
| 1、刑事事件となりうる場合、捜査機関に情報を収集してもらう。
| 2、投稿者が利用しているプロバイダーに投稿者の氏名・住所の開示を
要求する。
まぁ、本当に現在の法制度ではいかんともいがたいのが現状でしょ う。
警察についても、ちょっとやそっとのプライバシー侵害くらいでは重たい腰を動かしてくれることはまずないでしょうし、弁護士の地位なんてたかがしれているので、23条紹介をしても効果はないでしょう。
個人的には、プロバイダーへの集中砲火、がある程度は効果があるのではないかと考えています。確かに、1人2人のプライバシー侵害で
はびくともしないでしょうが、あたかも消費者問題のように、被害者が 集団となってプロバイダー相手に(不作為による不法行為・名誉毀損に
基づく損害賠償請求)をおったてて行けば、数でプロバイダーを押し切 れることがあるのかもしれないと考えてます。
とくに、こちら側が積極 的に情報を報道機関なりにオファーできる基盤さえあれば、インターネッ
ト上の「害悪」の1形態としてマスコミその他に乗せることもでき、プ ロバイダーの信用問題を突き崩すこともできるでしょうから(やりすぎ
て逆に営業妨害とか名誉毀損にならない ように)、一定の自主的規制を 期待することもできるかもしれません。でも、現在は、そこまで被害者
の統率が取れるような状態ではないのでしょう。
|
|
梅村先生
こんばんわ
今夜は(も?)お忙しかったようで...
まぁ、インターネット上の法規制については、現実の法制度では対処できないのが現状なので、やはり根本的な解決方法としては新たな情報関連法制度の制定よりほかないのでしょう。証拠保全から、利用者・提供者の情報開示も重要ですし、プロバイダーの責任を(その範囲、要件
、内容とも)明確に規定する必要がありありでしょう。理想としては、利用者の
モラルに頼りたいところですが、最近無作為にいろいろなホームページにアクセ
スしてみても、利用者のモラルだけに頼れないみたいです。ワイドショー・週刊
誌などのイェロージャーナリズムと変わるとことようですし(根本には、そういう情報をほしがっている人が多い、という需要側に問題があると思うのですが)
、電話の代わりにメールというのが当たり前になる前に何とか法制度を整えたいものですね。
とはいっても、電気事業法を始め、あまりメジャーとはいえない専門的な法律・行政規定も山ほどあり、いきなり立法して見ろと言われても、法整備のための情報整理も十分にはできていないのが現状ですから、一朝一夕には新法の制定と
いうわけには行かないのでしょう。
などととりとめのない話ばかりでしたが・・・また飲みに行きましょう
(何の脈絡もないか・・・)。
|
|
名誉毀損でも、同胞がサーバー側の代理人だったりすると、
> それほど強気な手段も執れないと言うことでしょうか
まあ、それもありますが、法律的に見て、プロバイダーに責任を負わせるのはかわいそ
うです。いたずら電話の責任をNTTに問うようなものですから。NTTだって、ナンバー
ディスプレーが限界で、それ以上は教えないでしょ?
> とはいっても、電気事業法を始め、あまりメジャーとはいえない専門的
> な法律・行政規定も山ほどあり、いきなり立法して見ろと言われても、
> 法整備のための情報整理も十分にはできていないのが現状ですから、
> 一朝一夕には新法の制定というわけには行かないのでしょう。
> 是非梅村先生には、今回の名誉毀損事件を皮切りに、
> この道のエキスパートになって、新たな法整備に関わってもらいたい
> ものです( そのさいには、情報収集や他法との整合性の検討調査
> くらいはお手伝い します)。
郵政省の審議会では、それなりの議論が出ているようですので、
立法の前に業界の公開基準というものができるかも。
でも、個人情報を公開するということ自体は現在の法律に反することにはなるでしょうね。
|
|
梅村先生
| 法律的に見て、プロバイダーに責任を負わせるのはかわいそうです。
まぁ、その通りです。
僕自身も、プロバイダーに終局的な責任を負え、という考えはないです。ただ、プロバイダーが「通信の秘密」を重視して、個人のプライバシーをそれほど意識していない現状では(まぁ、郵政省の指導やら、通信会社の性質上、当然と言えば当然でしょうが)、次善の策というか、
将来に向けての布石の意味で、一種過渡的な手段として使えないかとかんがえてます。個人のプライバシーを侵害するようなサイトを開かせておいて、クレームがプロバイダーにきても、ほとんど聞き流されて事実上はなんらの対処がなされていないことが多いだけに、プロバイダー側
の意識改革を迫る必要はあるでしょう。
法律的に勝ち目のない(勝たせても良くない)訴訟であっても、それが 数多くなれば、プロバイダーとしても、個人のプライバシーをもう少し
尊重する対応を示そうという傾向にかわるかもしれません。やはり、訴えられると言うことそれ自体が会社にとってはイメージダウンでしょう
