河童900セレ−SL5MQ−恐るべき高耐性
  1.369G空冷起動達成−常用定格電圧1.13G

1 はじめに

 梅雨が明けた。実に暑い日だ。朝から寒暖計は鰻登りである。わが実験室も暑い。この暑い中,SL5MQはよく耐えた。よい耐性である。セレロンとしては初めて1.3Gの壁を越えた。しかも常用でである。この1年間533Aに始まり数多くの,というよりすべてのセレロンのオーバークロックを手がけてきた。すべて1G越えという報告は何度も行ってきた。SL5GBやSL4TFは1.1G越えであったが,1.2Gの壁は越えることはできなかった。
 しかし,今回のSL5MQはすごい。このUP記事も1.3Gで書いている。Tualatin【1.13G@1.5G達成】ではない。FPUはさすがに値が落ちるが,その他のDATAはPEN4をしのぐ。133ベースでTualatinコア仕様のセレロンの早期出現が待たれる。

2 実験スペック
  
  パーツ              スペック
  CPU          FC−PGA−SL5MQ−河童セレ−Dステップ−Q120A791-**** 
  CPUFAN    PEP66U−山洋高速FAN
  マザーボード    EP−BX6SE0.31
  ドータカード    MSI−6905MASTER
  HDD    IBM−DLTA307015−ATA100
  アダプタ    ULTRA100
  MEMORY    GREEN PC−133−CL3 原則CL2設定で実験
  VGA    Geforce2−MX
  電源    Aopen300W
  OS    Windows Me

3 定格電圧マイナス0.05V=1.7Vでの実験

 これといって理由はないのだが,この1年間セレロンのCステップとつきあってきて,どうもコア電圧は1.7Vという頭で実験を開始してしまう癖があるようだ。というか,1.7Vでも動くはずという確信がある。マージンもさることながら1.5Vから出発したセレロンはその後ステップをあげるごとにコア電圧をあげてきた。その間当然低電圧での起動も模索されてきたと思うのだが,AMDとのクロック合戦のなかでコア電圧を上げざるを得なくなってきたきらいがある。先を予測しながらの発表ということであれば,やはり1.7Vでも動くであろう。という勝手な理由をつけて実験開始である。
 ベースクロック100M,111M,115M,120M,とすんなり通っていく。122Mで1.1Gを越えた。まだ電圧は変えていない。123M,125Mといつもなら1段階ずつのところを適当に上げていった。127Mも通る。1143Mである。PIは2分11秒とメモリー2−2−2としては遅い。セレロンということでまあいいだろう。Cpumark99は80。まあまあである。次は,「どうしよう?」実は隣のTualatinも稼働中で1.4Gエージング中。時たまクロックを上げては1513Mに挑戦中。まだ,どうも集中できない。何かマヒしてしまっている。クロックを上げてもまだいけるだろうという気持ちが先立つ。
 「よし,130Mに一気に上げてみよう」さすがにドギトキした。Tualatinの電源を切る。ようやく集中。はじめからこうすればよかったのに。1170M起動成功。ここまでくると,定格電圧で1.2Gが見たい。セレロンの実験初の1.2Gを。ということは,ベースクロック133Mである。やることにした。3段階UP。実質起動クロック1200.03MとWcpuidが示している。PIは落ちて2分16秒。Cpumark99は89.1をたたき出す。安定している。
 「次は,よし,135Mで1.2Gを飛び越えよう!」ここまできたら定格電圧にさらにこだわることにした。135M設定。BIOS読みのCPU温度は36度。室温30度。1216.14M起動。さらに,2段階UP。137M。これまた1240Mで起動。

     

 よく1.72Vで起動できたと思う。マージンが十分とれている。
  
  

  

 単純に比較することはできないが,PEN4も真っ青であろう。レスポンスもなかなかよい。ここまで,定格に満たない電圧でいくとは,驚くべきCPU,ロットである。若干PIも通りにくくなったので,定格での実験に変更する。

