LEICA M6 Summicron 35mm F2 開放

LEICA M6 Summicron 35mm F2 F8
2代目、6枚玉、ツノ付きと言われるズミクロン35mmである。私自身、M6には35mmが一番相性が良いと感じている。相性の良い焦点距離なら、より軽快に使いたい。そこでこの6枚玉がターゲットとなった。このレンズは「奥目」であるため、フードを装着しなくてもイケそうであること、あとは非球面ズミルクスを持っているので、少々クセがあっても良い…など思ったからである。
このレンズはあまり作例を見ることがない地味なモデルである。良い評判にしろ、悪い評判にしろ、情報が少なかったので、使う前は不安でもあった。
絞り開放では、中心は十分にシャープだが、周辺にフレアが乗り、周辺光量も不足気味となる。当然、絞り込めばそれらが無くなっていき、F5.6あたりでは非球面ズミルクスと見分けがつかないほど、均質的にシャープとなる。色乗り、コントラストも申し分無い。
絞り開放付近では、最新レンズに劣る描写だが、「味」の部分で言うと、これがなかなか良い。ズマリットの解説でも述べているが、私もこういう描写を認めるようになってきたのか…。分析的に見ると、確かに周辺画質は悪いが、写真として一見したとき、その画質低下を感じさせない絶妙なチューニングがあるように思う。そして、非球面ズミルクスにはない「雰囲気」を感じさせられる。立体感、奥行きの再現も非常に良い。なお、このレンズはこの時代のものでも例外的に逆光に強い。下の作例では強烈な入射光にもかかわらず、驚異的な解像度と色階調表現を見せてくれた。
こんな風に、非球面ズミルクスとは別の意味で、絞り開放を積極的に使いたくなるレンズである。注目されない6枚玉…私は気に入った。