<ERP 終わりのないプロジェクト>
ERPの最大の価値は「標準化」
2005年7月30日
ERPで何ができるのか考えてみました。一般に、ITへの期待は合理化や省力化ですが、ERPでなくても相当レベルまでできそうです。また、ERPを入れたから特別に省力化できたという事例はあまり聞きません。ERPによってシステムが一体化した場合は、複数システムに同じようなデータを何度も入力するのと比べて省力化できるでしょう。しかし、ある程度の省力化を自前システムで実現したあとであれば、ERPそのものがさらに省力化効果をもたらすことはないと言えそうです。
では何ができるのでしょうか。実は、ERPで実現できるのは「業務の標準化」なのです。このことは、経験者は皆言っています。私もERPの事前調査をしていたときにそれを聞き、「ふうん」と思っていました。「だから何なんだ?」と思っていました。実際に3年間ほどERPを使ってみて、合理化は手作りでもできますが、標準化は手作りではきわめて困難だということをあらためて感じました。
では、その「標準化」はどれほどの価値のあるものなのでしょうか。その価値は、3年間ERPを使って改めて実感します。
端的に言えば、「標準化」とは標準的な業務のやり方を導入し、従来の業務のやり方を置き換えることですが、その価値は「当たり前のことを当たり前にできるようになること」だと言えます。
それはいろいろなところへ波及します。
- 社内の用語が統一される
経理と営業と製造がそれぞれ同じものを違う言葉で呼ぶことはしばしばあります。倉庫を蔵元、ストックポイントなどと呼ぶなどです。意味も微妙に違うこともあります。あるいは、経理用の在庫と物流用の在庫は別のデータベースという例もあります。用語が統一されると、言葉が通じ、データを共有できるようになります。
- 他の部署が見えるようになる
言葉が通じ、データが共有されると、自分の職場の上流で何がなされているか、下流でどのように仕事が処理されたかが見えてくるのです。あるいは、自分の職場と同じような役割のほかの職場で何がされているのか見えるようになるのです。
- 他の部署が手伝えるようになる
上流、下流が見えるようになると、お互いに補えるようになってくるはずです。また、同じような役割のほかの部署と統合することができます。標準化された仕事の量をまとめると、センター化したり、ITで単純計算や定型作業を自動化することができるのです。
- 業務改善の機会が増える
他の部署や他社の事例を参考にしたり、目標にしたり、ノウハウを盗むことができるようになります。それは進歩のきっかけになります。ただし、真似をしてうまくいくことはありません。あくまでも参考です。
このようなことができるようになると、いろいろな点で会社が俊敏になるのです。
前のレポート|
次のレポート
魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
Last update 2005-7-30 /174
|
以下の書籍は本文と 関係ありません。 amazonで"ERP"のキー ワードで検索しました。
|