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本etc.
(私に役に立った本、私を作ってきた本、単にお勧めの本など。思い出したらまだまだ増えるでしょう。コメントは未完成。個人的な愛読書はまた別。そのうち別に紹介ページを作りたいけど忙しくて当分ムリじゃないかと)
レイティ、ジョンソン『シャドー・シンドローム』
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いろんな障害の軽症型・不完全型についての解説を集めた、オムニバス形式の本。自閉症の軽症形は6章に載ってます。自閉の本質とは何か、いろんな説はあるけれど、私の実感に一番フィットするのはこれでした。自閉症だけについて調べるなら、1冊全部読まなくても6章だけですむので、時間のない人に貸しやすいっていう利点もあります。自閉症以外には、軽症のうつ、軽躁状態、軽度のAD/HDなどが扱われています。
(時間のあるときにまた続き書くかも)
玉井収介『自閉症』
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かなーり昔の本なので、最近の知見はとり入れられてないし、用語も古いですが、「だから何?」という感じでまだまだ現役。間違ったことが入ってないからでしょうか。さすがに、ノーチェックで普通学級に進んで、大人になってから診断がつく人たちまではカバーされていませんが、それくらいはしょうがない。
対応のしかたとかが書いてあるわけじゃなくて、とにかく「どんな子(人)たちか」に話を絞ってあります。「こんな弱さがある」「こんなことでまわりは困る」ということばかり並べてるんじゃなく、「こんなふうに発想するらしい」「こんなことが楽しいらしい」という姿勢で書いてるので、書かれてる側の本人がつらくならないのがいいところ。この著者、子どもたちのことが可愛くて面白くて愛おしくてしょうがないんじゃないでしょうか。例として取り上げられてる子どもたちのエピソードがどれも可愛いのですよ。
最初の方はかなりのページ数を「不登校や緘黙とは別ものです」という説明とか、「情緒障害」という用語ができた経緯の歴史的解説などに費やしているので、そんなこと最初から知ってますって人はそこだけ飛ばして読んでもよさそうです。でも、まだ誤解してるかもしれない人に勧めるにはちょうどいいボーナス。もともと、薄くて安くて人に勧めやすいアイテムだしね。
真行寺英子・英司『言葉のない子と、明日を探したころ―自閉児と母、思い出を語り合う』
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お母さんの回想に、大人になっていろいろ説明のできるようになったお子さんが「あのころはね、」と種明かしをつけた本です。お子さんはだいたい私と同世代。高等養護学校を卒業してすぐ就職した会社に今も勤め続けて月給をもらっているとか。ときどき出てくるおとうさんがまたいい味出してるのよ〜。
実はこれ、上の本とセットでお勧めしたいところ。というのは、英司さんは、上の本の中で何度か説明に使われている子どもさんなのです。エピソードのかぶっているところもあって、「ああ、ここがここなのね」という遊び方ができるし、同じできごとについて複数の視点からの描写を読み比べることもできます。玉井先生もちらっと出てきますよ。そして、英司さんの口から語られる玉井先生の想い出が、上の本から想像する印象とぴったり重なるのに驚きました。
葉山成三『天井冷暖房のすすめ』
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えー、ワタクシ、諸般の事情で風の出る冷房が苦手なものですから、躯体を冷やすという発想に関心を持ちました。躯体を冷やすって、結露との戦いなんだなあ。
10年も前の本なので、紹介されている技術などはきっと古くなっているのでしょうが、現場の技術者が読むならともかく、シロウトの消費者が読む分には賞味期限が切れてるとは思いません。すぐに使える実用本というより、どっちかというと、「不快な気候とは、具体的に何なのか?」「暑いとは、寒いとは、実際にはどういうこと?」という部分を掘り下げているのが読みどころなので。49ページの表では「快適」「至適」「快感」をはっきり区別して分類してあって必見。「短時間に快感」と「長時間に快適」との区別なしに、「同時進行のできないシングルフォーカス脳」を援助するのは無理があるような。
関係ないけど、今のエアコンがもともとアメリカ生まれだってことをこの本で初めて知りました。そもそもアメリカの夏の気候に合わせて設計されているので、日本やヨーロッパに合わないのは当然なのね(何でヨーロッパ人があんなにエアコンを嫌うのか不思議だったんよ)。
川島美勝『高齢者の住宅熱環境』
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こっちは、体温調節機能の衰えた人の健康を守るには、という視点で書かれてます。年は若くても、障害のために調節機能がしっかり育ってない人もいるでしょうから、いろいろと参考になります。この本も、高齢者に焦点を当ててはいますが、説明の流れの中でいろんな障害や疾患が登場していることから、著者はそこまで視野に入れてるんだなということはわかります。
「暑さや寒さによって健康がダメージを受けやすいかどうか」と「本人が暑さや寒さを自覚し、訴えたり対策をとったりするかどうか」は全然別のことだと考えると、「暑がり=暑さに弱い」とか「寒がりじゃない=寒さに強い」とか決めつけることはできなくなります。「感じる機能」が落ちてる人については、「本人がケロッとしてるから大丈夫」とはいえないんですよね。
障害児・者にかかわる援助職や教職の方々には、せめて36〜43ページと128〜158ページだけでもいいから読んでほしい本であります。
ジェンドリン 『フォーカシング』
