チャイコフスキー、ちょっと珍しいDISC紹介 


私のコレクションから、珍曲、珍演DISCを紹介していきます。

註:コンテンツの性質上、現在入手困難なものも紹介しております。
  可能な限り現行盤の番号を調べてみますが、
  いかんせん未熟者の為カバーしきれない分もあるかも。
  ご容赦下さいませ。
では、はじまりはじまり〜〜。

 <SPECIAL THANKS>
   ・杉山さん
   ・CHuさん
   ・ジークフリードさん
           (順不同)





ロココ風の主題による変奏曲 原典版 他  イッサーリス(チェロ)他

(英VIRGIN  CLASSICS  VC7 91134-2)

チェロ独奏 スティーブン・イッサーリス
 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
     ヨーロッパ室内管弦楽団

ロシアの作曲家によるチェロと管弦楽のための作品を集めたCD。
チャイコフスキーの作品の他にR=コルサコフ、グラズノフ、キュイらの作品が収録されており、中でも、チャイコフスキーの作品に対して酷評を数多く残した事で有名な、
ツェザーリ・キュイ(「力強い仲間たち」の一人。凡庸な作曲家とされる)
による「ドゥ・モルソー」は、意外にも良い曲です。

ですが、ここでは、「チャイコフスキー」です。

チャイコフスキーの、チェロと管弦楽のために書かれた全作品が、「原典版」による演奏で収録されています。
ロココ風の主題による変奏曲の、現在知られている版は、フィッツェンハーゲンというチェリストにより大幅な改訂が行われたもので、ソロパートに大幅な変更を加えた上変奏の順序まで変えられているのです。
この現行フィッツェンハーゲン版に聴きなれた我々にとって、当CDの、原典版による演奏はかなり散漫な印象を受けるでしょう。
「あれ?この変奏もう出しちゃうの?」
「あれ?随分のんきだな。」
「あれ?終わっちゃったよ!」
って感じです。
恐らくチャイコフスキーの構成力不足というよりは、はなからそういった作品を書くつもりだったのではないでしょうか。
マンガに例えると「ゲラゲラ!」より「クスクス・・・」の笑いを目指したマンガ、みたいな。

あと、当CDにはフィッツェンハーゲンの弟子の、同じくチェリストのブランデュコフがソロパートに手を加える前の原典版「奇想的小品」が収録されていますが、この原典版を聴く限り、現在聴かれるブランデュコフの改訂は「あってなおよしなくてもいいよ」程度?
※奇想的小品の、楽譜を持ってないので比較試聴には、

 ・モーリス・ジャンドロン(チェロ) 
  クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮 ウィーン交響楽団 
 と、
  ・ヴァレンティン・フェイギン(チェロ)
   ネーメ・ヤルヴィ指揮 エストニア国立交響楽団

の二つを用いました。
うち、ジャンドロンの演奏には途中ややくどいカデンツァが入ります。
これがブランデュコフ版に由来するものかどうか分かりませんが、ない方が曲の流れ的に良いかも?






ピアノと管弦楽のためのアンダンテとフィナーレ   ハース(ピアノ)インバル指揮モンテカルロ_O 

独フィリップス 475 256−2 (3枚組)

かつて、
「ピアノ協奏曲全集」
(日本フォノグラムPHCP−9069〜70)
として二枚組で発売されてい国内盤の録音に、ヴァイオリン協奏曲等その他の協奏的作品を加えた、文字通り「協奏曲全集」!
(但し、録音年代は1962〜76と、やや開きがあります)

目玉は、「ピアノと管弦楽のためのアンダンテとフィナーレ」
ピアノ協奏曲第三番の、未完のまま放置された第2、3楽章のスケッチを元に、チャイコフスキーの弟子のタネーエフというピアニストの作曲家がオーケストレーションを施し完成させた作品です。
チャイコフスキーは、協奏曲三番を「全体として長すぎる」と見なして第一楽章以降の作曲を中断し、一楽章形式のコンチェルトシュトゥックとしてまとめ上げたわけですが、私は、大作曲家のこの選択は全くもって正しいと感じました。ハースの演奏によるピアノもややトロミ系で、通しで聴くとやっぱダレますね。

