「プロフィットセンター」という言葉があります。企業内には、プロフィットセンターとコストセンターがあるという議論です。この「プロフィットセンター」という言葉は、P.F.ドラッカーが作ったのだそうです。本人が言っていますので、おそらく間違いないでしょう。そのP.F.ドラッカーが、「プロフィットセンター」という言葉を、最近は否定しているようです。「企業内にはプロフィットセンターはない」というような意味のことを言っています。
それでは、プロフィットセンターはどこにあるのでしょうか。それは、P.F.ドラッカーが言うには、お客様なのだそうです。企業の生み出す価値(プロフィット)は、社内をどう見渡しても発見できないのです。唯一、お客様だけが価値を生み出すのです。
「価値」は、それを生み出そうとする企業にとって、生命線です。唯一のプロフィットセンターである「お客様」が大切であることは、確かに言うまでもありません。
お客様に価値を提供しているのは従業員です。間接部門にいて、自身が価値を提供していない従業員も、価値を提供する人たちを支えています。すべての従業員が、お客様に価値を提供するために働いています。ある一人の従業員が、一人分の価値を顧客に提供している限り、あるいは直接ではなくても一人分の価値を支えている限り、大切な従業員の一人です。
その人が、営業マンか間接部門要員かということは重要ではありません。営業マンでも、お客様に価値を提供できなければ存在価値はないし、間接要員でも10人の従業員のパフォーマンスを0.2人分ずつ向上できれば、2人分の仕事をした営業マンと同等の存在価値がある従業員だといえるでしょう。
それにもう一つ、「顧客満足」という問題があります。ひとりのお客様がいて、自社を代表してその顧客に対応する一人の従業員がいます。お客様に満足してもらうためには、その従業員が喜びを持って顧客に接する必要があります。お客様に喜んでもらうことに、喜びを感じる必要があります。そのためには、従業員が仕事に誇りを持ち、自信を持ってお客様に貢献できなければなりません。だから、「従業員満足」が重要なのです。
「総会屋対策」というものが、その一つでしょう。株主総会を短時間に済ませて喜ぶのは経営者だけです。株主も、そんなことは望んではいません。総会屋対策担当者は、経営者を支えているように見えますが、お客様や株主に対する経営者のパフォーマンスには何の関係もないことをやっているのです。
あなたの回りにいる経営幹部たちの中に、お客様に対する従業員のパフォーマンスに関係ない行動ばかりをする人がいたら、その人選を見直してみましょう。大切にしなくていい人を大切にするということは、大切にするべき人を大切にしないことと同じです。