空の輝き
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はじめに
日頃、空を見ていると、ときどき不思議な現象に出会います。有名なのは虹ですが、虹もその物理的な説明を聞かないと不思議な現象だと思います。他に、環天頂アーク(逆さ虹)、環水平アーク、タンジェントアーク、内暈、幻日、光環、彩雲などがあります。そういう現象に会うこと、さらにそれをうまく撮ることはなかなか難しいのですが、見られると大変うれしいものです。これらは多くの方が気付かないうちに、皆さんの頭上で実際に起こっているのです。それを意識して空を見ていれば、ほとんどの人は必ず見られるはずです。
 このような現象は、大気光学現象、気象光学現象と呼ばれ、水滴・氷の結晶・大気による、光の回折・反射・散乱・屈折によって起こります。このページではそれらの現象について、見る方法や光学的原理を解説していきます。このような現象を見るための一助となれば幸いです。また私の観察した写真のページにリンクしています。下記の各現象の写真をクリックしてみてください。これらの写真からそれらが見られる雰囲気や雲の様子などが分かり、見つけるヒントになると思います。
 こちらのページでは、光の基礎と、空の青、夕焼けの赤、雲の白について詳しく解説しています。
 観察リストのページ(HTML)では、見られた現象を日ごとに表にしています。また、すばらしい日には、その日の出来事をまとめた写真集にリンクしています。
 間違いのご指摘、ご要望等は是非メールを下さい。(メールはこちら)

気象光学
環天頂アーク、外暈、幻日、幻日環、内暈、太陽柱(2007年3月16日、兵庫県尼崎市)
気象光学現象の見える場所
下の図に、環天頂アーク(逆さ虹)、タンジェントアーク、内暈、幻日、光環などが見える位置を示します。物理的に、全てが同時に見えるわけではありません。また、タンジェントアークやラテラルアークなど、太陽高度に依存して、それらの高度だけでなく大きく形が変化するものが多くそれらは代表的な形のみを表しています。
気象光学
 初めてこれらの現象を見つけるときには、太陽に対してどのあたりに出てくるかわからないので見つけにくいと思います。その時に役立つのが手のひらです(下図参照)。人によって多少異なるでしょうが、腕を伸ばして手のひらを広げ、親指を太陽の位置にして太陽を隠すと小指の位置が内暈、幻日、タンジェントアークの位置になり、さらにもう一つの手のひらを連ねると環天頂アーク、外暈、ラテラルアークの位置になります。同様に、太陽から地平線方向に、手のひら2つ分で環水平アークの位置になります。目の保護のため太陽は何かに隠しましょう。
見える位置

撮影方法と道具
 これらの現象を見るには、太陽の光を直接見ないことが大事です(写真も同じ)。そのためには、道路標識、街灯、建物、木、自分の指などで隠すことが大事です。私自身は、カメラとともに、100均でも売っていることがある、伸縮棒付きミラーを持ち歩いています。また、日頃からND(減光)フィルターとカメラを持ち歩きましょう。見る前に、周囲に気を配り、交通事故や衝突事故、他人の迷惑にならないように十分気を付けましょう。これは夢中になるとできなくなりがちですが大事に至ります。十分肝に銘じましょう。わたしが日頃持ち歩いている撮影グッズを下の写真で示します。基本となるカメラはリコーのCaplio GX100です。これはもう一つの趣味の蝶の観察用に買ったのですが、広角は24mm相当で、外接ハロも十分入り重宝します。フォーカスを無限遠(∞)します。アークやハロを撮るときには明るいので絞り優先設定で絞り(F)を最大の設定で使います。シャッタースピードは自動で決まりますが、レンズをアークに向けると暗くなりすぎる場合があり、アークからはずして半押しにしてシャッタースピードを設定してから撮りたい方向に向け直しすれば、すばやく明るさを調整できます。さらに、魚眼アダプダーである小さな“魚露目8号”を装着すると空がすっぽり入りますので、大きな幻日環を撮ることも可能になります。伸縮棒付きミラーは、100円で手に入りますから、これはいっぱい買って、ポケット、サイドバック、通勤鞄などに忍ばせてあります。魚露目についてはネットで調べてください。通販で買えます。カメラは一眼レフのほうがもちろんきれいに写ります。しかしこれを常に持ち歩くというのは全く不可能ですから、休日にしか使えません。空の現象は当然こちらの都合を気にせず起こります。いつ現れるか分からないので、機動性が第一条件です。もちろん休日には一眼レフを使う場合も多いです。NDフィルターは、光環や彩雲を見たり撮るときに使います。また、絞りがあまり効かないカメラではこれがないと空は白くにしか写りません。レンズにはめる必要はなく、左手でレンズの前に押さえつけながら右手でシャッターを押します。1/8減光ぐらいのが良いでしょう。
見える位置

 空の現象の判定には、太陽との位置関係がすごく大事です。また、そのときの太陽の高さも重要です。それらが分かるような写真を撮るためには、太陽と現象が同時に写っている写真が重要です。しかしハレーションが問題になります。これを防ぐためには
・太陽のない写真と太陽のある写真をそれぞれ撮る。
・太陽の位置ははっきり分かるが、太陽そのものは何かに隠して撮影する。
ことによって実現可能です。
また、太陽を隠さずに写す場合には、画像の中央に太陽を持ってくると比較的ハレーションは押さえられますし、また同心円になるのでハレーションであることがはっきり分かります。特に不思議な現象と思った場合には
・ズームレンズが付いているのであれば、いろんな焦点距離で撮ってみる。
・時間を変えて撮ってみる。
・可能なら、一緒にいる人のカメラ、携帯のカメラなど、複数のカメラを使う。
多くの場合、一枚しか撮れなかった、とか、写真を見て気付いた、場合にはカメラレンズのハレーションが多く、逆にはっきり見えたのに写らなかった、と言う場合には目(これもレンズです)やコンタクトレンズのハレーションの場合が多くある気がします。尚、太陽を撮ろうとすると、どうしても目に強い光が入ってしまいますがこれは目にとっては非常によくない(将来の白内障につながるかも)ことですので、極力、木や建物などで太陽を隠しながら、視点をすこしずつずらしてだんだんと太陽が出てくるようにするなどうまく位置を調整してください。

