船橋市の動物病院 あおぞら動物病院
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うさぎの病気 (千葉県船橋市 あおぞら動物病院)

1.うさぎの飼育について 2.足底潰瘍(ソアホック)
3.子宮腺癌 4.うさぎの毛球症
5.不正咬合(ふせいこうごう) 6.うさぎの斜頚
(特にエンセファリトゾーンについて)
7.うさぎの膿瘍(のうよう)



1.うさぎの飼育について
飼育環境
ケージ・・・最低でも、ウサギさんがリラックスして伸びをした時でも十分ゆとりがあるサイズが必要です。立ち上がった時に頭をぶつけない高さが必要です。
床材・・・スノコや牧草を敷きます。掃除がまめにできるようでしたら、牧草がベストです。金属の金網のままでは、足を挟んだり、足底潰瘍(ソアホック)の原因になります。

食事(フード)

※ウサギさんの嗜好性は幼少期に決まってしまいます。大人になると、食べなれないものに警戒心を示すようになってしまうので、偏った食事にならないよう注意してあげてください。

@牧草・・・ウサギさんの主食として、常時食べられるようにしておいてください。生後6ヶ月くらいまでの成長期には栄養価の高いアルファルファ主体の牧草を、大人になるにつれて徐々にチモシー牧草中心に切り替えていきます。ウサギさんに多い歯の異常や毛球症等の消化器疾患の良い予防になります。
Aペレット・・・もともと実験動物・家畜などのために開発されたフードで、無差別に与えると肥満や老齢での消化器疾患の原因になる可能性があります。あくまで牧草が『ごはん』で、ペレットは『おかず』と考えてください。牧草を主食とした場合、一日当たり成長期で体重1キロにつき25g、維持期で15g、4歳以上で10g以下を目安にすると良いといわれています。
B野菜・・・生後4ヶ月くらいからいろいろな野菜を副食として与えてください。
C果物・・・カロリーが高いため時々のおやつ程度に与えるだけで十分です。バナナやイチゴなどを食べられるようだと粉薬を与える際に便利です。

去勢・避妊手術について

【目的】
@攻撃性の減少。マーキング(オシッコを飛ばす)が減少。
Aトイレトレーニングが行いやすくなる。
B発情によるストレスが無くなる。
C生殖器疾患の発生予防。特にメスのウサギさんでは高率(5歳以上で50%ともいわれている)に子宮腺癌が発生することがわかっています。この為、メスのほうが短命だともいわれています。
※高齢になると、内臓疾患や体内脂肪等により手術のリスクが高くなります。できれば、1歳前後に行うことが理想的です。

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2.足底潰瘍(ソアホック・飛節びらん)


後足のびらん



後足の潰瘍


前肢のびらん


 ウサギさんをヨイショと仰向けにしてみてください。あるいは足を広げて伸びている時に足の裏を観察してみてください。
 ウサギさんの足の裏には犬猫の肉球のようなクッションがありません。代わりに豊富な毛で覆われています。
 しかし、いくつかの理由で足の裏の毛が失われると、時に命に関わる重大な病気になることがあります。
 
 足底潰瘍(別名:ソアホック、飛節びらん)とは、この足底の皮膚におこる病変です。脱毛し軽度に赤く腫れる程度から重度な潰瘍を起こし、出血や感染をおこします。骨に感染を起こしたり、それによって全身的な敗血症に陥り死にいたるケースもあります。

 ケージの底が硬すぎることが大きな要因になりますが、多くの飼主さんが木製のスノコで飼育されているのに、病気になる個体と平気な個体がいるので、床材以外の要因も悪化につながると考えられます。
 床が湿っていて不衛生だったり、ケージが狭すぎて運動不足だったり、栄養を取りすぎて肥満になることも原因として挙げられます。また、爪が伸びすぎていたり、全身的な体調不良や栄養失調でも発症の危険性が高くなります。

 治療としては、まず飼育環境の再確認です。衛生的な環境で発症したのであれば、更にクッション性を持たせる為に、牧草を敷き詰めたり、市販の休足マットを何枚かケージに使用してみるのも良いでしょう。
 併用して、ケージが狭い場合は大きめのものを用意したり、肥満のウサギさんでは、牧草を主食に出来るような食事環境で自然なダイエットを行います。
 
 非常に治療に時間がかかる病気なので、日頃から足裏のチェックを行ってあげてください。


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3.うさぎの子宮腺癌


摘出した卵巣・子宮
摘出した
卵巣・子宮


子宮腺癌
摘出した
卵巣・子宮

手術後
手術後


高齢のウサギさんで子宮腺癌が非常に多くみられます。米国の
HRSHouse Rabbit Society)の報告によると、6歳以上の雌ウサギで、実に50%以上の発生率があると報告されています(すなわち、雌ウサギさんの半分はガンで亡くなるという考えもできます)。

