レポート:いくつもの通り道

いくつもの通り道

1998年6月27日


 さて、行き先をひとつ選びました。どうやってそこへ行きましょうか。

 スピード経営を身につけると、行き先へ行く手段は多数になります。経営の高速化は、様々な制約条件を取り除いてくれます。これは、選択肢が増えることに他なりません。通り道はひとつではありません。たくさんの選択肢をあげ、最適な意思決定を行うことが成功の秘訣です。

「これしかない」はありえない

 設定した目標へ向かうチャンスが目の前に現れると、「これしかない」と飛びついてしまうことがあります。でも、それは本当に絶好のチャンスなのでしょうか。
 ちょっとした障害にぶつかるとその道をあきらめ、次々と現れる障害にたじろいで、残されたわずかな選択肢から選ばざるを得ないこともあります。でも、本当に残された道はわずかなのでしょうか。

 「このやり方で、前にうまく行ったから」という理由で、ある道を選ぶことがあります。でも、それは本当に選ぶべき道なのでしょうか。

選択肢を洗い出すという作業

 目標へ向かう道がひとつしかないということはありません。道は必ずいくつもあるものです。道をふさぐ障害も、超えられるものが結構あります。最初からあきらめることはありません。また、前にうまく行ったというのは、その道を選ぶ理由にはなりません。普通は状況が違うはずだからです。

 そこで、選択肢を洗い出すという作業が必要になります。経営者は、常にそういう視点をもって行動することが必要です。舵を取っているのは経営者です。

 選択肢を洗い出す作業を現状分析といいます。現状分析というと、コンサルタントが何ヶ月もかけて事務フローを作成する作業を連想しませんか?現状分析を無目的に行うと、高い授業料を払うことになります。表面だけをさらうだけでも、結構な時間がかかるものだからです。でも、その目的は「選択肢を洗い出すこと」なのです。設定した目標へ向かうための選択肢に絞って、徹底的な分析を行うべきでしょう。

必ずやることと決してやらないこと

 目標を達成するために、どのような道をたどるのか、それを考える上でふたつのチェックポイントがあります。ひとつは「なからずやること」で、もう一つは「決してやらないこと」です。

 「必ずやること」はあまり多くないほうが良さそうです。「必ずやる」ということは、結構選択肢の幅を狭めることがあります。いくつも設定してしまうと、たどるべき道がほとんど決まってしまいます。その結果、状況が変わっても別の選択をすることができなくなります。

 「決してやらないこと」はもう少し数を増やしても大丈夫です。ただし、やらないことが何なのかをはっきりと示すことが必要です。

経営目標と経営方針

 行き先を選び、通り道を設定しましたが、通り道は状況が変われば変わるものです。一方、決してやらないことと、必ずやること、つまり通り道の条件設定ができました。

 行き先を選ぶことが「経営目標の設定」で、通り道に関する条件の設定が「経営方針の設定」に相当します。

 未来企業は、高速経営が特徴です。広い視野で明確な目標を設定し、様々な選択肢を描いて方針を決めておくということが、従来にも増して必要になっているのです。


魚谷幸一 http://homepage3.nifty.com/uotani/
Last update 1998-6-27