気象光学
木でうまく太陽を隠した写真の例
アーク、ハロの基本原理など
 環天頂アーク、タンジェントアーク、内暈、幻日などは、下に詳細に書いてありますが、氷による光の屈折現象で起こります。実は、高い空(5〜13km)にできる雲は氷の粒(氷晶)でできているのです(北海道の冬など、高緯度地方では低くなります)。ですから、高い空にできる雲が無いとこれらの現象を見ることができません。高い雲(上層雲とよびます)は、筋雲(巻雲)や薄い雲(巻層雲)、うろこ雲/いわし雲/泡雲/レンズ雲(巻積雲)です。これらが現れたら期待しましょう(絹積雲ではほとんど起こりませんが)。彩雲や光芒は低い雲も含め多くの雲で起こりえます。高い雲が実際にどのようなものかは、それぞれの現象の写真集のページを見れば分かると思います。ただし、上層の雲があるからといってこれらの現象が起こるとは限りません。氷の質が重要なのです。光が通るようなきれいな透明であったり、反射するきれいな平坦な面があることが必要です。そこが難しいところです。薄雲である巻層雲の場合には水滴でできている高層雲(名前は高層雲ですが高層の雲ではないのです)と似ていて、この場合には何も起こりませんからがっかりということになります。また、非常に薄い場合には氷晶に気付かず、青空に環天頂アークが現れてビックリします。慣れない内は、日頃から空を見上げる習慣を付けることが何より大切と思います。
 なお私は地震とアークとを連関させて考えることに対しては反対の立場です。環水平アークとか環天頂アークというのは、晴れてさえいれば3日続いたり月に9回(もしかしたらもっと高頻度)は起こることもある現象です(ただし地方と季節によります)。ただ時間的に短かったり(数秒で消える場合も多いです)、低層の雲に隠れていたり、霞んでいたり、角度が高かったりで気が付かないだけです(きれいなのは非常に稀です)。私の場合、2007年1月は9回、2008年11月は8回見ました。慣れてくると通勤時間、建物間の移動、トイレ、そういうときに1秒でも空を見上げられれば見つかるようになります。(誤解を招く表現を修正(2008-12-29))。
 外暈とラテラルアークの区別や珍しい現象を理解するためにはシミュレーションが非常に役に立ちます。こちらのページにはある条件でのシミュレーション(つまりどのような氷があるかを仮定し、そのときに見える様子を計算で求めて絵にするわけです)結果を示していますので参考にして下さい。
 なお、このページに紹介しきれないですが、非常に稀ながらも実際に観察されている現象が多数あります。接触アーク、向日、向日アーク、対日アーク、カーンアーク、モイラネンアーク、9°のハロなどです。これらは私自身は全く見たこともなく、たぶんほとんどは一生見ないでしょうが、期待を込めてそれらを解説した非常に稀な気象光学現象というページを作りました。
上層の雲
↑上層の雲の例。この日の午後、すばらしい環天頂アークが出た。
上層雲
↑薄い巻層雲にできた環天頂アーク。白い雲は中層の雲である高積雲で環天頂アークができたところには雲は見えない。

 このページを書くためにいろんなホームページや書籍を参考にいたしました。特にAtmospheric Optics(英語ですが、HaloSimというシミュレーションプログラムを始め非常に役に立ちます)、“天空博物館”Arbeitskreis Meteore e.V.(英語/独語ですがすごい写真がいっぱい!)、コックちゃんのホームページ自然の気象科学館鈴木康之氏の“都会の空”中川清隆様@立正大学地球環境科学部環境システム学科のHP虹色通信掲示板を参考にさせて頂きました。ここに深く感謝いたします。
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主な現象と解説
環天頂アーク(かんてんちょうあーく、circumzenithal arc)
環水平アーク(かんすいへいあーく、circumhorizontal arc)
環天頂アーククリックで環天頂アーク写真集へ 環天頂アーク解説
環天頂アークの仕組み
環天頂アークの概要
一言で言えば 頭上高く出る逆さ虹
姿形 下側にへこんだ弓、鮮やかな虹色(きれいなとき)
季節 一年中
時間 太陽または月の高度が22度前後(日の出からおよび日の入前それぞれ1.5〜2.5時間ごろ)
位置(方向、高さ) 太陽または月の方角に向かって頭上近く(太陽から46°上から天頂までの間)
氷晶の様子 [1]六角面が水平、[2]稀ながら六角面が垂直で四角面2面は水平
主たる光路 90°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 普通(大阪市では年40日以上。3日続くことや月に8回とかもあり。しかし場所によっては年数回かも)

環水平アーククリックで環水平アーク写真集へ 環水平アーク解説
環水平アークの仕組み
環水平アークの概要
一言で言えば 地上と太陽の間に出る水平虹
姿形 水平の虹色(きれいなとき)
季節 4月初から9月初(大阪基準、北部で短期、南部で長期)
時間 太陽高度が68度前後(南中時前後)
位置(方向、高さ) 太陽の方角に向かって太陽と地平線の間の地上に近いところ
氷晶の様子 [1]六角面が水平、[2]稀ながら六角面が垂直で四角面2面は水平
主たる光路 90°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 普通(大阪市では年20日以上。3日続くこともあり。しかし場所によっては年数回かも)
 環天頂アークと環水平アークは同じ氷晶(氷の結晶)が同じように水平に浮かんでできるので、まとめて解説します。違いは光の進み方だけです。
 まず、環天頂アークは別名天頂環、天頂弧、逆さ虹といい、太陽(または月)の方向から、天頂側つまり上方に45〜58度程度離れた位置に、虹のようにきれいに分光して見えます(よい条件の時)。一方環水平アークは、水平環、水平弧とも呼ばれ、環天頂アークと同様に太陽の方向に、地平線(水平線)側つまり下方に虹のように見えます。環天頂アークも環水平アークも、太陽に近い側が赤、遠い側が青・紫です(これは水滴でできる虹と共通で、赤い光は青い光よりも屈折の角度が小さいことに因ります)。
 環天頂アーク、環水平アークともに太陽から45〜58度程度離れた位置に見えます(太陽高度が低いときや高い時に、太陽とアークの成す角度が大きくなります)。上図や他のサイトで46度と書いていますが、これは両アークが最も強く輝く太陽高度の時です。
高度計算
↑環天頂アークと環水平アークの現れる高度と太陽高度の関係。太陽高度に大きく依存するときとあまり依存しないときがあります。