比較としてオーマンディ/フィラデルフィア管の交響曲第七番のDISC(当HP内の「交響曲編参照」)を聴いてみましたが、交響曲第七番の演奏はスピーディで隙がなく、かえってオーマンディという指揮者の途轍もない偉大さ、ストコフスキーに鍛え上げられたフィラデルフィア管の抜群のアンサンブル能力を思い知らされてしまいました。
「アンダンテとフィナーレ」も、このCDのようにスピーディーに演奏されたほうが問題ないような気がします。






ロメオとジュリエットからの二重唱

ネーメ・ヤルヴィ指揮 スコットランド国立O
英Chandos CHAN 8476 (写真左)

ウラディーミル・フェドセーエフ指揮
モスクワ放送SO
瑞西RELIEF CR 991051 (写真右)


調べてるとこ〜。
と最後に書いたのはいつだったか・・・
いい加減更新しないとな〜







軍隊行進曲 吹奏楽版  ロイヤル マリーンズ バンド(写真左)

 英MUSIC MASTERS  MMCD 403 (写真左)

 1893年即ちチャイコフスキー最期の年。
大作曲家は、兄アナトーリの所属する第98ユーリエフ歩兵連隊のために勇壮な行進曲を書きました。
が、どの文献の作品リストを見てもそれは「ピアノ曲」としてのみ記載されています。
(ERATO社から出ているポストニコワの
 「チャイコフスキー ピアノ曲全集」 
WE819ZC  7枚組 写真右
というCDで聴くことができます。Vol.2 の31曲目)

「編曲物だろ」ですって?いや、私もそうなんだと思うんですが、ライナーノーツに気になる一節があるんですよ、
曰く、
「この曲は恐らくチャイコフスキーの作曲した
 唯一の 吹奏楽曲 であろう・・・」(←アバウト和訳)

チャイコフスキー研究の発達したイギリスだから、あるいは何かあるのかも知れない。

ご存知の方THE・掲示板に善意の情報提供お願いしま〜す!

     ☆追記:吹奏楽版の謎、解明!☆

THE・掲示板にて、杉山さんという方から情報提供を頂きました。
この「軍隊行進曲」は、やはり別人の編曲によるもので、作曲家オリジナルのアレンジによる吹奏楽版は存在しないそうです。
さらに、吹奏楽版による演奏の、現在入手が比較的容易な国内盤CDの存在も教えてくださりました。↓

 (DECCA 国内盤 POCL−90110)1999年発売
   (写真右)
演奏は、ロイヤルマリーンズのものと比べややテンポが速く、低音や打楽器のリズムが原曲であるピアノ曲のイメージにより近い感じです。
一方、ロイヤルマリーンズ盤の演奏は、チャイコフスキーが1883年作曲した
「戴冠式行進曲」 という管弦楽曲のイメージを模したかのような、やや重めの演奏です。

杉山さんに、この場を借りて改めて御礼申し上げます。
 ありがとうございました!



チャイコフスキー未発表作品集 フェドセーエフ指揮モスクワ放送SO他

国内盤ビクター VICC−185

収録曲
  1.聖キリュロスと聖メトディオスを祝う賛歌
  2・「9つの聖歌」より
    第4曲「あなたに向かって歌います」
    第6曲「私たちの父よ」
    第8曲「私の祈りを薫香のように」
    第9曲「今、天の力は」

 未完の幻想オペラ「マンドラゴラ」より
    「花と昆虫の合唱」

大序曲「1812」年 作品49(合唱つき)


1995年に行われた
「国立クリン・チャイコフスキーの家博物館創立100年記念演奏会」
のライヴ録音。
ロシア正教の聖歌や例の旧ロシア国歌が用いられている作品など、旧ソヴィエトでの演奏が規制されていた作品を中心とした選曲で、日本では珍しくも無い(生演奏は珍しいけどね)1812年序曲を除けば全て珍曲という好DISC。
けっこう出回った国内盤なので、粘れば見つかると思いますよ?

