実は先日取材があり、その新聞記者さんにお気に入りのバーを教えてくださ
い、といったところ紹介してもらった。なんでも新聞記者のたまり場になってい
るとか。
駅から徒歩7〜8分くらい。ロイヤルパインズホテルを目指し来ると分かりや
すい。ホテルの入り口を背に、道路の反対側の小道を入り少し先のアジトとい
う居酒屋の3階。ビル建物自体がウッディーなつくりになっている。
エレベーターは無いので、階段を3Fまで上ると、とてもシックでおしゃれな隠
れ家に出会うこととなる。店の中は、非対称なカウンターとソファーが置いてあ
り、店内の本や雑誌は自由に読んでいい。こう書くと、なんだかマンガ喫茶み
たいなところかと思われてしまうかもしれないが全然違う。むしろ非日常の寛
ぎの空間を提供してくれている。
カウンターに腰掛けると手元にクッションが着いていて両手が吸い付くような
安心感がある。
この店の雰囲気からして、一杯目は何かカクテルでも頼もうかと考えながら
店内を見回しているとマティーニの本が置いてあるのを見つけた。そこで、「マ
ティーニをください」ということになった。
今まで、ブランド゙名を指定してジンロックを頼むことは時々あるのだが、マテ
ィーニのジンを指定したことはあまり記憶にない。しかし、バーテンダーはかな
りのこだわりを持っているらしい。
目の前で真剣な面持ちでマスターがステアをしている。
ステアがなかなか終わらない。マスターの気持ちがジンとベルモットに注入さ
れているような、そんな雰囲気だ。最後にレモンの皮をピールしてその儀式が
終了する。
マティーニ初心者であることを、告げると先ほどのマティーニブックを持って
きてくれた。
ジンとベルモットを使った単純なカクテルだか、それだけにそれぞれのバー
独自のスタイルがあり、奥行きが深いのだそうだ。
マスターの秋山裕司さんは、銀座の「MORI BAR」の出身である。毛利隆雄氏
の作るマティーニが超有名な名店である。毛利さんのお弟子さんが作るマティ
ーニをこんな隠れ家で飲める浦和の人は幸せだと思う。
秋山さんのマティーニにいたく感動しつつ、次の一杯はモルトを頼むことに
する。
マスターに出してもらったモルトはアードベッグのウーガダール。トップノート
に洋梨の香りがしてスパイシー、ピーティーでソルティー。アイラモルトの面白
さを凝縮したような味わいであった。
モルトの数を誇るようなバーではないが、好きな飲み物を片手に寛ぐという
ことはとても素敵なことだと思った。
2004/10/11UP
|