 また、両アークともに天頂を中心とした円のうち、太陽側に最大約108度分の円弧が見えます。
 環天頂アークは太陽の位置が比較的高いときれいな円弧に見えますが、低いとちょっと上に反(そ)った感じになります。環水平アークは水平(つまり地平線からの見上げ角が同じ)にあるように見えるのですが、“水平にあること”は“直線であること”を意味するわけではなく(ここは誤解の多いところです)、円弧の一部ですから、非常に広い視野角のため、上に反って見えたり写ったりします。また、後述する下部ラテラルアークや外暈と同時に現れることもあり、そうなると“虹”の形がさらに上に反っていますが、これらの区別は実際には非常に難しいでしょう(筆者はほぼ諦めに近い)。
 図示しているように両アークとも、薄い氷晶(プレート氷晶と呼ぶことがあります)が水平に浮かんでいるとき、天面(六角面)から横面(四角面)に光が抜け、2回屈折したときに分光されます。屈折する角度は、波長の短い青が赤にくらべて大きくなり、そのために虚像として見えるアークでは、よく曲がる青が太陽から遠く側、赤が太陽側に見えます(図2、これは代表的な光路を示しているに過ぎません。氷晶内部上下六角面で2回反射するものもあります。下記幻日欄参照。2008-2-17追記)。代表して1個の氷晶から、青と赤の光が来るように描いていますが、実際は多数の氷晶がそれぞれの色を分担しています(大まかに言えば)。なお、水平の氷晶だけでなく下記のパリーアークを作る氷晶でも両アークは現れます(非常に稀ですが2008年12月27日にこれによる環天頂アークを見ることができました)。
 両アークともに出現や形は太陽高度(見上げ角度)に大きく依存しています。太陽高度が上がり過ぎると、環天頂アークは起こりません(起こるのは太陽高度が32度以下)が、代わりに下部に環水平アークが現れます。太陽高度58度以上で環水平アークが現れます。大阪市では3月末から9月中旬まで可能性がありますが、実際には4月上旬から8月下旬まででしょう。Arbeitskreis Meteore e.V.によれば、太陽高度が22.1度の時に環天頂アークは最も強く輝くので15〜25度のときよく観察できるとも書かれています。日の出後、日没の前1時間半から2時間半ぐらいの間が良いということです。一方、環水平アークは太陽高度58度以上で見られ、67.8度前後がベストということです。
 このように、太陽高度がこれらのアークを見るためには非常に重要なヒントをくれます。そこで、日付、北緯、東経を入力すると、太陽高度が時刻でどう変化するか計算するExcelをつくりました。日の出日の入時刻もグラフ化されます(ここをクリック)。緯度経度の求め方についてもそのページに書いています。さらにこの計算を元に、一年を通じて、何時頃に環天頂アークや環水平アークが見える時間帯を計算できるようにしました。大阪駅での様子を下に示します。多少の誤差はありますが、目安には十分と思います。このグラフは場所でかなり異なります。このグラフを元に、あらかじめ今日何時何分に環天頂アークや環水平アークがベストかを調べておき、もしも雲が良さそうな日にはその時間だけアークがあるはずの位置の空(環天頂アークなら太陽から46度上、環水平アークなら太陽から46度下、ともに手のひら2つ)を見つめれば、かなりの確率でアークを見つけることができるでしょう。指定地での計算のご要望があればメール下さい。(この項、2010-05-23他改)
観察時間帯
↑環天頂アークと環水平アークの観察時間帯。見える条件はぎりぎりの角度ははずし、環天頂アークは太陽高度 1〜31度、環水平アークは59度以上とし、ベストは、それぞれ22度±1度、68度±1度、ベターは±5度としました(2009-01-18、三色にし少し調整しました)。

下図は太陽高度で環天頂アークと環水平アークがどう変化するかをHaloSimを用いてシミュレーションした結果です(各太陽高度の結果を重ねて示しています)。環天頂アークを見つけるためには、薄い雲や筋状の雲が出ているときに、腕を伸ばし手のひらを広げ、太陽から上に、親指から小指までの距離を2倍にしたあたりの頭上を見ることです。一方、環水平アークはかなり横長に広がる可能性もありますから、見つける場合には、まず体を太陽方向に向け、目は太陽から下に(腕を伸ばして)親指−小指間隔の2倍の位置におき、首を左右に振ってみましょう。
シミュレーション
↑天頂を中心に魚眼で見た環天頂アーク(左図)と環水平アーク(右図)が太陽高度に依存して変化する様子(幻日および幻日環(後述)も合わせて示す)。(HaloSimシミュレーション)

 
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幻日(げんじつ、parhelion (複数形は parhelia) )、幻月(げんげつ、paraselene、複数形 paraselenae)
幻日クリックで幻日写真集へ 幻日解説
光路の一例