オススメ曲は「花と昆虫の合唱」ですね。分厚い低音弦の上に可愛らしい少年合唱が乗っかって何とも不思議な雰囲気を持つ曲です。


     <未完の幻想オペラ「マンドラゴラ」とは>

同歌劇は、ラチーンスキーというロシアの作家の書いた幻想的な物語をテキストに、1869年末、作曲に着手されるも「歌劇に向かない題材」ということで友人たちに作曲を反対され、この「花と昆虫の合唱」のみが作曲されたそうです。
(なんか「される」ばっかだなこの文章)。

この、ラチーンスキーという人物とチャイコフスキーとの関係は
  「チャイコフスキー その作品と生涯」
   (クーニン著  川岸貞一郎 訳  新読書社)
  という本に詳しく載っています。

ちなみに「マンドラゴラ」とは、錬金術、魔術ファンにはおなじみの、あの、人間の形をした根を持ち、引っこ抜かれると奇声を上げるという猛毒の植物の事です。
おっそろしいなぁ・・・。




歌劇「地方長官」より 序曲ほか ヤノシュ・フュルスト指揮バンベルクSOほか(写真左)


   米VOX  VOXBOX CDX 5079 (2枚組)

チャイコフスキーの歌劇「地方長官(ヴォイェヴォーダ)」をはじめ、歌劇からの管弦楽曲抜粋や、比較的珍しい管弦楽曲が満載された廉価盤お買い得CD。(写真左)
輸入盤の店ならどこでもあるCDだったけど、最近なんか見かけなくなってきたので、興味のある方はお早めに!?
                 
                  収録曲
DISC1
  ・マンフレッド交響曲
       (オルガンが用いられてない貧乏バージョン)
  ・幻想序曲「あらし(テンペスト)」
DISC2
  ・序曲「雷雨」(大胆にはしょったミニバージョン)
  ・交響詩「運命(ファトゥーム)」
  ・歌劇「地方長官(ヴォイェヴォーダ)」より
    ・序曲
    ・序奏と村娘の踊り
  ・歌劇「親衛隊(オプリチニーク)」より
    ・序曲
    ・ダンス
  ・歌劇「マゼッパ」より
    ・序曲
    ・コサックダンス

私的にオススメ名演は、「地方長官」の序曲。
全体的にメリハリの利いたスケールの大きい演奏。録音の古さなのか解像度が少し気になるけど(チャイコフスキーの曲は全体的に各楽器の音のエッジが立った方がカッコよく聴こえると私は思うという程度の意味で)、
メロディーの丁寧な歌わせ方など、まるでこの曲が頻繁に演奏されるスタンダードな名曲であるかのような錯覚さえ与える。
特に、ラストの凱旋行進曲風のメロディーが、ゆったりと落としたテンポで堂々と歌い上げられる様なんかはまさに感動的!
同曲の録音は1999年のフェドセーエフ/モスクワ放送SOのものも出ていますが↓
(RELIEF CR 991060、写真右)、録音の新しさとトランペット、ホルン、ティンパニの活きのよさを除けば私はこのVOX=フュルスト盤に軍配を上げたいです。
輸入盤の店ならどこでもあるCDだったけど、最近なんか見かけなくなってきたので、興味のある方はお早めに!?

追伸:前述したフェドセーエフ盤は、「悲愴」のボーナストラックです。
この悲愴がまた、フェドセーエフの以前の録音(1991年の録音。詳細は「交響曲編」で見てね!)と比べてイメージがかなり違う。但し、終楽章以外はですが。
さて、問題の終楽章のタイムは、
     10分06秒(91年盤)
     10分09秒(99年盤)
とほぼ変わらず、聴いた感じも相変わらずですが、CDのライナーには
「Adagio」の表記が!フェドセーエフさん自説を撤回したのか?
この辺の事情、どなたかご存知ありませんか?



  
  
  

ピアノ協奏曲第一番 変ロ短調作品23(原典版)

ラザール・ベルマン(ピアノ)
ユーリ・テミルカーノフ指揮ベルリン放送SO

国内版クラウン  PAL−1052
   (音源は独Schwann)

この曲の話となると必ず出てくるのが・・・
クリスマス・イヴの日に、チャイコフスキーがニコライ・ルビンシュタインに初めてこの曲を弾いて聴かせたら、彼から「一部を除いて全て破棄しろ」と酷評され、チャイコフスキーも「一音符たりとも変えるつもりは無い」と言い張った、というエピソード。
その後、曲の成功とともにお互い和解して、ルビンシュタインはこの曲の価値を認め、チャイコフスキーも僅かだが曲の改訂を行った・・・。
さて、ここにあるDISCは、その改訂が行われる以前の(一音符も変えるつもりは無い)「原典版」による演奏です。
原典版で一番目立つのは一楽章の冒頭で、オーケストラの前奏に続いて現れるピアノの和音奏。和音自体は同じですが、弾き方が柔らかです。擬音するなら
我々がお馴染みの第三版が
   「ゴーン!カンー!キンー!」
なら原典版は
   「ボン〜♪ポロ〜ン♪ピロ〜ン♪」
て感じです。アルペジオですね。
違う箇所はその他にも細かくありますが、地味です。
第二楽章は変更なし。第三楽章はオーケストラ、ソロ共に若干の変更がある箇所が二箇所存在します。
でも、まあ全体に言ってそんなに激しい差はありません。これはいわゆる「コレクターズアイテム」ですね。
ベルリン放送交響楽団の(テミルカーノフの?)、まるで幽霊の猫なで声とも形容すべきメロメロの甘〜い伴奏が、不思議な魅力を漂わせているのもまた確かですが・・・。