から、自己保全の意味から、少しは慎重な態度に変わるでしょう。そう すると情報提供の仲介役、としてのプロバイダーも、無関係な個人のプライバシーを侵害するなど、公序良俗に反するHPを発見した場合には、速やかに削除させるなどの(今の様な形式だけでない)対応をとるようになるのではないでしょうか。そうしているうちに、クレームが来た場合に自主的に検討をできる体制がプロバイダー内にもできあがるのではないでしょうか。それが一種の業界基準のようなものになれば、今後の
立法過程でも、被害者からプロバイダーに対する情報提供者の公開請求権みたいなものが認められることも現実的な話になり、あとは、いかなる要件の元で請求権を認めるのか、という具体論をつめるだけで新法制定もスムースになるのではないでしょうか。
私自身は、プロバイダーへの責任追及と言うよりは、今後の立法過程を射程においてみたつもりです。もっとも、それまでの間に、どこかのプロバイダーがスケープゴートになってもいいのか? といわれると、
う〜ん、という感じもしますが。
| 郵政省の審議会では、それなりの議論が出ているようですので、
| 立法の前に業界の公開基準というものができるかも。
| でも、個人情報を公開するということ自体は現在の法律
| に反することにはなるでしょうね。
そこが 私自身も一番の悩みどころです。
ただ、上のような過程が社会で現実化すれば、公開請求権を立法するという形で抜本的な処理ができるようになるのではないでしょうか。
もっとも、私の考え自身が、現在の法制度では無理があるという前提での話なので、「いま」どうするのかいな? という問いへの答えにはなってないですが...
|しかし、ベテラン先生ほどマニュアルというだけで否定するんだよね。
マニュアルというのが、得てして悪い意味で全面に出てきてしまう からでしょう。私個人としては、予備校が出しているマニュアルとかは
嫌いでしたし、マニュアルという響きが好きじゃないですね。 マニュアルさえ見れば何でも解決できる、という僕らの世代の意識
が非常に嫌いで、自分で考えることをしないというのが嫌です。
それはそれとして、マニュアルが必要であるのも事実でしょう。要するに、やらなければならない日常業務は定型化してしまえばいいのですし、そうするべきなのですから、事務員の業務内容などはまさにマニュアル化に適するモノでしょう(事務員が余計なことを考えるとろくなことおこらないでしょうから)。その意味では、1年目2年目の新人弁護
士に ついても、マニュアルは必要でしょう。
要は、マニュアルによって最低ラインはきちんと確立させ、統一的な処理ができるようにする必要がある。ただ、いつまでもマニュアルだ
けではいけなく、自分で0から考えて結論をだすこともできなくてはい けない。この両方が必要なのでしょう。ベテランの先生はこの後者だけを重視するからいけないし、僕らの世代の多くは前者のみを重視するか
らまた良くない。必要な道具は必要としてきちんと活用し、でも道具は 道具なのであって、道具に使われては行けない(道具は使うモノであっ
て、人が道具に使われるようではいけない)。私自身はそう考えます。
|
|
久保内 様
|プロバイダーが「通信の秘密」を重視して、
|個人のプライバシーをそれほど意識していない
うーん。契約者の秘密を守るというのも
個人のプライバシーを非常に重視した結果だと思うのです。
|個人のプライバシーを侵害するようなサイトを開かせて
|おいて、クレームがプロバイダーにきても、ほとんど聞き流されて
|事実上はなんらの対処がなされていないことが多いだけに、
|プロバイダー側の意識改革を迫る必要はあるでしょう。
これについては、プロバイダー側も約款がある場合があるので、契約者に通知
したうえで改善されなければ削除する措置をとる場合があるようです。この約
款ですが、不思議なことに最近まで第1種の事業者(電話会社、コモンキャリ
ア)にはなかったのです。
そもそも電話会社は、回線・通信を確保するというのが第一で、実際にサーバー貸しをやっていても約款上サーバー貸しという概
念がなかったらしいのです。私のメールが想定していたのは、あくまでも「メール」を対象にしていたつもりだったのですが、HPについては久保内君のおっしゃるとおりでしょう。約款を持たない事業者も約款を持つようになっているようですし。ただ約款を持つデメリ
ットもプロバイ ダーにはあって、約款があるということでパブリッシャーとしての責任を負わされるのではないかという危険です。メールの発信者の住所・氏名開示についてはどのように考えますか?
|法律的に勝ち目のない(勝たせても良くない)訴訟であっても、それが
|数多くなれば、プロバイダーとしても、個人のプライバシーをもう少し
|尊重する対応を示そうという傾向にかわるかもしれません。
そうですね。でも、私に依頼が来たら、依頼者が敗訴するような訴訟は最初からやりたくないという気がしています。まあ、どうしてもというなら別ですが、ストレスたまるだろうな。
|もっとも、それまでの間に、どこかの
|プロバイダーがスケープゴートになってもいいのか?
