レポート:リアルタイム経営
<ERPパッケージの研究>
リアルタイム経営
1998年10月18日
ERPパッケージの売り言葉の一つが、「リアルタイム経営」です。
リアルタイム経営の意味
「リアルタイム経営」には二つの側面がありそうです。一つは経営者から見た側面、もう一つは現場から見た側面です。
経営者から見ると、自社の状況と外部の環境について、最新の情報が見えることです。何日も集計と伝達を待つのではなく、すぐさま情報が見えることが、的確な判断のために必要です。
もうひとつ、現場から見ると、部門間の情報伝達がスムーズに行われていることでしょう。たとえば、営業部門での受注状況を、生産管理部門が知っているという状態を作ること等です。もちろん、経営者からの指示の伝達がスムーズであることも必要です。
リアルタイム経営の条件
パッケージではない自前のシステムで、リアルタイム経営を実現することはできるのでしょうか。リアルタイム経営を実現するための条件を整理してみましょう。
- 経理システムで、毎日の実績を毎日収集し、必要な集計ができる
- 毎日の集計結果には、それぞれの事象に対して一連の取引が含まれている(たとえば、売上が計上されているのに売上原価がない、あるいは出荷運賃がないというようなことがない)
- 経営者に提供される情報は、直感的に理解しやすい形式になっている(理解するのに時間がかかったり、専門家の説明を要するようなことがない)
- 部門間の情報連携が必要な頻度と形式でなされている。たとえば、営業部門の受注情報が即座に生産管理部門に伝達される
- 以上の情報の精度が高い(経営者も現場も、情報を信頼することができる)
ERPパッケージへの期待
パッケージを使わないで、自前システムでリアルタイム経営を実現することは、不可能なのでしょうか。前掲の条件のいくつかは、実現可能なものです。やや高めのERPパッケージを導入するぐらいの予算をかければ、ほとんど実現可能だとも思われます。
私が思う、最も困難な点は、最後にあげた「情報の精度が高い」という条件です。自前のシステムの場合、精度を上げていくのに時間がかかります。一方、設計されたシステムが改善や環境変化への対応を必要とするために、処理の変更が頻繁に発生します。このことが、精度悪化の要因となります。
パッケージの場合は、もともとのシステムの完成度が、自前システムより高くなっています。システム改善の必要性は、自前システムよりも少なくなるでしょう。また、消費税など一律に発生する環境変化にはパッケージベンダーが対応してくれます。これらのことが、処理の信頼性を高めます。
この、「信頼性の高さ」が、パッケージベンダーが言っている「リアルタイム経営」の本質ではないかと思うのです。
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魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
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