チャイコフスキー管弦楽曲集 ジェフリー・サイモン指揮ロンドンSO 

    英Chandos  CHAN8310/11   (2枚組)
           収録曲 
  1.ロメオとジュリエット(第一稿1869年)
  2.N・ルビンシュタインの命名日のためのセレナーデ
  3.デンマーク国歌による祝典序曲
  4.歌劇「マゼッパ」より、
       ・ポルタヴァの戦い
       ・コサックダンス
  5.劇付随音楽「ハムレット」
      (ファンファーレを含む完全全曲盤)

私がチャイコフスキーの(知名度が)マイナーな曲のレコードを集めるキッカケとなったCD。1981年にリリースされた輸入盤ですが現在でも大型店などでよく見かけます。
録音、演奏ともに概して良好(コサックダンスの中ほどで異常にアンサンブルがズレる箇所こそあれ)。
「デンマーク〜」は、金管楽器の伸びやかで煌びやかなメロディーが
とても印象的。吹奏楽系の人にはウケが良さそう?
「ロメジュリ」第一稿は先ずアタマ聴いてノケゾる事請け合い!
(↑)日本におけるチャイコフスキー研究の第一人者、
森田稔先生の著作

 「新チャイコフスキー考〜没後100年によせて」
                       (NHK出版)

で「ロメジュリ」第一稿の、件の冒頭部分の手稿を見ることができます。
(108ページの写真。見たい人は本を買うべし!オススメ本ですぞ。)
   

  :劇付随音楽「ハムレット」作品67b 豆ちしき〜♪

チャイコフスキーが、フランスの俳優リュシアン・ギトリと彼の率いる劇団の公演のために1891年に作曲したこの劇音楽には、過去の作品からの流用が数多く見られます。私が知っている限り述べますと・・・

    1.序曲  
これは1888年の作品である幻想序曲「ハムレット」作品67aの短縮改変版ともいうべき内容。

    2.第2幕間奏曲
1875年の作品「交響曲第3番ニ長調」作品29(俗称ポーランド)の、
第2楽章を短縮したもの。

    3.第3幕間奏曲
1873年の作品、劇付随音楽「雪娘(スニェグローチカ)」作品12のナンバー「メロドラマ」をそのまま流用。



    4.第4幕間奏曲
1884年の作品、「I・V・サマーリンを記念するエレジー」をそのまま流用。               
            ――以上――




歌劇「ウンディーネ」の断片 エフゲニー・アクーロフ指揮ソヴィエト放送SOほか

  米VOXBOX  CDX 5117(1枚サイズケースの2枚組)
       (音源は露Melodiya)

当CDはスヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SOのチャイ5&6がメイン。
「ウンディーネ」はオマケとして収録されています。
  収録曲
   1.序奏
   2.ウンディーネのアリア
   3.ウンディーネとフルブランのデュエット
   4.第1幕フィナーレ 
うち1,2は後の劇音楽「雪娘」にほぼソックリ流用されております。
3は、あの「白鳥の湖」第2幕でオデットと王子が踊る有名な、
「パ・ダクシオン」に姿を変えて現在も生き残っています。チャイコフスキーがこの美しいメロディーを、オペラとともに破棄してしまわなかった事を神と彼に感謝しましょう!(ウンディーネ豆ちしき〜♪でした!)