幻日の概要
一言で言えば 太陽の両脇に出る虹色スポットまたは帯
姿形 赤いスポットと白い帯(時に緑、青も)
季節 一年中
時間 太陽高度が61°以下(低いときによく見える)
位置(方向、高さ) 太陽の両側22°またはそれより少し離れたところ、太陽と同じ高さ
氷晶の様子 六角面が水平
主たる光路 60°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 多い(大阪市では年60日以上。しかし場所によっては年10回ほどかも)
幻日は、太陽の両側22度あたり(太陽高度が上がるに従い少し離れて)にできる赤色を主体とした虹色のスポットとして見えます。尾を引いているように見えることもあります。また、太陽が低いときには上下に伸びた帯に見えることもよくあります。原理的に太陽高度が61°以下の時にしか見えませんが、後述の氷晶が揺れているとそれよりも高くなることもあり得ます。ただし通常は低いほど見える頻度も上がるでしょう。環天頂アークと同様の薄い六角氷晶(プレート氷晶と呼ぶことがあります)が水平に浮かんでいる状態による分光で起こります。環天頂アークと異なるのは光の経路です。六角形の一つ間をおいた2面を通過しますが、これはいわゆる正三角柱の60度プリズムと同じ光路になります。このときの太陽の光が進む方向とは主として22度の角度を持ちます。(なおこれは代表的な光路を示しているに過ぎません。氷晶内で上下六角面で2回反射するものなどもあります。下記参照。2008-2-17追記)
最小偏角
 しかしこの22度というのは絶対の値ではなく、プリズムの形、屈折や反射の原理からこの角度の光が多いという意味です。しかし22度よりも大きい側にも少しは出てきます(原理的には外暈よりも大きい50度程度まで)。これ以下の角度に光が出てこない角度(この場合は22度)は専門用語で最小偏角ともいい、プリズムの原理からこれ以上は小さくなりません。また、赤色など波長の長い場合には最小偏角は22度よりも少し小さく、青色では22度より大きくなります。そのために赤色が太陽の近く、青色が太陽から離れて見え虹のように色が別れます。しかし虹ほどはっきりと色が分かれることはありません。幻日を作る氷晶は水平には寝ていますが、太陽光が出入りする四角形面の向きは全くのランダムです。その結果、赤色は先ほども書きましたが22度よりも大きい角度にも出てきますので、青色などの光と混じってしまいます。その結果、幻日では赤色ははっきりと見える場合が多いのですが、緑色や青色が見えることはほとんどありません(それでもたまにきれいに青色が見えることがあります)。また、太陽から離れるとほとんど白くなってしまいます。
 下図は太陽高度10、30、50°の時の幻日をHaloSimでシミュレーションした結果を重ねて示したものです。太陽高度が高いほど、幻日は太陽(および内暈)から離れ、また分光して青色などがきれいに見えることが分かります。ただし、氷晶の揺れなどにも依存します。この図はあくまでも一例です(この段落と図2009-08-23追記)。
最小偏角
 幻日は、太陽と同じ高度に、太陽の右と左の2個現れます。しかし雲の関係で、左右どちらかしか見えない場合も多いです。さらに、太陽高度が高くなると氷晶に斜めに入射・出射することや、氷晶内を反射するなどして光路が異なるために、説明図の22度と書いた角度が広がり、内暈と離れて見えます。また、氷晶はかならずしもきちんと水平にならず揺れているために、特に地平線に近い場合には上下に長く広がっていることが多く、大きく揺れている場合には上下が欠け気味の内暈のようになります(下の外暈の項参照)。この場合、内暈と呼ぶべきか幻日と呼ぶべきかは判断が付きませんが、実際の氷晶の状態を確かめることは不可能ですので、幻日と内暈の両方が見えたということでよいと思います。太陽が低いときによく見えると最初に書きましたが、これは、薄い氷晶でも反射せずに光が透過する可能性が高いことに加え、大気中の光路が長くなるためその間に適した氷晶が存在する確率が上がるからでしょう。
 幻日を見つけるためには、薄い雲や筋状の雲が出ているときに、腕を伸ばし手のひらを広げ、太陽と同じ高さで、太陽から、親指から小指までの距離あたりを見ることです。内暈が出ているときには、太陽高度の内暈の近くを見ていれば、時々現れることがあります。太陽ではなく月の光でできる場合を幻月といいます。
 さて、以上はこれまでよく言われてきた光路についてですが、実際には太陽高度によって主たる光路が変わるようです。この後示す幻日環や120度幻日においても多数の光路があることがシミュレーションで確かめられています(参照:Atmospheric Optics)。下図は、幻日、幻日環、120度幻日の光路の一部を示してあります。
幻日の光路
あくまでも代表的な光路にすぎません。
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幻日環(げんじつかん、parhelic circle)、幻月環(げんげつかん、paraselenic circle)
幻日環
クリックで幻日環写真集へ
幻日環解説光路の一例。クリックで大きな図へ

幻日環の概要
一言で言えば 天頂周り360°の輪
姿形 白い線の輪またはその一部(一部であることがほとんど)
季節 一年中
時間 太陽が出ていればいつでも
位置(方向、高さ) 太陽の高さの天頂周り360°(太陽の周りではありません!)
氷晶の様子 六角面が水平または六角面が垂直
主たる光路 垂直の面で反射(それ以外にもある)
レア度(見える年間日数) 少ない(大阪市では年数日程度)
太陽と同じ高度に全天一周の輪が見えることがあり幻日環とよびます。これは幻日を作るような薄い氷晶(プレート氷晶)が水平に浮かんでいるときの四角形面やタンジェントアークを作る長い氷晶(鉛筆型氷晶)が横に浮いたときの六角形面のような垂直面で太陽光が反射されて起こります。太陽高度が高くなるにつれて、幻日環は小さくなります。太陽高度68度で内暈と直径が一致し、79度で内暈の中に入ってしまうほど小さくなります。幻日環の円の中心が天頂です。なお、空にある場合には、距離感は全く感じられませんから(雲も月も太陽も同じ距離に見える)、鏡が実際には見ている人から非常に近くても、太陽の“高さ”にあるといえます。実際には、仰角(見上げ角度)が同じだということです。太陽ではなく月の光でできる場合を幻月環といいます。
 鏡がビルのガラス窓のように垂直に浮かんでいることを想像してみて下さい。ちょうど太陽の光が鏡に反射して、見ている人の所に達するとき(このときの鏡の角度は解説図にあるように太陽からの角度によって異なります)、見ている人は太陽が鏡の方向にあるように見えます。そのときの太陽を見上げる角度は、実際の太陽と同じになります。もしも浮かんだ垂直の鏡が全周にあれば、太陽も全周にあるように見えるはずです。これが幻日環です。つまり幻日環は無数の太陽がぐるっと並んでいる状態です。
 幻日が尾を引いているように見えることがありますが、これは幻日が伸びているのか幻日環か区別するのが難しいです。太陽より外側のこの尾(白い帯)について幻日(屈折による)と幻日環(反射によるものを多く含む(注:以前は反射による、と記していましたがそれは下記のように光路が多数あるので必ずしも正しくありません)を区別することは困難ですので、太陽側に白い帯が伸びるか、外暈とクロスする位置以上に伸びていときに自信を持って幻日環の観察ができたといえるでしょう。
 幻日環は明瞭な場合にはすぐに分かりますが、部分的に出てしかも薄い場合には見つけるのが難しいです。しかし、はっきりとしたタンジェントアークや外接ハロあるいはラテラルアークが出ている場合、あるいは非常に強く輝く幻日が見られているときには、かなり高い確率で幻日環が見られます。また、幻日環は120度幻日を伴う場合が多く、幻日環が見られる場合には、左右120度のあたりをよく観察することが120度幻日を見つける一つのポイントです。しかしタンジェントアークが明瞭に見えるときは鉛筆型氷晶が主なので、120度幻日は見られないことが多いでしょう。
 (実際には、幻日の項に追記したように、複数の複雑な光路があり、その中には屈折もあり、色づく場合もあります。太陽高度や方角によって主たる光路が変化します。よってより詳しく論じる場合には、幻日や120度の幻日の定義は、「六角面に垂直な垂線に対して氷晶が回転してもある一定の角度にのみ出射される光路を取る場合」とし、一方、幻日環の場合は「光路がかなり広がる場合とする」というべきでしょう。2008-2-17追記)。2011-04-10部分改変
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120度の幻日または120度幻日(120どのげんじつ、120°-parhelia)
幻日クリックで120度の幻日写真集へ 120度幻日解説
光路の一例

