レポート:<特命任務/ERP> ERP導入のアプローチ
<特命任務/ERP>
ERP導入のアプローチ
2001年2月18日
ERPの導入アプローチにはいくつかの種類があります。そのどれをとるのかによって、導入方法やプロジェクト体制の組み方、その他さまざまな違いがあります。私がERP導入アプローチを分類する観点は、次の2つです
- ITの変革と経営の変革のいずれを先行するか
- 導入期間は長いか短いか
一つ目の観点を図にすると、次のようになります。

経営改革先行型は、ERP導入に先立って経営改革を検討し、検討された経営モデルに沿ってERPを導入します。一見すると正攻法のようですが、2つの問題があります。ひとつは、先行して検討された経営モデルがERPの思想と合致しない可能性が高いことです。その場合、ERP導入時に独自のアドオンプログラムを多く開発しなければならなくなります。もうひとつは、机上で描かれただけの経営モデルをシステム上に実現しなければならないことです。まだ現実に行っていないことをシステム上に実現することは普通は容易ではありません。それを積極的に肯定している手順ですから、出来上がってみたら動かないシステムであったという結果に陥る危険性が大きいのです。
もう一方のIT改革先行型は、現状の経営モデルを前提としてERPを導入し、ERPの上で経営改革を図ります。「情報システムありき」は、かつては典型的な失敗パターンの一つと考えられていました。しかし、それは独自に設計する情報システムでの話で、パッケージ導入では同じ話にはなりません。初期段階ではERP導入に必要な経営改革のみを行い(これでも相当の改革ができるはず)、ERP導入後にERPの思想に沿った経営改革を進めていくのです。この手順のほうが、短期間で進むはずですし、コストも小さいはずです。
この観点と、導入期間の観点を組み合わせると、次の4つのパターンの導入アプローチが考えられます。
| | 短 --- 導入期間 --- 長 |
経営改革先行
|
IT改革先行 | 実現は非常に難しい。 | 経営先行では必然的にこうなる。大きな経営的成果をあげられる可能性がある。 |
| IT改革後の経営改革まで進めることさえできれば、成功確率が高い。 | 無意味。 |
4つの中で意味のあるアプローチは、「IT改革先行で長期間」を除く3種類です。この中で、「経営改革先行で短期間」はよほど特殊な条件がそろわないと、実現不可能です。したがって、「経営改革先行で長期間」と「IT改革先行で短期間」が有効な選択肢となるのです。私は、「IT改革先行で短期間」が最も成功の可能性が高いと思っています。ただし、いくつかの落とし穴はあります。次のようなものです。
- IT改革先行といっても経営の変革はある。それを短期間で習得すること
(なめてかかると、結構厳しいものがありそう)
- IT改革のあとに経営改革がある。それを忘れないこと
(新システム稼動開始で安心したら経営改革は置き去りになる)
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魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
Last update 2001-3-17
Create 2001-2-18