつついて出させたのですが、撮影の間に少し引っ込めたときの様子です。
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ナガサキアゲハの幼虫(5齢)
2005年9月11日
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


脱皮直後の終齢幼虫です。このあと、脱いだ皮を食べます。
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ナガサキアゲハの幼虫(5齢、55mm)
2005年9月14日
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


少し成長したの終齢幼虫です。
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ナガサキアゲハの蛹
2005年9月18日
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


蛹化しました。
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ナガサキアゲハの蛹(羽化直前)
2005年9月28日 7:49am
大阪府豊中市産
大阪市淀川区飼育


羽化直前の蛹です。この日、会社に行っている間に羽化しました。♂でした。
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クロ系アゲハの蛹の比較
 黒いアゲハ4種(ナガサキアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハ)の蛹の比較をしてみました。頭部の突起の形状と、全体の曲がり方が決め手になります。
 
ナガサキアゲハの幼虫(1または2齢)
2003年6月2日
兵庫県尼崎市食満


自然状態でカラタチの大木に見つけたナガサキアゲハの幼虫です。カラタチの葉にしっかり糸をはいてつかまっています。

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カラタチ
2003年6月2日
兵庫県尼崎市食満


ナガサキアゲハの幼虫のとまるカラタチです。

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ナガサキアゲハの幼虫(3または4齢)
2003年6月6日
兵庫県尼崎市食満 産
大阪市淀川区飼育


バタフライガーデンのスダチで飼育しています。よく食べます。

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ナガサキアゲハの幼虫(5齢)
2003年6月12日
兵庫県尼崎市食満産
大阪市淀川区飼育


スダチで飼育してついに終齢になりました。ナガサキアゲハに間違いないでしょう。ナガサキアゲハとすれば都市部での発生はきわめて珍しい記録になります。

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ナガサキアゲハの前蛹
2003年6月18日
兵庫県尼崎市食満産
大阪市淀川区飼育


スダチの枝で前蛹になりました。終齢の期間はわずか1週間でした。

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ナガサキアゲハの蛹
2003年6月19日
兵庫県尼崎市食満産
大阪市淀川区飼育


前蛹になった翌朝には蛹になっていました。ナミアゲハに比べると非常に大きいです。同じ時期に同じように育てたアゲハの蛹の長さ(尾端から突起先端までの直線距離)は33mmで、ナガサキアゲハのそれは44mmもありました。

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ナガサキアゲハの飼育風景
2003年6月18日
兵庫県尼崎市食満産
大阪市淀川区飼育


飼育の様子です(実際にはふたがしてあります)。前蛹があります。

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羽化直後のナガサキアゲハ♂(表)
2003年6月30日
兵庫県尼崎市食満産
大阪市淀川区飼育


やっと羽化しました。さすがに大きいです。蛹期12日でした。クロアゲハとの区別は、尾状突起が無いことです。色も少し青っぽい感じです。♀では後翅に白い紋があります。

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羽化直後のナガサキアゲハ♂(裏)
2003年6月30日
兵庫県尼崎市食満産
大阪市淀川区飼育


前翅および後翅裏面基部(つけね)に特徴的な赤い紋があります。

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ナガサキアゲハの吸蜜(♀、裏、アベリア)
2003年10月18日
大阪市東淀川区南江口1


相当ボロですが、神崎川河川敷のアベリア街道で吸蜜していました。今年はナガサキアゲハを比較的よく見かけます。

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ナガサキアゲハの休息(♀)
2003年10月16日
尼崎市杭瀬北新町
尼崎市在住長澤氏撮影


尼崎市で長澤氏によって撮影された♀です。♀には後翅に大きな白い紋があるのが明瞭にわかります。この白い紋は南に行くほど大きくなるそうです。

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ナガサキアゲハの幼虫(3齢?)
2003年10月5日
大阪市西淀川区大和田 産
大阪市西淀川区(笹倉様)飼育
西淀川区笹倉様撮影


大阪市でついに幼生期も発見されました。西淀川区の笹倉さんの快挙ですね。西淀川区でも空気がきれいになってきた証拠でしょうか。大変嬉しく思います。

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ナガサキアゲハの幼虫(4齢、5齢)
2003年10月12日
大阪市西淀川区大和田


笹倉さん情報を元に、現地を訪れました。2m程度の小さなナツミカンに、4匹の終齢幼虫(黄色矢印)と1匹の4齢幼虫(赤色矢印)を確認できました。

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ナガサキアゲハの幼虫(5齢)
2003年10月12日
大阪市西淀川区大和田


終齢幼虫を少しつついて、臭角を出してもらいました。

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ナガサキアゲハの幼虫のいる環境
2003年10月12日
大阪市西淀川区大和田


中央にあるのが、ナツミカンです。公園の端、道路の脇です。

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ナガサキアゲハの幼虫と環境
2005年6月10日
兵庫県尼崎市塚口本町


会社敷地内にある、小さな林の縁に植えられたミカン類が5本ほど有り、その中ほどの木の下の方の枝の葉にいました。

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↑左右それぞれの側面の写真を撮り、左側面(蛹は左向き)の写真を左右逆転して比較。
ナガサキアゲハの越冬蛹と擬態
2008年11月28日
兵庫県尼崎市塚口本町


会社敷地内にある、小さな林の縁に植えられたミカン類の木(上記と同じ)に9月に数匹の幼虫を見つけていましたが、今日見ると越冬蛹がありました。緑色の苔が生えているように見えましたが、左右を比較すると全く同じ模様で、蛹そのもの模様のようです。すばらしい擬態です。

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