120度の幻日の概要
一言で言えば 太陽の反対側左右に出る白いスポット
姿形 白くて丸いスポット
季節 一年中
時間 太陽高度が61度以下(少し自信なし)
位置(方向、高さ) 太陽と反対側左右60°(太陽から120°)、太陽と同じ高さ
氷晶の様子 六角面が水平
主たる光路 屈折して入射した後四角面で反射
レア度(見える年間日数) 稀(大阪市では年2日程度)
幻日環の上で太陽から120度の位置(2個)に白く光るスポットが見えることがあり、これを120度幻日といいます。幻日と同じように、薄い六角形の氷晶が水平に浮かんでいるときにできます。普通の幻日とは光路が異なり、光が上部の六角形面から入り、隣同士の2つの四角形面で2度反射し、下部の六角面から出てきます(追記 この光路はあくまでも一例に過ぎません。詳しくは幻日の項参照 2008-2-17追記)。幻日環は120度幻日を作る薄い氷晶だけではなく、細長い氷晶でも起こるため、幻日環ができても120度幻日がないときもあります。120度幻日は、稀ではありますが、単に気付かないことが多いのではと思います。幻日や幻日環が見えたら、きっとあると信じて太陽と同じ高さで、影から左右60度の位置をよく観察することが大切です。
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映幻日(えいげんじつ、subparhelia)
映幻日クリックで映日、映幻日の写真集へ 映幻日解説
 
飛行機に乗るなどして高いところから下方を見ると、太陽の真下から左右にずれた位置に、幻日と同じように虹色のスポットが見える場合があり、これを映幻日といいます。これは、図に示すように、幻日と同様に、水平の氷晶で、60°プリズムのように2回屈折が起こっているためですが、幻日と異なるのは、氷晶内下面で一度反射しています。屈折無しで氷晶上面または下面で反射する場合に起こる映日(下記参照)と同時に見られる場合が多いようです。
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ローウィッツアーク(ろーうぃっつあーく、Lowitz arc)
幻日クリックで幻日、ローウィッツアーク(ローイッツアーク)写真集へ  
ローウィッツアーク解説
上左図の“従来の説”に示すように、幻日を作る扁平な氷晶が六角形の2つの頂点を中心にして回転したときに、太陽光が幻日と同じ光路を通って人の目に届いたときに見えるアークをローウィッツアークといいます。中心軸は上図のように3本ありますから、ローウィッツアークは3種類有り、図のように上部、環状または中部、下部ローウィッツアークと呼ばれます。基本は幻日なので、どのアークも幻日を通ります。太陽高度によって形を大きく変えます。こちらのページに太陽高度による形状の変化の様子をシミュレーションにより図示しましたので参照して下さい。また、回転の一部はパリーアークを作る氷晶と同じになる瞬間があるので、ローウィッツアークの1種は太陽に凸のパリーアークと、もう1種は太陽に凹のパリーアークと重なります(太陽高度に依りますが)。しかしながらローウィッツアークは非常に稀な現象で、この氷晶回転説は必ずしも正しいとは限りません。最近、上右図の“最近の説”にあるように、少し扁平な氷晶が、回転ではなく揺れている状態で起こるともいわれています。いずれにしても実際の氷晶を観察しているわけではないので今後の研究が待たれます。私の観察では、中部と下部の断片と思われるもののが観察されましたが、単に幻日の一部かもしれません。
 なお、名称はThomas Lowitz氏が1794年に最初に記述したことに基づきます。
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光柱(こうちゅう、light pillar)、太陽柱(たいようちゅう、sun pillar)、月柱(げっちゅう、moon pillar)
太陽柱クリックで太陽柱写真集へ 太陽柱解説
 

光柱、太陽柱、月柱の概要
一言で言えば 太陽や月、サーチライトの上下の光の柱
姿形 太陽や月、サーチライトの色の棒状
季節 一年中
時間 日の出日の入、月の出月の入前後、光柱は夜
位置(方向、高さ) 太陽または月と接して上部または下部、サーチライトなどの上空
氷晶の様子 [1]六角面が水平を中心に揺動、[2]稀ながら六角面が垂直で四角面2面は水平を中心に揺動
主たる光路 水平面で反射
レア度(見える年間日数) 少ない(個人的には年数日だが、きちんと観察すればずっと多いと思われる)
光柱は氷晶に反射した光源の虚像を見ています。太陽で起こるのが最も気付きやすく太陽柱と呼ばれます。月やサーチライト、漁り火などでも起こります。その場合には月柱、光柱とよばれます。幻日などをつくる薄い氷晶の六角形面や横に寝た長い氷晶の四角形面が、水平になっていないとき(揺らいでいるとき)に起こります。解説図では太陽の上側のみ示していますが、下側にも現れます。なお、氷晶が水平の場合には、反射では太陽は間延びせずに見えるので、そのときは映日と言います。実際には、完全に水平の氷晶だけがある、ということはほぼ無いので、上下に伸びた細長い楕円の映日になります。つまり、太陽柱と映日は連続した現象ですので、明瞭に区別できない場合もあるでしょう。下記の映日の項で書いているように高度が高いところから下方にしか見えないようです。地平線下の太陽が、上空にスポットとして映る、つまり日没後に明るいスポットが見えた記録があれば教えて下さい(2012-02-05、2013-01-12修正)。
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映日(えいじつ、subsun)
映日クリックで映日、映幻日の写真集へ 映日解説
 
飛行機に乗るなどして高いところから下方を見ると、白いスポットが太陽の真下の位置に見える場合があり、これを映日といいます。これは、図に示すように、太陽柱と同じように、屈折無しで氷晶上面または下面で反射して起こります。屈折がないので色が付くことはありません。氷晶は完全に水平になることはなく、縦長になり太陽柱的になることが普通です。つまり両者は連続したもので、明瞭に区別できない場合もあるでしょう。両者が同時に見えることも多いのではないでしょうか。池や川の水面に映る太陽を想像しても分かり易いと思います。波のない穏やかなときは、太陽そのものが水面に映りますが、波がある場合には、太陽は長く伸びて見えます。これらの場合がそれぞれ完全な映日と太陽柱を表しています。なお、本州のスキー場でも見事な映日、映幻日、太陽柱が見られています。ダイヤモンドダストが舞う早朝や夕方がチャンスです。(2013-01-12修正)
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内暈(ないうん、うちかさ、22-degree halo )
内暈
クリックで内暈写真集へ
内暈解説
 