 

カンタータ「モスクワ」、「歓喜に寄す」ほか  ユーリ・シモーノフ指揮モスクワ放送SO、同合唱団ほか

      米Citadel  CTD88138
          (音源は露Melodiya)

          収録曲
僭称者ドミートリとワシリー・シュイスキー
  1.序奏
  2.マズルカ
カンタータ 「歓喜に寄せて」 
   全曲
カンタータ 「モスクワ」 
   全曲

「〜ドミトーリ」の2曲。
序奏は、息の短いフレーズをマゴマゴ変奏して、
突然強引に盛りあがってブツッと終る、素人目にも不恰好な音楽。
「マズルカ」は、冒頭に現れる、どこか「白鳥の湖」を思わせる暗いが情熱的なメロディーからして美しい、いかにもチャイコフスキーらしい雰囲気の佳曲。
(以上演奏は、アクーロフ指揮モスクワ放送SO。)

 「歓喜に寄せて」
     は、1865年チャイコのペテルブルグ音楽院卒業作品。
若々しい輝きに溢れた作品。歴史的に認められてなくとも、我々がヘッドホンつけて自分の部屋で楽しむには何ら支障ないといった曲。
     ただ、このディスク、録音はヒドい。
ボコボコに歪んだ不明瞭な録音と、本場ロシアのヴィブラートバリバリ唱法が、聴く人をかなり選ぶ。

     そして戴冠式カンタータ「モスクワ」
この曲は、皇帝アレクサンドル三世の戴冠式典の曲として、1883年に、「戴冠式行進曲」とともに作曲された。
チャイコフスキー全作品中でもかなり高い完成度を誇る名曲である。というのは私の勝手な意見ですが(笑)。
(ただ、チャイコフスキー自身はこの曲になんの価値も感じてはいなかったようです)







「セヴィリアの理髪師」より<アルマヴィーヴァのクプレ> アクーロフ指揮ソヴィエト放送SOほか

   米mobile fidelity sound lab   MFCD870
     (音源は露Melodiya)

             収録曲
 1・劇付随音楽「ハムレット」
 2・「セヴィリアの理髪師」より<アルマヴィーヴァのクプレ>
 3・劇付随音楽「雪娘」より<序奏>

 チャイコフスキーが、1872年にモスクワ音楽院の学生による劇「セヴィリアの理髪師」のための曲を書いた、というエピソードを、昔なにかの本でちらっと読んだ記憶があるのですが、どの本か失念してしまったので詳しいことは調べがつき次第書きます。多分この曲のことでしょう。
 (この曲の詳細ご存知の方、THE・掲示板にてご教示お願いします。)

 併録の「ハムレット」は、やはり出版譜にはなく自筆譜にのみ存在するファンファーレを加えた全曲版(但し、同じ曲の尺を変えたものや、別人の作品という説がある三番目のファンファーレは未収録)。
このDISCでの演奏の大きな特徴は、歌曲の歌詞が、原曲ではフランス語であるのに対し母国ロシア語で歌われている事ですね。
 原曲がフランス語である理由は、この劇を上演したリュシアン・ギトリ一座がロシア語まるで駄目だった事、当時のロシアの上流階級ではフランス語が好んで用いられていた事、に起因するそうです。




大序曲1812年ロシア国歌ぬき スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立SO(写真左、右)

    国内版ビクター VIC‐2002
        (音源は露Melodiya)
 LPレコード(アナログディスク)です(写真左)。
このLPと全く同じ内容の CD も、以前ビクターから発売されていたようです 
(VDC1172)

旧ソヴィエト時代では、帝政ロシア国歌の演奏を禁じる動きがありました。
当然大作曲家の作品中にあるソレも引っかかり、作品中に現れる全てのロシア国歌部分がカットされました。
このレコードはその最中の演奏です。(1974年の録音)
具体的には、ロシア国歌の部分が、
グリンカの歌劇「イワン・スサーニン」の、終曲の合唱
※賛歌 「栄えあれ、栄えあれ、聖なるルーシ(ロシア)!」
のメロディーに挿げ替えられてるんです。

ジャケット裏面の、宇野功芳先生の解説によると、このアレンジは、ヴィサリオン・シェヴァーリン(1902‐1966)という人が、1943年から1945年にかけて行った改ざんだということです。そして演奏はこの版がのっている「チャイコフスキー作品全集第25巻(1961年ソヴィエト国立音楽出版社)」によるものだそうです。
(スヴェトラーノフの「1974年の」録音がソレです。)

追伸:現行盤情報。
「ロシア国歌ぬき1812年序曲」
掲示板でおなじみジークフリードさんが、
「おそらく現在でも入手できるんじゃないかな〜」
というCDの情報を提供して下さいました。↓

 ニコライ・ゴロワノフ指揮 モスクワ放送SO
EU EMI  7243 5 75112 2 3  
   (2CD・写真中央・モノラル録音)

