レポート:勉強する人・しない人

<自己啓発のススメ>

勉強する人・しない人

1999年9月5日


 ビジネスマン、経営者の中には、とてもよく勉強する人もいらっしゃいますが、ほとんど勉強しない人もいます。最近は勉強する機会がさまざまな形で提供されますので、する人としない人の差がますます激しくなり、二極化が進んでいるように思います。

なぜ勉強しないのか

 不思議な現象ですが、勉強しない人には危機感がなく、勉強する人ほど危機感を持っていると言えそうです。危機感が勉強を促すと言うより、勉強が危機感を高めているようです。

 勉強しない人は、勉強する人との差を気にしません。「誰にでも一つぐらいは得意な分野がある」という訳です。そして、自分にも得意分野があると思っています。その分野は単に経験を積んだ分野ということなのですが、どれほど勉強した人であっても、特定の人の経験に合わせた土俵を想定すると、土俵に合う人にはなかなかかないません。勉強しない人はそれで安心してしまうのです。

 そういう人たちの決まり文句があります。土俵を自分に合わせてくれない相手に対しては「仕事は理屈通りには行かない」、どうしても標準的な土俵に上がらなければならないときは「うちは特殊だから」。

 そして、課題を与えられても、極めて呑気なものです。先にある課題が見えないからです。それらの課題を同僚か誰かが解決してくれれば、その重要性に気付くことなく、過ごしてしまいます。

勉強がもたらす危機感

 逆に勉強する人は危機感を高めています。

 勉強する人は、それなりに自信を持っています。専門家と話していても負けないはずだと思っています。一般論に会話が終始している間は、その自信は維持されます。ところが、実務での問題は極めて特殊な環境で起こります。ある特定の問題に話題が限定されると、その環境がなじみ深いものでない限り、当事者にはなかなかかなわないのです。そして、「まだ勉強が足りない」と痛感するのです。

 何らかの課題に取り組んでいるときも、勉強している人はさまざまな問題を事前に察知することができます。課題が目前にあるので、さらに勉強に取り組むように意識が方向付けられます。

あなたは勉強する人ですか

 ビジネスマンの中で、意欲的に勉強に取り組んでいる人はおそらく一握りでしょう。経営者でもそうかもしれません。では、あなたはいかがでしょうか。その判定はそう簡単ではありません。

 もしもあなたが勉強不足を自覚し、実際に勉強をしているとしたら、あなたは「勉強する人」です。まだ足りないと思っていても、おそらくそうです。そして、その意欲を持ち続ける限り、能力を向上させていくことができるでしょう。

 あなたが、自分は結構勉強していると自負しているなら、交流を広げてみるべきです。いろいろな人と話をし、悩みを相談し合うぐらいになると、自分の知識がどれほど有効なのか分かってきます。一つや二つの悩みを解決してあげたからといって、過信は禁物です。

 あなたのまわりに「もっと勉強した方がよい」と思えるような人がいるかもしれません。でも、他人が勉強をしているかどうかは分からないものです。たとえば、オーナー経営者の中には、趣味のようにいろいろ勉強している人がいます。本人は勉強している意識はないかもしれません。あるいは、ときどきえらく博学の人がいます。話題が豊富で、ずいぶん勉強しているように見えますが、雑学博士に過ぎない場合もあります。知識が体系的でないために応用が利かないのです。

勉強しない人が直面する未来

 あなたが、勉強などする必要がないと考えているなら要注意です。特に、これまでそれでうまく行っているというのがその理由である場合です。成功体験はマイナスになる場合があります。それは、環境が変わったときです。
 環境が変わり、これまでの「こうすればうまく行くはず」が通用しなくなったとき、もう一度ゼロから始めなければなりません。これまでの経験から、これからも使えるものを抽出しなければなりません。そういう場面で、勉強の成果がいきるのです。


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魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
Last update 1999-9-5