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自分の体感に注目して、「これは何の感じなんだろう?」と手繰っていくっていう心理療法(?)みたいな技法らしいですが、けっこう参考になりました。感覚と名前とをマッチングさせていく作業のおけいこができます。まあ、私の場合、「この感覚は……あれ、もしかしてハラ減ってる?!」「あっ、この部屋、すき間風が?」なんてことが多かったんですけどね。それはそれで、わかった方がいいことだし。
実はこの紹介文を書こうとして思い出すまで、この本のことなんかきれいさっぱり忘れてましたが、技法そのものはルーツなんか忘れて自然に使ってます。たぶん本来の使用法とは違うんだろうけど、「不正使用」じゃなくて「転用」って言ってね。
どっちの書店サイトにも書影が載ってませんが、棚差ししたときの背はまるで東京化学同人の教科書みたいです。「無機化学」とか書いてあっても似合いそうなデザインです。
ダマシオ『生存する脳』
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)(原書→
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ソマティック・マーカー仮説。(続きはまた書くかも)
デンテマロ、クランツ『キレないための上手な「怒り方」』
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自分の訳書は載せないつもりだったんだけど、怒りの生理学的な解説は役に立ったので禁を破って。いろいろと浅いワケがあるんだなあと思いました。
ダンバー『ことばの起源―猿の毛づくろい、人のゴシップ』
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私は雑談がヘタクソなヒトとして育ってきましたが、「雑談にも何か効用があるかもしれない」とは思いました。自分にわからないからって、くだらないとはかぎらないのです。そりゃまあ、自分が苦手で他人は上手な課題は無意味・無価値であってくれた方が助かるかもしれないし、うれしいかもしれませんが、そんなもの願望にすぎません。
雑談も役に立ってるようです。「好意」の貯金をしてあるといつか困ったときに助けてもらいやすいとか、よく知らない人について事前に情報を仕入れておけば、ズルをしそうな人に投資してしまわずにすむとか。シミュレーションができると、びっくりしないですんだり、ムダが省けそうですよね。
(だからって別に、おしゃべりをする人たちが効用を期待してやってると短絡することはできません。単に、ご先祖さまたちのうち、うわさ話が好きな・上手な体質の人たちの方が、うわさ話をめんどうくさがる人たちよりも子孫を残しやすかった(だから、そんな人たちの子孫が多くなった)というだけのことです)
頼藤和寛『人間関係ゲーム―タテマエとホンネの研究』
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これも上と同じく、「自分にわからないことをくだらないと決めつけない」レッスンになった本。
「タテマエ」がわかりづらくて混乱するお仲間は多いし、私も実際、わからないで苦労することが多い一人です。でも、だからといって、ホンネとタテマエを使い分ける人たちが、私たちを困らせるためにやってるとは考えにくいですよね。だって、私たちは数が少ないんですから。私たちのことは、単に「人数が少ないから想定に入ってない」だけでしょ。
というわけで、たとえ自分にはわからないことであっても、たいがいのことには(目的があるかどうかはわからないが)事情はありそうだよ」と考える習慣をつけてくれた本の一つ。身内など、接触の多い人や親しい人に「私には直球で言った方が通じやすいと知っておいてね」と伝えておくのと、「人はみな私たちを見習ってホンネに統一すべきである」なんて啓蒙に走るのとでは、結果に天と地ほどの開きができちゃいますから。
秋月りす『OL進化論』
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で、そうやってホンネとタテマエを使い分けつつ必死につつましく生きてる人たちの群像。ジュンや美奈子、課長一家や食堂のおやじさん、社長秘書令子などレギュラー陣も出てはきますが、それよりも、1回こっきりの登場で使い捨てられていく無名キャラたちの膨大な「物語(複数形)」がすごい。神の視点で人生の皮肉さを描いてくれますが、モーパッサンやサキほど残酷にもならず、O・ヘンリーのように感傷的にもならず、笑いながらサクサクと次に進めるのがちょうど「お手ごろ」です。教訓だけくれて傷を残さないっていうんでしょうか。週刊誌での連載では週に7本ずつ発表されていますが、単行本を待ってまとめ読みする方が効果がありそうに思います。
「ずるくて汚くて得ばかりしてるあいつら」と、「清く正しくてワリを食ってる自分たち」という図式にはまりそうになる前に。虐待もされてなくて貧困に苦しんでもいない健常者の生活だっていろいろと大変そうよ。そして、大変な生活の中にも人はどうかこうか楽しみを見つけだしていくものなのです。田辺聖子が言ってた言葉だと思うけど、「気をとり直す力」ってけっこう大事なんですよね。
広田照幸『日本人のしつけは衰退したか』
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本来は、根拠なく「昔はヨカッタ」「今の若者はどうのこうの」といった論調に反論する本なのだと思うけど、違う点が印象に残りました。人間はずっと、生きていくだけで必死だったんだということ。生存してるだけで十分めっけものじゃないかということ。著者は自説の根拠として昔の資料を提示してくるんですが、その紹介ぶりを読んでいると、資料の中に描かれている昔の庶民たちに対する著者のまなざしの温かさが感じられてほっこりするところもありました(私の読み違いなんかもしれませんが)。
井原哲夫『コスト感覚』