というわけで早速購入!古い録音(1948年のライヴ)なので、音質は、なんか昔のディズニー映画か何かみたいですが、かなり白熱した激しい演奏です。
ただ、テンポやディナーミクにかなりのクセがあり、好みの分かれるところでしょう。
例えるなら
   「発狂したストコフスキー」
           といったところでしょうか・・・。
尚、シェヴァーリン版のスコアにどう書いてあるのかは分かりませんが、終止音で鳴り止むはずのティンパニがスヴェトラの演奏では鳴り止まず、ゴロワノフ盤ではそれに加え、やはり止まるはずのチャイムまでも鳴り止みません!
欲求不満解消の手段か!?
            

           ★CBETЛAHOB!★
スヴェトラの1812続報
                   きましたね、再販!

「チャイコフスキー 交響曲全集」
  スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立SO
(SCRIBENDUM SC−024    6枚組)

 当HP中の「超個人的おすすめCD」のコーナーで二度ほど紹介した、ヨーロッパのスクリベンダムから、スヴェトラーノフが30代の時に録音した(1960後半〜70年の)最初のチャイコフスキー交響曲全集がCD発売されました。(2003 8/24発売)
その中に、件の「ロシア国歌なし1812」が収録されているそうです!
交響曲全6曲のほかに、マンフレッド交響曲やテンペスト等の管弦楽曲が収録されており、1812以外でも絶対オススメ!第四番の終楽章聴いてHAPPYになってくだされ!必笑!!私はまだ買ってません、買ったら報告しますね。
(私はアナログで全部持ってるんだけど、それでも買いなおす価値ありと思ってる。と付け加えておきます。)

買いました!(写真右)
この全集に思わぬ副産物が含まれていたのでご報告します。
(スラヴ行進曲ロシア国歌抜き)




スラヴ行進曲 ロシア国歌抜きほか  スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト国立SO

EU SCRIVENDUM   SC 024(3枚サイズケースの6枚組み)
 (音源は露Melodiya)
 
当コーナーで紹介している「大序曲1812年ロシア国歌抜き」と同じ理由によりロシア国歌が削除された「スラヴ行進曲」です。
(このページを初めてご覧になる方は、まずそちらから読んで頂いた方が話しが見えるかも?文章下手でごめんなさい。)

スラヴ行進曲のロシア国歌部分も、やはり旋律をグリンカの歌劇「イワン・スサーニン」の曲に挿げ替えられています(シェバーリン版1812と同じメロディー。)
ロシア国歌は二回出てきますが、中間の一回目は、グリンカのメロディーがいきなり途中から(というか断片)始まり違和感全開です。旋律の入りは聴きなれる事で何とかなるけどやはり元の曲に戻るときがどうしても変な感じなんですよね・・・。



法律学校行進曲ほか ロジェストヴェンスキー指揮モスクワ放送SO

     国内版ビクター VIC‐5063
       (音源は露Melodiya)
       (アナログディスクです)
チャイコフスキーが、作曲家を志す前は法律学校の、優秀だがいささか遊び人な学生だったことはご存知のとおりですが(ナヌ?知らない?修行がたりーん!!ベシベシ!)、この曲は彼が、1885年に、この法律学校の創立50周年を記念して作曲したものなんだエヘン!(←お前がいばるな本の受け売りだろーが!)。
この曲、吹奏楽の編曲版も出ているようなので、その筋の方はご存知かも知れませんね(荘厳な行進曲、とかいったかな)。

そうそう、このレコードには「戴冠式行進曲」のロシア国歌なしヴァージョンも入ってます。これは、前回紹介した「1812ロシア国歌ぬき」みたく旋律を挿げ替えるのではなく、いいですか、シェヴァーリンさんがやったんだか何だか知りませんが、その部分まるごとカットしてます。ええ、もうバッサリ。二回出てきますよね、両方。(みのも○た風に読んでね!)

