在地球市民の部屋私たちは、姿かたちが地球人によく似ています。地球で生きのびるには、それはある程度は便利です。姿が見るからに違っていれば、それだけでひどく迫害されていたかもしれません。でも、「自分のルーツに誇りを持って生きる」「故郷の文化を尊重されながら生きる」ということを考えると、なまじ姿かたちが似ていることが、かえってあだになったのかもしれません。


姿が似ているばかりに地球人と見間違えられ、地球人らしくふるまうことを要求される。その要求に応えているうちに、故郷の文化を恥ずかしいものだと思いこんでしまう人もいます。また、一部の心ない地球人に差別された経験から、自らの生理条件を無視し、生活習慣を乱してまで、地球人のふりをする人もいます。先人の知恵から切り離され、自らの文化に誇りを持てなくなってしまうとは、なんと悲しいことでしょう。

それに、慣れない星で生き延びるには、外見など二の次です。それよりも、生活力をつけることをこそ、優先すべきです。そのためには、連邦の進んだ文明を最大限に利用しなければなりません。また、地球の環境は私たちの身体には最適とはいえません。それをあらかじめ勘定に入れて、対策を講じておく必要があります。それなのに、連邦のルーツを恥ずかしがって忘れようとしているようでは、作戦を立てることすらできません。

自閉連邦市民であることは、少しも恥ずかしいことではないのです! これまで不毛な努力に使っていたエネルギーを、自分らしい生活のために回しましょう。不要なストレスを減らしましょう。この部屋は、これまで地球人をまねようとして傷つき、疲れてしまった在外市民たちが誇りを取り戻す場所として開設されました。

所蔵図書
ジム・シンクレア編 「インクルージョンについて当事者たちが心配していること」02/03/03貸出開始)
ジム・シンクレア 「違う」ということは何を意味するのか? (99/12/01貸出開始)
ニキ  リンコ 障害を文化と考えるのは、実用的――克服主義の克服に文化モデルが果たす役割―― (99/12/24貸出開始)
マルハナバチ 「普通になる」とは何を意味するのか? (99/12/25貸出開始)

他館図書取り寄せサービス (外部リンク。99/12/27サービス開始・12/30・01/04に追加あり)
倉本智明 「盲人男性は「美人」に欲情するか?──晴眼社会を生きる盲人男性のセクシュアリティ」(99/12/27)
「美人」とは何なのかも知らず、どの女性が美しく、どの女性は美しくないのかさえ自分では判断できないはずの盲人男性も、晴眼者が大多数を占める社会に生き、晴眼者の手になる情報を日々シャワーのように浴びて生きる中、単なる記号でしかない「美人」という言葉に性的興味を覚えてしまうのだそうです。自分たちの身体にとっては実体のない晴眼者の価値基準を一方的に消費するだけの立場に置かれた盲人男性。その現実の「痛さ」は、自分でわかりもしないNTの「規範」を頭で想像して合わせるばかりの高機能自閉者の現状ともダブって見えます。(初出:『視覚障害リハビリテーション』48号:69-76頁, 1998.12, 日本ライトハウス)

人魚姫のお話(99/12/30追加)
アンデルセンの童話、「人魚姫」を知っていますか?人間にあこがれた人魚姫は、魔法使いに足をつけてもらう代わり、美しい声を失います。でも、そこまでの犠牲を払って手に入れた足は、歩くたびにナイフで刺されるように痛む、不完全な足でした。この程度の足のために、声も、言葉も失ってしまうなんて・・・・・・。私たちも、地球人に憧れる前に、リスクとメリットを天秤にかけて、慎重に考えなければならないと思います。

Gary H. Anthes Computer savants For the autistic, the binary world of computing can be a place to excel (英文)(00/01/04追加)
私たちが職につき、自立できるようになるためには、何が必要なのか? コンピューター業界で働く人々の例を中心に、成功のための条件を考えるレポートです。力を伸ばし、発揮しようと思ったら、本来の性質をねじ曲げて見かけだけ「正常な人」の亜流を目ざすよりも、自分の特徴をよく知り、流れに乗る方が現実的なのではないでしょうか?


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