いやー、プロバイダーはかわいそうだよ。
今週の週刊アスキー「悪魔の辞典」 によると、プロバイダー・・・「利用者が罪を犯すと、なぜかみんなに責められることになってしまい、検察にいろんなものを差し押さえられたりするかわいそうな謎の組織、以下略」毎週差し押さえが来たら大変だろうな。
|マニュアルさえ見れば何でも解決できる、という僕らの世代
よくそういうふうにベテラン先生が言うけれど、
そんな人ほんとにいるんですか・・・・
|要は、マニュアルによって最低ラインはきちんと確立させ、統一的な
|処理ができるようにする必要がある。ただ、いつまでもマニュアル
|だけではいけなく、自分で0から考えて結論をだすこともできなく
|てはいけない。この両方が必要なのでしょう。
私もそう思います。また、事務所の最低限のコードを決定したうえで、守らせるべきでしょう。まあ、弁護士倫理の具体例
といっても良いのだけれども。当然、マニュアル、コードも合理性がなければすぐに改変すべきでしょう。合理性の有無をチェックできるような秘書・弁護士でなければ必要はありません。
|
|
梅村先生
| うーん。契約者の秘密を守るというのも個人のプライバシーを
| 非常に重視した結果だと思うのです。
そういえばそうですね。
でも、結局は比較衡量の問題に帰着するのではないでしょうか。いくら通信の秘密とは言っても、明らかに公序良俗に反するHPを開設して
いる場合にまで、プロバイダーがこれを守秘するというのも、スイス銀 行やお役所じゃあるまいし、問題だとは思います。どういう要件がある
場合に、いかなる手続きで公開請求できるのか、そこをきちんと画一的 な基準で規定できれば(当然ながらプロバイダーの免責規定も加えた上で)、やはり一定の場合には通信の秘密も譲歩する必要があるとしてい
いとは思いますが。
| この約款ですが、最近まで第1種の事業者(電話会社、コモンキャリア)
| にはなかったのです。
そういうことらしいですね。
この手の問題に限らず、今の情報ネットワークに法制度や、利用者の約款が追いついていないのが現実でしょう。技術があまりにも先走りすぎてしまい、その技術をいかに使うか、というところが遅々として進
んでいないみたいですね。
| 私のメールが想定していたのは、
| あくまでも「メール」を対象にしていたつもりだったのですが
そういわれてみれば、私自身がいつの間にかメールではなくてHPを念頭に置いた考えに偏ってしまってました。
|メールの発信者の住所・氏名開示についてはどのように考えますか?
これは私自身もまだ完全には結論を出せないでいます。
メールを現代社会の郵便に置き換えてみると、猥褻文書や誹謗中傷 文書を配達した郵便局が責任を負うのかいな、といえば、そんな馬鹿な話はないでしょう。
ただ、郵便物がポストという、いつでも誰でも、無料で、何の制約 もなく(勿論特別の契約も要せずに)「媒介」を用いるのに対して、メールの場合には、そこに利用契約が締結されているのが大きな違いです。
郵便物は差出人不明となっても、メールの場合には差出人をプロバイダー は特定できる(少なくとも契約者は特定できる)のが問題です。
通信の秘密と言うことで、誰が、と言う情報も通信の秘密の保護領域内にあるということらしいので、そうすると契約者を公開するのは無理でしょう。また、通信の秘密が表現の自由の一環であることから、あたかも報道機関が取材源を秘匿するのと同じ位置づけにないともいえな
いでしょう(誹謗中傷モノを離れて、純粋な表現の自由に基づく言論活動がメールやHPによって行われている場合を考えると、安易に公開を認
めるのは、結果的に強者による言論の封圧を認める結果になりかねないですし)。
また、プロバイダーは、基本的には媒介者であって、その内 容がいかなるモノであるのかまで確認した上で利用させるとしたら、プ
ロバイダーによる私的検閲の問題も出てきてしまいます(この点でも、 弱者の表現の機会を奪うことに逆用される危険が大きい)。
そうはいっても、新聞やテレビが、たぶんに公共性の高いメディアとされていることを考えると、ペーパーレス社会において、プロバイダー
の位置づけも、準マスメディア的なものになるでしょう(もっとも、プ ロバイダー自体には報道の自由もなければ、編集の自由もないのでしょ
うが)。
いろいろと検討するべき事項が多く、この点については考えがまと まっていないのですが、この情報社会において、プロバイダーが一体ど
