レポート:全体最適に必要な知識

<ERPパッケージの研究(2)>

全体最適に必要な知識

1999年4月4日


 ERPパッケージは、全体最適を実現するための手段でもあります。全体最適を実現するためには、どのような知識が必要でしょうか。

全体最適のための知識

 全体最適をERPパッケージで実現するためには、次のような知識が必要です。
  1. 各業務処理についての代替案についての知識
  2. 各業務処理について、代替案から最適案を選択するための知識
  3. 各業務処理をERPパッケージで実現するための知識
  4. 業務間の関連についての知識
  5. 一連の業務プロセス全体を最適化するための知識
 そのそれぞれについて、知識をいかにして獲得するのか考えてみましょう。

業務処理の代替案

 現在行っている業務処理以外に、どのような方法があるのかを知っていなければなりません。
 従来のシステム開発では、この知識は利用部門に任されていました。プログラム言語を専門とするプログラマやシステムエンジニアは、利用部門の業務設計をベースにシステム検討を行いました。
 ERPパッケージは、その標準機能として複数の選択肢を提供してくれます。ERPパッケージを学習した人が、知識を持っていることになります。それは、利用部門でも,システムエンジニアでも、あるいは経営コンサルタントでも可能でしょう。
 この知識は、体系的で、かつ新しいものである必要があります。10年も前に学習したことはあまり役に立ちません。まして、実務経験から学んだことだけでは、何の役にも立たないでしょう。業務を離れたところで、教科書的な学習をする必要があります。そういう点では、多くの場合に利用部門とシステムエンジニアでどちらが有利ということも言えないのではないでしょうか。

業務処理の最適案選択

 業務処理の代替案の中から最適案を選択するためには、そのビジネスの目標を理解し、目標達成のための手段を展開し、それと代替案の適合性を評価できなければなりません。
 代替案を評価できるほどに理解していることは、利用部門にもシステムエンジニアにも、一般には困難です。ただし、ERPパッケージを使っていくつかの業務への適用を経験をしたエンジニアであれば、かなりのレベルまでいけるのではないかと思います。
 もう一つの可能性は経営コンサルタントです。

 ただし、ここで難しいのは、全体最適を目指した選択ができることです。この点については後で再度述べます。

ERPパッケージでの実現

 業務処理の要件をERPパッケージで実現するために知識は、システムエンジニアのものであるべきでしょう。
 ただし、ERPパッケージの場合はプログラムを作成するわけではないので、利用部門でもちょっとした学習で可能になるかもしれません。

業務間の関連

 さまざまな業務の関連を詳細に理解していることは、利用部門にとっては結構難しいものです。利用部門にできないことではありませんが、システムエンジニアが最も近い位置にいるのではないでしょうか。
 ただし、すべてのシステムエンジニアがこのような素養を備えているわけでもありません。

業務プロセス全体の最適化

 「全体最適」というのは望ましいことであるのは確かなのですが、何をもって全体最適と言えるのかを明確にすることはそう簡単なことではありません。
 全体最適を取り扱うためには、一般の製造業の企業では次のような知識が必要でした。
 これらを全部学習しないと全体最適について語れないとすれば、それはビジネスマンにとって大きな脅威です。

 私はここに救世主を発見しました。それがTOC(制約条件の理論)です。TOCを学習すると、それぞれの立場から全体最適の方向が見えるようになると思うのです。たとえば、TOCと販売管理を学習すれば、販売業務を担う立場から全体最適を意識できるようになるということです。


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魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
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