内暈の概要
一言で言えば 太陽または月の周りの輪
姿形 少し赤い円
季節 一年中
時間 太陽または月が出ていればいつでも
位置(方向、高さ) 太陽または月のまわり22°の円周上
氷晶の様子 特に定まったものはなくあらゆる方向の混合
主たる光路 60°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 非常に多い(大阪市では年100日以上だが、場所によっては数十回程度以下かも)
内暈は、「お日様に暈(かさ)がかかった、雨が降るよ」とか言われる太陽の周りを取り囲む輪のことです。太陽から視半径22度の円になっていますので22度ハロとも呼ばれます。太陽の周りに丸い虹が見えた、といわれるのはたいてい内暈のことです。ただし内暈は原理的にあまり色がきれいに別れることはないので、太陽高度が60度以上の場合に、線が細く明瞭で虹色に見える場合には外接ハロと考えて良いと思います。環天頂アークなどの場合と異なり、長い六角柱の氷晶(鉛筆型氷晶と呼ぶことがあります)が、水平にならずばらばらになったときに現れます。氷晶内光路は幻日と同じですから太陽から22度離れた位置になります。また、幻日のところで書きましたように、同じ原理で赤色のみが目立ちます。しかし氷晶の向きは、全方向でランダムに近いので、反射や散乱も多くて一度分光した光が混じってしまい、幻日よりも色別れは少ないようです。太陽の光でできるものを日暈(にちうん)、月の光のものを月暈(げつうん)とよぶこともあります。
 補足:22度(正確には21.7度)の円になるのは最も光(特に赤色)の強い場所で実際には後述の外暈程度の50度ぐらいまで光は屈折しています。そのために22度の円の内側はすぐに暗く、外側は次第に暗くなっていきます。
内暈解説
 見つけるためには、薄い雲や筋状の雲が出ているときに、腕を伸ばし手のひらを広げ、太陽と同じ高さで、太陽から、親指から小指までの距離あたりを見ることです。晴れのち曇りという天気予報も目安になります。
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外暈(がいうん、そとかさ、46-degree halo )
外暈クリックで外暈写真集へ
なおこの写真は外暈ではない可能性があります。
外暈解説

 

外暈の概要
一言で言えば 太陽の周りの大きな輪
姿形 少し赤い円
季節 一年中
時間 太陽が出ていればいつでも
位置(方向、高さ) 太陽のまわり46°の円周上
氷晶の様子 [1]六角面が水平に寝ている状態を中心として揺れているもの、[2]特に定まったものはなくあらゆる方向の混合
主たる光路 90°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 稀(大阪市では上記[1]では年2日程度、[2]は経験無し)
内暈が太陽から視半径22度で見えるのに対し、視半径46度で見えるのを外暈または46度ハロといいます。少なくとも肉眼で見えるのは非常に稀です。環天頂アークなどの場合と異なり、長い六角柱の氷晶(鉛筆型氷晶と呼ぶことがあります)が、水平にならずばらばら(ランダム)になったときに現れます(内暈と同じ)。氷晶内光路は環天頂アークと同じで、四角形面から入り六角形面から出ます(90度プリズム)から太陽から46度離れた位置になります。さて、外暈とラテラルアーク(下記)場合によっては環水平アークの区別は非常に難しいものです。こちらのページにはある条件でのシミュレーション結果を示していますので両者の区別の参考にして下さい。典型的な場合には形状は明らかに両者異なります。基本的な区別ポイントとしては、まず外暈は現れないと考えて下さい。しかし実際には、氷晶は揺れていたり、いろんな氷晶を少しずつ含んでいたりして区別は難しいものですし、必ずしも区別できないのです。
一応の区別点を列挙しておきます(下に両者のシミュレーション図を示しますので参考にして下さい)。

○外暈の可能性が高い場合
  • 赤または少し明るいだけの単色系
  • 内暈と同心円
  • 太陽高度に関係なく現れる。
  • 太陽高度が15度未満、27度以上(以前15度から27度ぐらいと書いていましたがミスでした:2009年6月3日修正)で環天頂アークと離れている(これは環天頂アークと外暈との高度差がこのときに広がるため)。
  • タンジェントアークが見えない。
○上部ラテラルアークの可能性が高い場合
  • 緑、青色系の色が見える。
  • 内暈と同心円ではなく、特に幻日環があれば、幻日環と交差するときにかなり太陽から離れている。このとき、下部ラテラルアークがあれば、上部ラテラル、下部ラテラル、幻日環の3者が交差する。
  • 太陽高度が35度以下(他のサイトなどには、32度以上でラテラルが現れないと書いてありますが、間違いです。32〜35度ぐらいでは、氷晶の揺れのために現れる場合があります。ただしこのときは外暈の形状に近づきます(この文、2012-03-10追記)。)。
  • 太陽高度によらず環天頂アークとくっついている(太陽高度35度以下のみ現れる)。
  • タンジェントアークが見える、または内暈の上部下部が特に輝いている(タンジェントアークとラテラルアークは同様の氷晶でできるので、どちらかがあればもう一方もある可能性が高いのです。なお、内暈とタンジェントアークの区別も明瞭なものではありません)。
外暈シミュレーション
↑外暈の様子。内暈に比べて外暈がいかに輝度が低いかよく分かる。おもにランダム氷晶でシミュレーション(HaloSim)

ラテラルシミュレーション
↑上下のラテラルアークの様子。おもに水平氷晶でシミュレーション(HaloSim)

ラテラルシミュレーション
↑太陽高度35度での上下のラテラルアークの様子。揺動10度の水平氷晶80%+プレート20%でシミュレーション(HaloSim)

