ニッチツ鉱山
唐突になんでこんなページがあるのかと、不思議に思われる方もあるでしょう。
実は、自然環境に優れ、ウイスキー貯蔵に適した洞窟のようなものを探していたのですが、ニッチツ鉱山の中を案内し
ていただくことが出来て大いに感動したので、ぜひ紹介したいと思いました。
秩父市内から車で更に1時間以上走ります。途中までは道がいいのですが、やがて狭い山道になります。昔の鉱山道
というのでしょうか。
道が狭くところどころ落石もあり、乗用車でも狭いと思う道幅にもかかわらず、大型トラックが通る道です。対向車が来
ないことを祈るばかり。
午後1時ニッチツ鉱山秩父事業所に到着。
 |
鉱山内部を案内してくれたのは、ニッチツ鉱山の秩父事業所長の川平さん。20年間この事業所で働いているそうです。お忙しい中、親切丁寧にいろいろとお話を聞かせていただきありがとうございました。
通常はTVロケや雑誌の取材などの要請や、社会科見学などの依頼もあるそうですが、人数が多いので安全面からお断りになっているそうです。
|
ニッチツ鉱山は、その昔、鉄鉱石、銅や金も採掘していました。現在は、石灰石のみを採掘しているそうです。
現在は40人ほどの方が、作業に従事しているそうですが、最盛期には2000人もの人々がこの鉱山で働いていたそうです。当時は、学校、郵便局や芝居小屋、映画館などの娯楽施設もある、一大コミュニティーを形成していたとのこと。いまでも、廃校になった小学校や使われていない寮などが残っているので、当時の面影を忍ぶことはできます。
通常石灰石の採掘は、露天掘りと呼ばれる山の上部から山自体を削ってゆく方法が一般的でコストも安いそうですが、ここでは石灰石の採掘場としては、日本で唯一、坑道を掘って採掘しています。
純度の高い、食品の添加物としても使用できる高品質の石灰石が取れるため、通常の石灰石よりも高値で取引がされるため、コストのかかる坑道採掘でも採算がとれるそうです。
一日の採掘量は40トンくらいあるとのこと。
坑道採掘にした理由は二つです。
ひとつは、鉄鉱石や金などの、金属を掘り終わった後に、その先にある石灰石を掘り始めたから、掘り進んできた坑道を有効利用したということ。(金属の原石は石灰石のように山全体に渡って存在するのではなく、事前調査をして、目標めがけて掘っていく方法をとるそうです。ですから、坑道を掘るそうです。)
もうひとつの理由の方が、大きいと思いますが、ここは、奥多摩秩父国立公園内に位置しているので、山の形を変えることが出来ない、山の内部の採掘でないと許可されないそうです。
「入り口から2キロくらい歩きますが、実際見てみますか?朝、昼、夕方なら、坑内列車で奥まで行けますが、今の時間は歩きになってしまいますが。」
どうも、いままで想像していた規模を超えていることに気づく。すこし、歩くがせっかく来たのだから是非見てみたい。
そこで坑内を歩くために適した作業着に着替えて、中に入ると、徐々に気温が下がっていくのが分かる。ある程度、奥に進むと年間通じて16度くらいで一定になる。今日の外気温は、中津川で25度くらいだろうか。秩父市内は30度くらいだから、いずれにしろ、かなり涼しい。
坑内列車のレールに沿って歩く。入り口から80mほどで枝分かれする。真っ直ぐ行くと、現在は使われていない、立ち入り禁止の鉄鉱石採掘現場、右へゆるやかにカーブしている稼働中の石灰石採掘現場へつながる坑道を歩く。
足元はややぬかるんでいて、側溝を水が流れている。これは、採掘中に出てくる水で入り口からしばらくは、鉄鉱石の影響で、Ph4程度の酸性で飲用には適さないそうだ。側溝も、赤錆のような色をしている。
さらに奥に進むと、やがて石灰石の洞窟に変わる。側道を流れる水が無色透明になり、Ph7ちょっととなり、飲用に適した良い水だそうです。洞窟の一部の入り口を完全に封鎖し、そこにこの水を貯めて水道水として現場で利用しているそうです。
途中にもう使用していない側道が何本かあった。
入り口から約1.5km地点で折り返すか、ハシゴで30m上の2階に上るかたずねられる。
せっかくだから、上ってみる。約10階立ての建物をハシゴであがるようなものだ。狭い井戸の中を上るような感じだから、恐怖心も少ないが、おんなじ高さをビルの外壁を上がれといわれたらちょっと出来ないと思う。
体が重い・・・。ダイエットの必要性を感じながら、2階に到着した。
感動的である。2階は水が足元に流れていることもなく、石灰の真っ白な空間が広がる。
ところどころ横穴を掘っており、それぞれが真っ白な部屋という感じだ。ここに、ベッドと家具をおいたら、秘境のホテルツアーでも出来るのではないだろうか。
ひととおり、見学して坑道口に近いハシゴで下に降りる。
途中、石灰岩を積んだ列車をやり過ごすため、何回か、坑道部分の待避所で電車が行過ぎるのを待った。現在、2台の列車が行き来しているそうだ。
出口近くで石灰石の集積場所を見学して出口へ向かい。約1時間ちょっとかかったツアーの終了。
久しぶりに感動しました。
アメリカのシアトルにアンダーグラウンドツアーという、地下廃墟をめぐるツアーがありますが、それよりも面白かった。ある意味グランドキャニオンにいった時と同じくらいの感動かもしれない。
普通は見ることの出来ない世界を見ることが出来た一日でした。
ウイスキー貯蔵に関しての評価はこれからですが、対応くださいました、ニッチツ鉱山の皆さん本当にありがとうございました。
2004年8月17日訪問
|
ニッチツ鉱山と周辺の様子
 |
ちょっと分かりにくいですが鉱山内部の見取り図です。
上が平面図、下が側面図です。
赤いマーカーのところが、採掘後幅25メートル奥行き50メートル高さ90メートルの大空間になります。このサイズで5年分の採掘量になるそうです。 |
 |
鉱山の入り口と筆者。
着替えてヘルメットと坑内作業でおなじみのランプを装着する。
|
 |
鉱山内部。
自分のデジカメではこれが限界か?
もっと性能のいいデジカメが欲しくなった瞬間。 |
 |
140号線から中津川方面へ新しい道が開通しました。
とても立派なトンネルと整備された道を進みます。しかし、この立派な道は最初だけで、途中からの山道になり、その落差にびっくりします。
そこには、秋には美しい紅葉で有名な中津川の自然がひろがります。 |
 |
渓流釣りができる、中津川の清流。
こんなすばらしい自然が残っているんですね。
さすがは、国立公園内だと思います。 |
 |
途中に岩肌がむき出しのトンネルを通ります。短いトンネルですが、水が染み出しており、内部の湿度が高いため、霧が発生し、向こうが見えなくなることがあるそうです。 |
 |
山中には、鉱山労働者が住んでいた、住居の跡をみることができます。
昔は、2000人もの人々がこの鉱山で働いていたそうです。現在は廃墟になっている寮や学校などもある。 |
 |
大滝村と小鹿野町をつなぐ「八丁隧道」から煙が吹き出しています。
数百メートルほどの長さですが、内部の湿度が高く水蒸気が発生するようです。また、こちら側は天気がよく、反対側では霧が垂れ込めているのこともおおく、煙のような霧が勢いよく噴出します。このトンネルを進むのは勇気がいりました。 |
ページのトップへ戻る
前へ 次へ
|