情報システムがレベルアップしていながら、それを業績に結び付けられない例として、「与信管理」をあげる。与信管理の概念は従来からあったが、それを本来の形で実現するのは結構難しい。通常は、先月末の売掛金は分かっていても、今の売掛金はなかなか分からない。危ないと分かっていれば、頻繁なチェックをするが、すべての取引先の売掛金をチェックするのは大変な作業になる。
急に仕入れが増えた取引先がいたとしよう。増えたことに気付いて、売掛金をチェックしてみたら与信限度をはるかに越えている。次の受注ではやんわりと断りを入れたが文句を言われ、月末に請求書を出そうとしたら倒産したことが分かった。なぜか、こういうときに限って普段より売掛金が多くなっているのだ。このような問題は、あちこちで起こっているように思われる。
情報システムで常に与信限度をチェックしながら受注することは可能だ。受注登録時に与信限度でエラーや警告が出る。そのときに何をするかを決めておく必要がある。月末までわからなかった過去と、リアルタイムで分かる現在とは、ルールを変える必要がある。
与信限度を越えたことを早く知ることができれば、できることはいろいろある。営業マンが訪問をして状況を調査したり、請求済み債権の早めの決済または手形化をお願いしたり。
昨今、倒産する企業が増えているが、そういうときの対応が適切にできるかどうかにより自社の業績を改善し、あるいは取引先に連なって倒産してしまうことを防止することができるはずである。