 しかし、上記のことはクラシカルな分類です。さらに複雑になりますが、環天頂アークや幻日を作り出すプレート氷晶が大きく揺れていると、環天頂アークの下に外暈ともラテラルアークとも区別の付かないアークが現れます(下図)。上記の識別点からすると外暈に近い(位置も同じ)ですが、環天頂アークから遠くなるに従って薄くなり、幻日環より下にはほとんど見えませんから従来説の外暈とも異なります。これをなんと呼べばよいかは分かりませんが、実際には外暈と同じ位置なので外暈と呼んでも良いでしょう。日本で見られる“外暈”はほぼこちらのみと考えて差し支えないでしょう。なお、太陽高度が高いと下半分の円のように見えます(2008-11-29、12-29、2009-08-19追記)。同時に、幻日は上下に伸びて上下の薄い内暈のようになります。この図はまさに、このページトップの写真(2007年3月16日)に近いものです。
外暈解説
↑仮称:“揺動外暈”。プレート氷晶100%、揺れ角34°、太陽高度20°でシミュレーション(HaloSim)
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上部、下部タンジェントアーク(upper, lower tangent arc)、外接ハロ(circumscribed halo)、パリーアーク(Parry arc)
タンジェントアーククリックでタンジェントアーク、外接ハロ写真集へ タンジェントアーク解説
 
外接ハロクリックでタンジェントアーク、外接ハロ写真集へ  
タンジェントアーク、外接ハロの概要
一言で言えば 外接ハロはタンジェントアークの一つの特殊形です。

タンジェントアーク:太陽の高さで大きく変化する内暈上部または下部の線

外接ハロ:太陽の周りの楕円またはその一部(内暈よりも虹色がきれい)
姿形 V字、上に凸の弓なり
楕円(外接ハロ)
季節 一年中
時間 太陽が出ていればいつでも
太陽高度が29度以上(外接ハロ)
位置(方向、高さ) タンジェントアーク:太陽の上方または下方22°を中心として左右
外接ハロ:太陽のまわり
氷晶の様子 六角面が垂直、四角面はランダム
主たる光路 60°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 普通(大阪市では年20日程度(明瞭に内暈上部と区別がつく場合のみカウント))

パリーアーククリックでパリーアーク写真集へ
(緑矢印パリーアーク)
 
パリーアークの概要
一言で言えば 太陽の高さで大きく変化する内暈上部または下部の線
姿形 太陽に凸のパリー:V字〜下に凸の弓なり
太陽に凹のパリー:逆V字〜上に凸の弓なり
季節 一年中
時間 太陽が比較的低いとき(30°以下)
位置(方向、高さ) 太陽の上方または下方22〜30°を中心とする左右
氷晶の様子 六角面が垂直、四角面2面は水平
主たる光路 60°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 極めて稀(大阪市では年1日程度。線が見えるのは数年に1回?)
タンジェントアーク解説
タンジェントアークは内暈の上部と下部にに接するように現れるもので、上部タンジェントアークは上端接弧(じょうたんせっこ)とも呼ばれます。光の経路は内暈と同じですが、六角柱氷晶(鉛筆型氷晶と呼ぶことがあります)が水平に寝た状態になりまた、光の入る角度が異なります。また、太陽高度によって形が大きく変わります(図2の黒太線)。太陽高度が低いとき(<25度程度)には上に開いたV字型です。パリーアーク(Parry arc)呼ばれるもの(図2の赤太線)と重なってぼんやりし区別が付かない場合が多いようです。
 下図にシミュレーション結果を示すように、パリーアークは明瞭に見える場合にはタンジェントアークのV字の上に、さらに尖ったV字になったり(太陽に向かって凸:sunvex)、太陽高度が上がりタンジェントアークが広いV字となったときには、これを覆う蓋のようになったりします(太陽に向かって凹:suncave)。非常に条件が良ければこれらは同時に現れることもあります。氷晶の形状はタンジェントアークと同じです。光路は凸型と凹型で異なりますが、タンジェントアークと同じで四角形面から入り一面隔てて四角形面から出ることは同じです。タンジェントアークと異なるのは、パリーアークでは氷晶の四角形面が水平になっていることです。
パリーアークシミュレーション
↑太陽高度によって形の変わるパリーアークとタンジェントアーク(HaloSimシミュレーション)
s.c.P:suncave Parry: 太陽に凹のパリーアーク、s.v.P: sunvex P:太陽に凸のP、T:タンジェントアーク。“?”は下部パリーアークの変形


 タンジェントアークは、太陽高度が25度程度以上になるとかなり水平になり、さらに32度29度程度以上になると下部タンジェントアークとつながり外接ハロと呼ばれるようになります。太陽高度が32度29度以上の場合、必ずしも上下がつながっていなくてもしばしば外接ハロ(の一部)と呼ばれます。さて、こちらのページにはある条件でのシミュレーション結果を示していますので太陽高度とタンジェントアークの形の関係の参考にして下さい。
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上部、下部ラテラルアーク(supra, infralateral arc)、パリーラテラルアーク(テープアーク)(Parry supra, infralateral arc, Tape arc)
ラテラルアーク
クリックでラテラルアーク写真集へ
ラテラルアーク解説
 

ラテラルアークの概要
一言で言えば 大きな虹
姿形 上部ラテラル:上に凸の弓なりの虹色の帯
下部ラテラル:短い虹色の帯
季節 一年中
時間 上部ラテラル:太陽高度32°以下
下部ラテラル:太陽が出ていればいつでも
位置(方向、高さ) 上部ラテラル:太陽上方46〜58°を中心として左右
下部ラテラル:太陽下方の左右46°あたり
氷晶の様子 六角面が垂直、四角面はランダム(タンジェントアークと同一)
主たる光路 90°のプリズムと同じ屈折
レア度(見える年間日数) 少ない(大阪市では年数日程度(虹色が明瞭に見える場合のみカウント)
 ラテラルアークは外暈と同様に、90度のプリズムとして光が屈折するときに現れます。内暈に対するタンジェントアークと同様で、氷晶(鉛筆型氷晶と呼ぶことがあります)が水平に寝た状態の時に現れます。外暈に接するように現れる場合が多いようですが、太陽高度によって形が大きく変わります。また2つに別れます。こちらのページにはシミュレーション結果を示しています。太陽高度によってラテラルアークがどう変化するか、また外暈や環天頂アークとの区別の参考にして下さい。外暈との識別ポイントや最近の研究については外暈のところに書いています。太陽高度が0度近くでは両者は上下の関係ではありません。太陽高度が10度以上になり、上下に分かれる場合には、上部および下部ラテラルアークと呼ばれます。英語ではsupralateralとinfralateralと呼び(大きい方をSupra)日本語よりも正確です。上部(Supra)の場合、弱い場合には外暈や環天頂アークと区別が難しくなります。ただし外暈がほぼ白色または赤色のみであるのに対し、ラテラルアークは虹色に分光されることが多いようです。氷晶は、細長い六角形の場合で、タンジェントアークと同様に横長に水平に寝ている状態です。一方、氷晶内光路は、幻日や外暈と同じで四角形面から入り六角形面から出てきます。
 さて、ラテラルアークの氷晶においても上述したパリーアークと同様に、4角形面が水平になったときに現れるものを上部または下部のパリーラテラルアーク(人名に基づいてテープアークとも)と呼び、非常に稀ながらも実際に観察されています。こちらのページに太陽高度による形状の変化の様子をシミュレーションにより図示しましたので参照して下さい。ただし46度接触アークに隠れて見えにくくなっています。

