CHAOS;HEAD(カオスヘッド)

ニトロプラスの『CHAOS;HEAD』をクリアしました。感想です。ネタばれバリバリありです!!

システムの面から。主人公の声があるのですね。面白いです。しかも、吉野裕行さんって私けっこう好きなんですよ。最初に好きになったきっかけは『うたわれるもの』のヌワンギでしたが。今はアレルヤとしてすっかり有名になっていますね。 次に主人公の拓巳の部屋の内部。3Dモデリングされていて、くるくる振り向ける。しかも飾ってあるフィギュアが結構有名なものばかり。分かるだけでも『月姫』のアルクェイドとか、『D.C.U』の音姉とか。PCの上にスマガ3人娘が飾ってあるのはニトロならではですね。…それから、TIPS! 『街』信者としてはTIPSのあるゲームはそれだけで嬉しいものなのです。『ひぐらし』とか。(もっとも、『街』と『ひぐらし』と『CHAOS;HEAD』ではTIPSの意味が全然違うんですけど…。

ネトゲ友達「グリム」とチャットする拓巳。使っている用語がかなり自然なネット用語…というか、2ちゃん語です。(ゲーム中では「@ちゃんねる」になっていたけど)問題としては、この先このゲーム、数年たったら古臭くなるというか意味不明な言葉だらけになってしまうのでは…。

ヒロインは全部で6人いるわけですが、最初はメインヒロインの咲畑梨深。ピンク髪で美少女で声がオタエリ(喜多村英梨さん)でとてもとても惹かれましたー。ちゃんと出てくるのはゲームの後半戦になるのですが、拓巳を陰で支え、最後の最後に拓巳の闘う理由を作ってくれた人。拓巳が「僕も、君が…好きです」と言えたときには涙が出そうになりました。このゲームは単純な脱オタクの物語ではないけど、世界を否定していた主人公の拓巳が3次元のぬくもりを覚え、そして梨深と妹の七海のために戦おうと決断するまでの、ビルドゥングス・ロマンだと思うのです。梨深の口癖・敬礼しながら「ビシィ!」は可愛いですね。この娘のフィギュアは出てないのかな…('-'*)

次に、お気に入りヒロインの楠優愛。いや、大変な迷惑娘でもあるわけですが。拓巳こそが2重人格で「ニュージェネ」事件のすべての黒幕だと思いこんで近づいてくるわけですから…この娘の詰め寄り口調がすごく怖いです。「あなたよね」「あなただわ」「あなたなんだわ」「あなたしかありえない」「あなたなんでしょう?」……それでも彼女を可愛いと思ってしまうのは、やっぱり最初に優しくしてくれた女の子だったから。星来たんのフィギュアを予約しに行こう、と言ってくれたから。そして、「その気持ちはウソじゃなかった」と後で言ってくれたから。すべての事件が解決に向かう頃、拓巳は言います。「一緒に星来のフィギュアを取りに行こう」と。二人の感動的な和解の瞬間です…。後ビジュアルがいいんだよなー、この娘は。長いふわふわ髪、眼鏡、みんなミニスカートなのに一人でひざ丈スカート。彼女がギガロマニアックスの一人であったということには素直に驚きました。妹の美愛との葛藤についても…妹の幻想を振り切ってディソードを手にした彼女は本当に強くなったと思うのです

可愛い妹、西條七海について。彼女は本当は拓巳の妹ではありませんでした。「将軍」の妹でした。病気で動けない実の兄に変わって、様々なことを成し遂げてくれた彼女。いつも渋谷のビルの屋上のコンテナハウスに押し掛けてくれて、「掃除しなよ」「外に出ようよ」「ケータイ買いに行こうよ」とひっぱりまわしてくれた彼女。そんな彼女の手首が斬りおとされてしまうと言うのはショッキングな事件でした。グロ系画像の多いこのゲームでも一番印象に残る、箱詰めで携帯を握って手首のバングルのところまで斬りおとされた七海の手首…バングルは拓巳があげたものだったので余計に。「いらないからやるよ」と言うスタンスだった拓巳に異様なほど感謝してはしゃいでいたのは、「もう一人の兄」が初めて自分を気遣ってくれたから? 健気な娘です。