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だいぶ昔に読んだ本。当時はよくわかってなかったかもしれないんですが、その後のカンチガイをいろいろと未然に予防してくれたかな、と。お金だけじゃなくて、気苦労とか時間とかもコストに換算することを覚えると、応用範囲が広かった。といても、今じゃ私の中では当たり前になりすぎてて、改めて意識することはないんですが。このリストを書こうとしてようやく思いだした程度。
なにぶん昔の本なので、今はもっといい本があるのかもしれません。それに、この本にも私にはわからない欠点があるんかもしれません。だから責任持ってお勧めまではしませんが、一応、私の歴史ってことで。
アクセルロッド『つきあい方の科学』
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頼藤和寛『賢い利己主義のすすめ』
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斎藤駿『なぜ通販で買うのですか』
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頼藤和寛『いま問いなおす登校拒否』
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学校に行けなくなって7年目かそれくらいのころ、二つめの学校でもだめだったなあと思い知って4年か5年くらいのころ(まだ休学ってことで学籍はあった)に読んだのがこれ。何が書いてあったかは忘れましたが、いろいろカンチガイを捨てることになったのは覚えてる。これを読まなかったら、責任ない人を恨んだりしてずいぶんムダなエネルギーを使っていたかも。
身も蓋もなくクールに分類して並べていく手法が、分類スキー、並べるのスキーな認知特性にフィットしたんでしょう。「お前のことだろーが!」と自分にツッコみつつも、人ごとのように面白かった。「浅いワケ」のルーツの一つ。
谷岡一郎『「社会調査」のウソ』
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グラスナー『アメリカは恐怖に踊る』
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)(原書→
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「ほどほど」ってことを自分に教えるのに使いました。アカンタレでヌルいの好きな私には「そんなキツい口調で言わんでも伝わるのに」という感じがすることもありましたが、まあそれも芸風の範囲。これくらいの方がちょうどいい人も多いんでしょうし。
(以下、3月29日追記。)
私にとっては、「リソースは有限」という発想の源の一つとなりました。小さい小さいローカルな現場じゃシステム全体のリソースまで考えられない(あるいは、考えすぎても身動きとれなくなる)ということはあるけれど、全体を考えればリソース配分の最適化が必要になるんだよ、という話でもあるので。本題はたぶん、「リソースの奪い合いの戦略として脅しを使うのってどうよ」ってことなんでしょうけど。
ギーゲレンツァー『数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活』
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統計のウソを暴く本なのかと見せかけておいて、実は、「確率でわからなかったら自然頻度に置き換えて計算しなおそう」と推奨する本。ヒトの脳はあんまり大きな数やあんまり珍しい事象の確率を直観で処理できるようには設計されていないのだと考えると納得しました。
頼藤和寛『相性』
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『PINGU』
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おなじみクレイアニメ。登場人物はペンギンたち(と、アザラシ)。みんなペンギン語(南極語?)で話すので、セリフはさっぱりわかりません。つまり、表現すべきことはすべて、身体と顔で表現されるか、視聴者の経験の連想に任されるか。最初は難しかったけど、何回も観てるうちに、だんだんわかりやすくなってくるのが自分でも感じられました。
ラムディン『アラン、海へゆく』
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いろいろとひっかかりもある本ではあるんですけどね。主人公が女ずき、しかも男性読者へのサービスか、行く先々でやる気むんむんの女性が寄ってきて、しかもあとくされなくセックスが楽しめるというご都合主義。それと、能力もあり恩もある上官なのに、ゲイだと知ったとたんに激しく嫌悪するホモフォビアぶり。それを割り引いて流せるなら(というより、「主人公がこういうタイプの人物、っていう設定なのであって、作者がそういう態度を推奨している証拠はない」と割り切れるなら)、内心の解説がとても多いので、いろいろ勉強になります。「時と場合を考慮してとりあえず黙っとくけど、腹の中であれこれよく考える」シーンがたくさんあるのですよ。
海洋冒険小説のシリーズとしては、別に「一番好きなシリーズ」ってわけじゃないんですが、いろいろ勉強になるってことで。
エリス・ピーターズ『修道士カドフェル』
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上記と同じく、「時と場合を考慮してとりあえず黙っとくけど、腹の中であれこれよく考える」シーンが多いので勉強になります。『アラン』が「セックスしたい盛り」の少年を主人公にしてたのと反対に、主役が中年すぎの修道士なので、印象はおとなしめです。
内心の解説が多すぎてややしつこいというレビューをどっかで読んだこともあるから、やっぱり同じことを感じる人もいるんですね。でも、それが反対に「黙ってても人は内心であれこれ考えているのかもしれない」と学ぶ教材としては好都合です。
番外篇
外科の夜明け(→
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