パリーラテラルアークシミュレーション
↑パリーラテラルアークなど(HaloSimシミュレーション)
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虹(にじ、rainbow)
虹
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虹解説クリックで大きな図へ
虹は、太陽を背にして太陽の射す方向を中心に視半径42度の円として現れます(主虹)。ただし通常見える虹は円の上部が弧として見えています。このとき外が赤になります。また、視半径51度の円(の一部)として現れることがあり、これは副虹とよばれ、外側が青、紫になります。虹は空中の球状の水滴、つまり雨粒が光を屈折・反射して、太陽の虚像として見えています。主虹は1回の反射、副虹は2回の反射です。主虹と副虹の色の順番が逆になるのは図示したように、球状水滴内の複雑な反射と屈折によります。虹は球である水滴でできますが、水滴の大きさで虹の見え方も変わります。基本的に、水滴が大きいと虹が狭く色も濃くなります。これは光を波として考えると理解できるそうです。大きすぎると球にならないので直径数mmの水滴が最適だそうです。霧のように小さい水滴では色が分かれず白虹と呼ばれますが、私は見たことがありません。なお、光が虹に集まるために、主虹と副虹の間が暗くなり、これをアレキサンダーの暗帯と呼びます。
 虹を見つけるには、朝夕に雨の直後あるいは雨が降っていて陽が射してきたときに陽の射す方向(太陽を背にします)を探せば、少なくとも虹の断片はかなりの確率で見えているはずです。もちろん、噴水や大きな滝、ホースからまいた水でもできます。海などの水しぶきでもでき、海水は屈折率が違うので、その虹の半径は雨滴でできるものより小さくなります。
 また、珍しいのは、水面に反射した太陽光で虹ができる場合があり、反射虹と呼ばれます。普通の虹と合わさってV字になります。また、空から見るときれいな円形になる場合もあります。いずれも私は見たことがありません。
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光輪(こうりん、glory)
光輪
クリックで光輪写真集へ
光輪解説
 
光輪はブロッケンの妖怪として知られる現象で後光とも御光(ともに ごこう)、御来迎(ごらいごう)ともよばれます。虹と同じで、太陽を背にして光が射す方向に現れます。光物理でいうMie散乱(ミー散乱)という現象で、数マイクロメータレベルの粒子によって光を反対方向に散乱して起こります。虹に比べると基本的に円が小さくなります。虹は42度ですが、光輪は数度で色は繰り返され何重にもなる場合があるそうです。山や飛行機で見られる場合が多いです。私はまだ飛行機から一度、山で一度の計二度見ただけです。
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光環、光冠(こうかん、こうかん、corona)
光環
太陽の光環、クリックで光環写真集へ
光環解説
 
月の光環
月の光環、クリックで光環写真集へ
夕日の杉花粉光環
夕日の杉花粉光環、クリックで光環写真集へ
光環(または光冠とも)は、霧、花粉、黄砂といったマイクロメーターレベルの粉塵、微粒子によって光が散乱・回折・干渉でかなり複雑に分光されて起こります。散乱・回折というのは、光が粒子の近傍を通過するときに粒子の大きさと波長に応じて曲げられる現象です。回折は水の波が、障害物の後ろに回り込むのと同じで、光が波の一種であることを示す事象です。太陽や月、街灯などでも見られます。花粉症がひどい年にはきれいな光環が見えます。花粉光環とよびます。これは困った話ですが、夕日の花粉光環は花粉の形状と配向の影響で縦長になり、後光のようで美しいものです。杉花粉はいくらか扁平で、しかも中央に1本の突起などもあって心持ち扁平の状態で大気中に浮いていると考えられます。横から見て粒子が扁平な場合、光環は逆に縦長になるそうです。
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彩雲(さいうん、iridescent cloud)
彩雲
クリックで彩雲写真集へ
彩雲解説
 
彩雲は光環と同じ、光が雲を作る水滴によって散乱・回折・干渉されて起こります。雲の端では蒸発によって水滴が小さくなり易いため、雲の端からの位置によって色がそろうようです。なお、彩雲という言葉は、色の付いた雲、という広い意味で使われることもあります。その場合、環水平アークやラテラルアークなども彩雲に含まれると思われます。私のHPでは、彩雲と環水平アークは物理的に異なる現象として区別して扱います。
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光芒、薄明光線(こうぼう、はくめいこうせん、crepuscular rays, Jacob's ladder)、反薄明光線(はんはくめいこうせん、anti-crepuscular rays)
光芒
クリックで写真集へ
反薄明光線
反薄明光線
光芒の芒はススキを意味しています。ススキの穂のように広がっていると言うことでしょう。基本的には雲の影の部分が暗く、光が通った部分が明るく筋状になっているもので、通った光が、微小な水滴によって散乱されて見えています。薄明光線とも呼ばれます。太陽の四方に広がりますが、下側に向いた場合には、ヤコブの梯子とか天使の梯子とかと呼ばれます。かつての日本軍の旭日旗や朝日新聞社の旗はまさに四方に広がる光芒ですね。反薄明光線と呼ばれるものもあります。頭を越えて太陽の反対に伸びる、などといわれても区別はしづらいですね。“筋”が集まる先が太陽であれば普通の薄明光線、集まる先が太陽の反対側「対日点」であれば反薄明光線とすれば、区別はいつでも明瞭にできます。(2008年2月改) 反薄明光線は、規模が大きいものは、かなりの広範囲で(たとえば近畿一円で)同じような形で見えることがあります。このような場合、朝鮮半島に大きな幅が数十kmにわたる積乱雲が発達しているのです(見事な反薄明光線の時は、現地ではおそらく豪雨になっているわけで、一概に喜べませんね)。ところで、薄明光線にしても反薄明光線にしても、一点に収束するように(あるいは広がっているように)見えるのはなぜでしょうか。太陽ははるか彼方にあり、光または影は平行に伸びています。それが一点に収束するように見えるのは、いわゆる遠近法というもので、遠くのものは小さく見えることによります。

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