バンドのボーカルFESこと岸本あやせ神秘的な美人で青髪のショートカットとくれば綾波でしょう。少し電波系入ってるのもそういう感じ。拓巳に初めてディソードを見せてくれた人。「杭をうて、杭をうて」の曲なんて初めて口ずさんでいるシーンを見ているだけでもすごくうまいと思ったら、榊原ゆいさんでした。ダメ絶対音感は持っていません! ゆいにゃんのダウナーな声っていいな。腰に来ます。ところで、彼女が愛読していた『グラジオール・サーガ』ですが、実際にこの渋谷で起こったギガロマニアックス事件とはどういうかかわりがあるのでしょうか。結局最後まで明かされないままでした。七騎士、というのは、拓巳、あやせ、セナ、七海、梨深、優愛、梢でそろうんですけど。(しかし拓巳以外は美少女って、何という特殊なハーレム

凛々しい少女、蒼井セナ。本名は波多野セナですが、父を憎んで母の旧姓を名乗っているという某山岡さんのような娘です。彼女も、いろいろと拓巳にヒントを出し、助けてくれました。ただ、いつも言っている情報が断片的で、かえって拓巳を混乱させてばかりいたようですが…彼女は、母が目の前で気がくるって死んでしまうのを目撃して以来父を憎みつづけ、ついにはディソードで父を手にかけてしまいます。それは許されることではないのでしょうけど、彼女自身のアイデンティティに深くかかわることだったので仕方なかったのかもしれません。ガルガリくんアイスをいつも食べているのが何気に可愛い。そして当たり外れを気にするところも可愛い。

最後に、こずぴぃこと梢。以前の学校で(おそらく)自分に乱暴しそうになった男子生徒をディソードで斬りつけて街にいられなくなり、引っ越してきた女の子。表面は大人しくてドジで男の子の目を惹くしぐさが女子に嫌われてしまう原因にもなっている女の子ですが、内面はぶっちぎりに明るいです。「こずぴぃは、こずぴぃだよ」と心に直接話しかけてくる彼女。けれど、物語の最後には自分の声を取り戻します拓巳は、いろいろと失敗もしたけれど、こうして多くの人の心を救ったのです。

忘れてはいけない判さんについて。一癖あって行動力のある彼は、事件の真相が政治の中にあり、宗教(天成神光会)の中にあることを突き止めましたが、そこでずっと信頼していた部下の諏訪に殺されてしまいます。一条和矢さんの渋い声もあいまって、ずっと好きなキャラだったのに、死んでしまうとは残念です。でも、彼の裏の働きがゲームをより一層面白いものにしていたのは確かです。子供たちだけじゃどーにもならなかった!

モモちゃんこと百瀬克子さんもいい味を出していました。声がいいなあと思ったらくじらさん。くじらさんって名前は知ってたけどこんな声なんだ。あー、判さんが死んでしまったら彼女がどんな辛い思いをするかと思うとやり切れません。誰が和菓子を買って行ってあげればいいの?

印象的なシーンと言えば、拓巳が偽の将軍に呼び出されて、渋谷の建設途中のビルからディソードを手にしようとしているときでしょう。下では大群衆と報道陣、「その目!(チャチャチャ)だれの目!(チャチャチャ)」という無責任な掛け声、ディソードを取らないと七海を殺されてしまうと思いつめるも、自分の心の中の弱さ…つまり、ずっと囁いてくれていたフィギュアの星来たんの声に負けてしまう拓巳。そう、一度ここで負けたからこそ、ラストに勝てる強さを手に入れたんだと思います。

それから、拓巳が自殺しようとするシーンかなぁ…自分が「将軍」の作り上げた妄想の存在であると知って、山の手通りに飛び出したり、部屋で首を吊ったり、しまいにはPCのチャットルームに「僕を殺して」と誤字脱字だらけで書き込み続ける…拓巳は生きてそこにいるじゃないか、死ななきゃいけない理由なんかないじゃないか、とプレイしている側は思うのですが、妹を救えなかったこともあいまって、自分を責めすぎてしまったんでしょうね。首を吊るときのリアルな苦しさの表現にはぞっとしました。

拓巳は自分の力・ディソードを黒い大蛇に変えて、黒幕の野呂瀬を鍵とし、すべての元凶だった機械・世界を支配できる機械・ノアUを破壊します。ヘビを操りながら「触手プレイは好みじゃないんだけど」という拓巳は根っからのオタク少年。でも、最後に梨深に「君が好きです」と言えたとき、彼の中ですべてが変わったのだと思います。梨深も、最愛だった「将軍」こと本来の「西條拓巳」の存在を失わせてしまった拓巳に対して「あなたの弱さが…好き」「そして、助けに来てくれた強さが好きなの」この時、梨深の中で「西條拓巳」の代わりでない拓巳が生まれたんだと思います。



戻る