のような位置づけにいるのかを再検討した上で(単なる接続会社にすぎ ないのか、それを越えて一定の準公益的存在なのか)、基本的には通信
の秘密によるメール発信者の住所氏名の非開示を原則として、通信の秘密および発信者のプライバシーと比較衡量しても被害者のプライバシーそのたが優先する場合には、開示を認めてもいいのではないかと思います。認める場合には、なんらかの司法審査を必要とするべきでしょう。もっとも、現行法制度でどんな仮処分手続きがとれるかは疑問ですし、訴訟という形では「時は金なり」的な情報社会にとても対応できないで
しょうし...難しすぎます。
やはり、特別立法で明確にする必要があるで しょう。
| 依頼が来たら、依頼者が敗訴するような訴訟は最初からやりたくない
当然ですね。負けると判っていてやる弁護士は、ごく限られた人た ちでしょう(どこ、とは言いませんが、着手金をたくさん取る事務所)。ただ、もっとグローバルな視点で考えると、(果たしてこのような目的で民事訴訟を使っていいのかはたぶんに疑問がありますが)
当該訴訟で の勝訴それ自体を目的とするわけではないと割り切ることもできなくはないでしょう。勿論、「じゃぁ、お前さんはやるかいな?」といわれた
ら「やりたくない」ですが。
| ストレスたまるだろうな。
ぜったいそうですね。
その意味では、M先生が紹介してくれた事務所のボスは「予防的事務」を重視しており共感できました。
これからは、いかにして 訴訟沙汰にならないようにするのかが問題であるとして、ある意味(本当の意味での)渉外事務かもしれませんが、予防的施策をゆうせんしてました。
私もこの考えには賛成です。無意味な訴訟が多すぎると実感した民裁修習だったので、本当に必要な訴訟以外は、訴訟にならないで済むようにするべきではないのかと思います。
| プロバイダー・・・「利用者が罪を犯すと、なぜかみんなに責められる
| ことなってしまい、検察にいろんなものを差し押さえられたりする
| かわいそうな謎の組織、以下略」
確かに、安易にプロバイダーを標的にするのは問題ですね。
毎日のように差し押さえにこられては仕事にならないでしょうし。
まぁ、今までの私の発言は、ほとんどが被害者側からの考えなので、プロバイダーについてもちょっと補足。
プロバイダーの社会的位置づけがどのようなものであるのかは、今は検討段階なので、結論は出ませんが、プロバイダー保護をはかる必要性はかなり高いと思います。
情報の受け手と送り手の峻別が問題となった現代社会において、個 々人の意思表明手段として、インターネットがどれほど大きな役割を果
たしているのかはいまさら疑問の余地もないでしょう( クリントン報道もそうですし、在日外国人の強姦事件がらみの警察署批判のメールもそ
うですし)。その意味でも、無意味にプロバイダーを弱体化させてしま うような扱いは否定するべきでしょう。
今は、誹謗中傷メールが出回ったとかで、簡単な疎明でプロバイダー に対する差押決定が出ているのでしょうが、私自身は、その扱いはあま
り賛同できないです。早く情報関連法を作ってほしいですが、その場合 には、さっきちょっと書いたように、かなり厳格な要件と手続きでのみプロバイダーへの差押えや情報公開を認めるようにするべきでしょう。
特に、刑事事件においては、原則として捜査機関による差押えは厳しくするべきだと思います。金の卵を腐らせてしまうような結果はさけたいですから。
ただ、ここもやっぱり結果的には比較衡量でしょうか?
現在の情 報化社会において、プロバイダーが果たしている役割は、ある意味既のマスメディアを凌駕しているのですから、保護をあつくするのは当然
としても、公益を損なう事件においてはそれ相応の責任を負担してもらう必要もあるでしょう。
う〜ん、このあたりは本当に頭を悩ませるところで、私自身の考えがさっぱりまとまらないです
。人がどうのと いえた義理じゃないのですが...
|また、事務所の最低限のコードを決定したうえで、守らせるべき
| 私の考える事務局は、いい意味でのマニュアル人間でいい。
| 言われたことをきちんとそつなくこなしてくれればいい。
| 弁護士が考えていることに(明らかに問題があるなら別だが)は
| 余計な口を挟まない。 しかし、マニュアルを更新すれば
| それにきちんと対応するだけの向学心と柔軟性はそなえている
|
|
|
|