戴冠式行進曲ロシア国歌カットヴァージョンの録音は、他に
ヴィヤチェスラフ・オフチニコフ指揮
モスクワ放送交響楽団のものもあり
(国内盤ビクター VIC‐28133)、
こちらは英メロディア(オリンピア?)あたりからCDで再販されたこともあったので、そっち探すほうが楽かもです。



序曲ヘ長調(1865年版)ほか ヴェロニカ・デュダロワ指揮 モスクワSO(写真左)

    露Melodiya C04671−72
        (アナログディスク)

チャイコフスキーの、めずらしい管弦楽曲を集めた好企画レコード(写真左)。
 
  収録曲
 Side1
   ・序曲「雷雨」
   ・交響的バラード「地方長官」作品78
Side2
   ・交響詩「運命」
   ・序曲ヘ長調(1865年の小管弦楽版)

うち3曲目までの曲目は今まで紹介したDISCに何らかの形で収録されていますので、ここでは残りの
   「序曲ヘ長調」 についてだけ述べます。

チャイコフスキー最初期の作品のひとつにあたるこの曲は、1865年に、小管弦楽のために作曲され、同年作曲家自身の指揮による学生オーケストラにより初演されました。翌年にはニコライ・ルビンシュタインの依頼を受け大管弦楽用に編曲され、その初演は大成功だったそうです。
 当レコードの演奏は、1865年の小管弦楽版によって演奏されています。
全体的にこじんまりで、「ちょっと一息」とか言ってるみたいなホンワカムードの可愛らしい曲ですが、後の大作曲家を思わせるエコーは聴こえてこない感じです。

同じ録音と思われるデュダロワの演奏が、1812年序曲あたりを加えてメロディアからCDとなって出ていましたが、現在は廃盤です。

 <現行盤情報>
この曲は以下のCDで聴く事が出来ます。比較的最近リリースされたものらしいので、現在も入手は可能と思われます。私はまだなのでこれから探します(←追伸参照)!

 ミハイル・プレトニョフ指揮
          ロシア・ナショナル管弦楽団 
  (独Grammophon センテナリー・コレクション1993
            459 059−2)

併録は、テンペスト、
リャードフの交響詩「バーバ・ヤガー」、「キキモラ」ほか


追伸:プレトニョフ盤購入(写真右)!

・・・これは殆ど別の曲と言っていい代物です。つまり、デュダロワのレコードに収録されている小管弦楽版ではなく、1866年の大管弦楽版による演奏と思われます。
(ライナーノートにその辺の説明が載っていない)
新規に加わったトランペットやトロンボーンがかなり活躍しており、曲の横の流れもかなり変えられています。
現在私の家にアナログディスクを再生できる機器がないので聴き比べが出来ず、うまくレポート出来ないのが残念です。ごめんなさい。

アドヴァイス:
当CDに限らず、レコード店で大作曲家の珍曲CDを探すときは、作曲家ごとの括りは勿論ですが、通ぶってるマニアが敬遠しがちな「オムニバス」の棚を漁ると、思わぬ収穫があったりするものです。各員工夫されたし!






ドモヴォイのモノローグのための音楽〜オストロフスキーの戯曲「地方長官」より ほか

国内版ビクター  VIC−28133
               (音源は露Melodiya)
               (アナログディスク)
   ヴィヤチェスラフ・オフチニコフ指揮
       モスクワ放送SO

前出の、「ロシア国歌ぬき戴冠式行進曲」が入っているレコード。

     収録曲
SideA: ・幻想曲「テンペスト」作品18

SideB: ・交響的バラード「地方長官」作品78
      ・ドモヴォイのモノローグのための音楽
      ・戴冠式行進曲


1977、79年の録音で、国内版リリースは1984年。
当時このレコードに収録された曲たちは「テンペスト」以外録音がほとんどなく、特に「ドモヴォイ〜」は他になかったのではと思われる(てか今もないんじゃない?)。
 さて、この「ドモヴォイ〜」ですが、歌劇「地方長官」の原作者オストロフスキーが同歌劇の元となった戯曲を1885年に改作し、「17世紀の民衆生活の情景」と言う副題を持つ第二版として発表した際、この作品のためにチャイコフスキーが新たに作曲したものです。
レコードジャケット裏面の、出谷 啓先生の解説によると、この曲は、
第2幕第16場で、悪徳地方長官にさらわれた、貴族の花嫁マリアが、ドモヴォイ(家の精)に勇気付けられるモノローグのシーンで用いられる曲なのだそうです。
 寒々とした弦主体の音楽に、ファゴットの語りかけるような素朴なメロディーがのっかって、なんとも切ない、それでいて心の温まるような御伽噺チックな音楽です。

このレコードも以前メロディアからCDとなって出ていたのですが、よく見かけるからと油断してたら手に入らなくなってしまいました(泣)






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