4 定格電圧実験−コア電圧1.75V,IO電圧3.4V

 さて,定格。何やら笑いがこみ上げてくる。ここまで上げてきてようやく定格。満足感いっぱいである。ここからは1.3Gへの道である。1.3Gいくかなぁ?という思いが,だんだん現実のものとなり,1.3Gいくぞ!という確信に変わってきた。何せ138Mからが定格なのだから。コア電圧も十分に余裕がある。つまり,上げることが可能だ。とにかく定格でどこまでいくかが,次の目標だ。
 138Mに設定。ドータカードに手をやる。発熱は少ない,というか感じない。1248.36M起動。ここからは,いかに私でも慎重になる。1段階ずつのUPでDATAをとりながらいく。141Mの1269Mまで確認したところで,「1.3Gが早く見たい」という衝動にかられた。やめておけばいいのに,やってしまった。悪い癖だ。144MにUP。「あれ?起動する,いいぞ」Wcpuidも起動しさて保存というところで,フレーズ。今回の実験で初めてのフリーズ。やはり,やめておけばよかった。ということは定格の限界は142Mか143Mということが分かった。と自分に言い聞かせて,142Mから再度実験開始。142Mに設定。立ち上がる。Wcpuidも起動。1280.58Mを示している。

  

 驚いたことに画面のように1.72Vを示している。あれ?さきほどのフリーズでドータカードの最低設定値に戻っていたのだ。つまり,設定は1.7Vということか。まあいい。いい方に転んでいるのだから。これに気をよくして,コア電圧を1.75Vに設定し直し,143Mに挑戦。あえなく撃沈。ここまでが,定格動作の限界と見た。

  

  

 なかなかよい値である。十分実用可能。画面上のセレロンという名称が何か違うCPUとして光り輝いているように思えるのは私だけだろうか。これでTualatinコアが出てくれば,大いに心が躍るのだが。図出に限界値に近いであろうが,コア電圧は考えてみれば,まだ上げていないのである。よし,第3段階はいよいよ,電圧昇圧である。

5 コア電圧上昇−昇圧実験

 さて,本来ならここからがオーバークロックの正念場である。胸のドキドキという鼓動も少し収まった。貯金を下ろしてオーバークロックに励んでいる夫を見て妻はもうあきれ顔である。何が楽しいの,とい冷ややかな目。でもこの1年であきらめもついたであろう。人間何かに集中していなければいけない。時間は待ってはくれないのだ。今やらなくて,いつやる。自分に奮起を促して,さて,実験再開。
 145Mに設定。コア電圧1.8V。起動失敗。やはりシビアーになってきた。1.85Vに上げ,IO電圧も初めて3.5Vにする。起動成功。1.3G越えである。うれしい。河童セレロンファミリーとつき合って1年あまり。初めて,1.2G,1.3Gと壁を越えることができた。

  

 まぎれもなくセレロンで1.3Gを越えている。これに気をよくして,146Mに設定。しかし,1.9Vでも起動失敗。限界か?メモリーをGREENに変更。1.95Vに設定。起動成功。1320Mである。ここからは限界に挑戦である。一気には行かない。1Mずつ起動確認しDATAをとってはPCを休ませる。温度上昇も多くなるからである。またまた,ドキドキものである。クロック時代はTualatinの実験で見慣れているから驚かないのだが,何せセレロン。初体験。
 147Mの1328.91M達成。つい先日FC−PGA2−SL5FQ−PENB1.0BEで記録したクロックと同じだ。耐性がいい。では,148Mへ。コア電圧1.95Vで立ち上がる。次に,149Mに挑戦。1345M達成。さらに,150Mではコア電圧2Vに上げて挑戦。1353M起動。実によく回るCPUである。
 気をよくして次のベースクロック151Mへ。BIOS設定後の再起動では起動できないが,一端電源を切り,再度電源を入れると起動した。IO電圧は3.65Vに上げた。起動成功。1361M空冷起動達成。数時間後152Mにも挑戦したが,コア電圧は2.05V必要とした。Cステップで2V以上は経験しているのでたぶん大丈夫である。インテルのDATAシートでも2.05Vはよいと確認して設定した。1369M起動に成功。
 この後再起動に失敗することから限界とみた。ベースクロック152Mで打ち止めとした。1369M起動。Cpumark99は97であった。クロックの上ではSL5FQを抜いた。Tualatin1.13Gに次ぐ記録を達成した。

  

  

  

6 実験を終えて

 長くも短い一日だった。満足くい結果である。長くつき合ううえでの常用域は1.28G〜1.32Gであろう。133ベースのPENBではメモリーがものをいうが,100ベースであるとこうも楽かという思いだった。ほとんど153Mまでは2−2−2起動可能のメモリーが8つほどあるので気にせずに使用できた。この原稿は1.3Gで記述している旨を前述したが,実に安定しておりCPU温度も32度である。素直なCPUという印象をもった。クロックアップ率も久しぶりに1.52倍という記録に達した。
 PENBは消える運命,セレロンは長生きと聞くが,私にはどちらも残して欲しい。どちらも実に魅力的なCPUである。133ベースセレロン,しかもTualatinコアを期待したい。