世界レベルで、手を取り合って…

 毎年、国内外で社会情勢的に考えさせられるような事件・出来事がたくさんあったが、特に私達がこうして毎日平和に暮らしていられることこそが、何よりもかけがえのないことだろう。
 ところが実際には、その何気ないことが今、脅かされているようなことも起こっているのである。それはたくさんあるが、ここではワーキングプアの問題と、日本国憲法9条の改憲問題を取り上げてみようと思う。日本でも問題解決に向けて盛んに運動を行っているが、これらのセンセーションをさらに盛り上げるためには世界レベルで声を上げてゆくという取り組みも考える必要があると思う。

(ワーキングプアの問題)

 かねてから問題視されてきたフリーターやニート、そしてはるかに深刻な雇用問題がいわゆる「ワーキングプア」である。派遣社員などで年収わずか100万の人も多い。「ネットカフェ難民」などという言葉も流行ったが、現実に1日カップ麺1食、路上で生活している若者もいるという現状である。何とか普通の生活をしたくても、そこから抜け出せない。普通の生活をしている人もいるのに、いわゆるこれが深刻な格差社会である。支援する法整備を整えることこそ急務であろう。
 しかし時の小泉総理は言っていた。「格差社会、あってもいいんじゃないの?」 
とんでもない!でもなんであのとき、我々はその発言がとんでもないことに気づかなかったんだ?

 ワーキングプアは、もはや日本だけの問題ではない。韓国・アメリカなどの先進資本主義国も同じような問題を抱えている。特にアメリカは日本以上に深刻である。確かに資本主義国だからこそ抱えてしまう問題だとは思う。でも小泉総理の発言は「資本主義国家はみんなこのような問題を抱えているんだからいいんだ」と言わんばかりである。そうじゃないだろう?
苦しんでいる人がいるのに、見殺しにして良いなんていう論理など通じるわけが無い!

 そうなれば韓国やアメリカ等と、手を取り合ってワーキングプアの問題を世論に広めてゆくという考えが必要だと思う。

(憲法9条の改憲問題)

 いわゆる「日本は戦争をしない。そのための軍備も持たない」という日本国憲法第9条のこと。ここ数年、特に憲法改正問題といってマスコミを賑わしているよね。9条の条文を変えて「自衛軍を持つ」などとなってしまったらどうなるか?
「文章が変わっただけで我々の普段の生活は大して変わらないのでは?」
と思っていたら大間違い、実はそうともいいきれないんだよ。

 日本政府は実はアメリカに、いいように操られているんだよ。毎年2月〜3月頃に、アメリカから日本政府にいわゆる「要求書」が送りつけられてくるんだ。郵政民営化もアメリカからの指示だったらしいよ。そして日本はアメリカの要求書に対する返事を毎年10月に送らなくてはならないそうだよ。日米安保条約を結んでいるだけに、日本はおいそれおいそれとアメリカの言いなりになっている。いいように操られているんだよね。
 つまりそうなれば、アメリカから「今の憲法を改正して軍隊を持て」などという指示だって出ていると思うよ。憲法改正国民投票法案をどさくさに紛れさせてまで強引に成立させるなんて、普通あり得ないでしょう?

 ところで、アメリカといえばどんなことを思う?→自由・民主主義・経済大国・世界のリーダー的存在…、というイメージがあるよね。でも、アメリカにはこんな現実もあるってこと、信じられる?

 米国内で飢餓で苦しんでいる人は何と3,100万人もいるんだ。それに米国内のマスコミは国家の圧力によって報道を制約されている。国民の個人情報も完全に把握され、政府に批判的な活動をしようものならたちまちブラックリストに載せられ、就職差別などを受ける。人権に厳しい国と言いながら、国外なら拷問をやってもいいのだというこじつけで無実の容疑者を海外へ送還して拷問する。こんなことをアメリカは、実際にやっているんだよ。
 それに米兵ってどんな人達がなっているのか知ってる?貧しい家庭に育った高校生位の子達がスカウトされているんだよ。決してエリートの子達がなっているわけではない。そして彼等は米軍の軍事教育で、まるでゲームみたいに人を殺せるような感覚に仕込まれてしまうそうだよ。だから米兵の心はいつも暴力的だ。決して勤務時間外は普通の人になれるわけではないんだよ。
 そうなれば米軍基地付近の沖縄の人達が苦しい思いをしてきたという理由も痛いほど想像できるよね。暴力的な感覚を仕込まれた米兵達が夜な夜な沖縄の街に繰り出して行くことになるんだ。もちろん仕事ではなくプライベートとしてでね。でも彼らの感覚は(全員ではないにしても)暴力的なままだから、もう街に出て好き勝手だよ。例えば万引きして警察に通報されても米兵であることを理由に警察はすぐに逮捕できない。もはや米兵は沖縄の人にとっては傍若無人な暴力団といってもいいほどなんだ。
 「こんなんで、本当にアメリカは自由と民主主義の国なのか?」って思ってしまうよね。日本の憲法9条もまさにアメリカの圧力で変えられようとしているんだ。でも今の憲法9条を提案したのはアメリカなのに…ね。

 でも、希望を持てる話もあるんだよ。それはこの憲法9条が今、世界的に見直されているんだ。イラクや中東・アフリカの多くの人々、そしてあのアメリカでさえも憲法9条を支持している人はたくさんいるんだ。
そして2008年5月、千葉・幕張メッセで「9条世界会議」が開かれた。主催者の予想に反して会場は満員で入りきれなかった人もいるくらいだった。これはたとえ日本が今、北朝鮮の脅威にさらされていても、世界レベルで手を取り合って戦争をせずに平和になれるような働きかけをしてゆくことで、脅威自体をなくしてゆこうという運動である。とかく日本だけの視点で見ていたら、「外国から攻められたらどうするのか?」という問題に直面するけど、世界レベルで取り組めば、「外国から攻められる」ということ自体があり得なくなる可能性もあるという考えなんだ。

(私が何で今、こんなことを言うの?)

 これらの問題に太刀打ちするためには、もはや日本だけでなく、世界中の人々が声をあげて世論を盛り上げて、世界を動かしていくことが大事なんじゃないかな? とはいっても、1人の人間ができることってたかが知れている。それは勇気を出して声を上げることである。しかしまた、それこそが大事なことだと思う。こうして1人でも多くの人に真実を知ってもらい、関心を持ってもらう働きかけを続けてゆくことで、やがてそれが大きな世論となってゆくのだと思うからである。

(参考文献等)

NHKスペシャル「ワーキングプア」
「5大陸20人が語り尽くす憲法9条」(かもがわ出版)
堤未果「アメリカ弱者革命」(海鳴社)