レポート:<原価でサバイバル> Feedback Part2(責任体制と原価)
<原価でサバイバル>
Feedback Part2(責任体制と原価)
2000年9月16日
「原価を管理する」ということの意義の大きさを、最近確かめています。たとえば、会計的な分野では「固定資産管理」という仕事があります。固定資産管理は、会計的な制約と税務的な制約の上で遂行されます。会計と税務のハードルをクリアすることが使命です。同様に、原価管理にも会計的な制約と税務的な制約があります。しかし、原価管理は会計と税務のハードルをクリアすることだけが使命ではありません。事業としての利益管理や競争力の向上に貢献することも使命です。いや、むしろ後者が重点です。
「管理」の「管理」たるゆえん
管理ができているか否かを明確に識別する方法があります。管理ができていれば、「Plan-Do-See」が回るのです。これを回すことこそが「管理」そのものです。
原価管理について言えば、次のようなサイクルです。
- (Plan)生産方法に基づいて、科学的に標準原価を設定する。標準原価とは、目標または基準である。(あるいは理想でもよい。)
- (Do)生産を行い、原価を計測する。(原材料・部品の使用量、加工・組立の時間などを計測する。)
- (See)計測した原価を標準原価と比較する。差異を把握し、生産方法を見直す。
「See」の結果は「Plan」につながります。このつながりが、Plan-Do-Seeのサイクルであり、このサイクルを回すことが原価管理です。
Feedbackの条件
SeeからPlanへつなげられるようにするためには、いくつかの条件があります。
- 仕組みがわかりやすいこと
原価管理の仕組みと、生産活動の仕組みの関係がわかりやすいことが必要です。原価計算が複雑だと、原価の変化と生産活動の変化の関係がわかりにくくなり、対策に結びつきにくくなります。
- アクションできない外乱(ノイズ)を除去して見られること
他の工程の操業度や原料価格は製造部門にとっては外乱です。このノイズを除去して、原価の変化を見ることができなければなりません。
- 変化の発生を見られること
変化がいつから起こっているのか、一時的な変化か継続的な変化か、変化の程度はどれだけか、などの「変化の様子」を見ることができなければなりません。先月の変化の対策を今月とるためには、「先月から変わった」という情報では不十分です。先月の何日から変わったのか、どこが変わったのか、その後戻ったのか戻らないのかなどを知ることが必要です。
- 対策の効果を予測できること
何らかの対策をとったときに、その対策の効果を予測できることが必要です。対策によって原料使用量に期待できる変化、加工時間に期待できる変化がありますが、これの原価へのインパクトを予測できなければなりません。やってみて、翌月に効果が分かるのでは、効果的な対策を選ぶことができません。
その変化は誰の責任か
(山口百恵バリに)「馬鹿にしないでよ。そっちのせいよ。」と明確に言えることも、重要なポイントです。原価が悪いことは分かっているのだけれども、どこをどう変えればよいのかは分からず、すべての管理者が責任回避的になってしまうようでは、改善・向上はできません。
組織の仕事として行う原価管理では、ある変化が見いだされたときに、その変化の責任部署・責任者を特定できることが必要です。その責任者に対策を求めるのです。変化が分かっても、誰のせいでもなく「仕方ないね」とあきらめたり、「がんばっているのだから」と慰め合っているだけではサバイバルは難しくなっていくのです。
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魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
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