 発症時には、軽度な血尿しか見られないこともあり、膀胱炎の治療として抗生物質や止血剤で経過を長引かせてしまうケースも見られます。

 また、転移もしやすく、肺に転移を起こすと呼吸困難を起こし、死の転帰を迎える非常に恐ろしい病気です。

 高齢での発生が多いことから、雄のウサギさんに比べて雌のウサギさんのほうが短命だとも言われています。

 病気になってからの手術では、高齢での手術になることや全身状態の悪いことが多い為、麻酔の覚醒が悪く、出血も多くなり手術の危険性が非常に高くなる傾向があります。

 もし出産を考えないのであれば、できれば早期(8ヶ月〜1歳半くらいまで)に避妊手術(卵巣子宮全摘出術)を行うことが、最善の予防となります。


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4.うさぎの胃内毛球症



胃の中の毛球

胃の中の毛球


胃の中の毛球




毛球

摘出した毛球

毛球


 
よほどウサギ好きな方でも、「うちのウサギ、良く毛玉吐くんです。」・・・ということは聞いたことが無いと思います。
 ウサギさんは胃の解剖的構造により嘔吐ができない動物です。それにもかかわらず、ウサギさんはきれい好きなので猫同様よく毛繕いをします。春・秋の大換毛期には、相当量の体毛が抜け換わります。
 その際に飲み込んだ体毛はどこに行ってしまうのでしょう?
 通常、体調に問題が無く飲み込む量も少なければ便とともに排泄されます。時々、毛に連なった便を見ることがありますよね。
 なんらかのストレスや皮膚病によって取り込む毛の量が多くなった場合、そして胃腸の蠕動運動が低下した場合に胃の中に毛玉が形成されます。猫ちゃんは容易に嘔吐を誘発できる動物なので、胃の中に貯まった毛玉を嘔吐して排出することができますが、ウサギさんは嘔吐できないため、飼い主さんの発見が遅れることが多々あります。
 はじめは食欲不振として現れることがほとんどですが、気付くのが遅ければ徐々に衰弱し、死亡することもあります。

 診断は、症状や経過の問診、レントゲンやバリウム造影、触診で胃の中の内容物を確認できる場合もあります。

 治療はまず内科療法から行います。脱水などの全身状態の悪化を改善するための皮下点滴、胃腸の運動を促進する薬物、毛球を胃から排泄させる毛球症治療ペースト、食欲刺激剤、毛を溶かす作用がある蛋白分解酵素剤、そして胃腸運動を刺激するためにウサギ専用の高繊維流動食の強制給餌など積極的な治療を行います。

 パイナップルやパパイヤなどにも蛋白分解酵素が含まれているため、ウサギ用オヤツとしてペットショップにもいろいろなサプリメントを見かけるようになりました。
 実際には、それらのものが本当に効果があるのかどうかは、はっきりとした研究結果が無いようです。
 
 軽症なものは3〜5日程度の内科療法で改善が見られますが、中には完全な閉塞によって、外科手術が必要になるケースもあります。
 しかし、草食動物は手術や入院等のストレスに弱く、手術後の回復に非常に時間がかかる場合が多いため、どうしても内科的に治療できないと判断した場合だけ行うようにしています。

 歯科疾患とともに非常に多い病気ですので、日頃からの予防が最重要です。
 日頃から牧草などの繊維が多い食事を与え、適度な運動とまめなブラッシングを行うことが良い予防になるでしょう。


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5.うさぎの不正咬合(ふせいこうごう)

ウサギの診察

奥歯の検査



ウサギの不正咬合

切歯の不正咬合


ウサギの不正咬合

臼歯の不正咬合


抜歯した臼歯

抜歯した臼歯


 
ウサギといえば誰でも思いつくのは長い耳と赤い目、長い前歯でしょうか。
 ウサギさんのチャームポイントである立派な歯ですが、実は非常に病気になりやすい器官なのです。
 
 ウサギには上下あわせて合計28本の歯があります。全てが生涯にわたって伸び続ける常生歯です。
 特に、前歯(切歯
)は1週間で3mmも伸びるので、異常が生じるとあっという間に伸びてしまいます。
 また、気づきにくいのですが、奥歯(臼歯)が伸びてしまうと、頬や舌を傷つけ食事が取れなくなってしまいます。
 これらの歯の異常な咬み合わせから生じる病気を不正咬合といいます。放置すればするほど様々な合併症(膿瘍、鼻涙管障害、胃腸停滞など)を引き起こす非常に怖い病気です。
 
 原因には切歯の場合、遺伝性(ロップイヤーで多い)や外傷性(ケージをかじったり、顔面の打撲)が多く、臼歯では遺伝性(ドワーフ系の小型ウサギで多い)の他に、食事が多く関係していると考えられている。特に、繊維分の少ないペレットや野菜、おやつを多給することは臼歯のすり潰し運動が減り、正常な歯の磨耗が妨げられると考えられています。
 一度異常な方向に伸びてしまった歯は、自然に矯正されることは稀で、固いものを食べなくなったとか、食事に興味はあるのに食べないとか、口の周りがいつも唾液で濡れているとか、そのような形で飼い主さんに発見されるますが、動物病院に来院したときには、生涯にわたっての治療が必要となってしまうケースが多く見られます。

 診断は、ウサギさんの診療に慣れた先生であれば、注意して口の中を覗けば殆ど発見することができます。

 治療は、切歯の場合、おとなしい子であれば、専用の切歯カッターで簡単にカットすることができます。押さえられるのを嫌がるウサギさんでは鎮静処置が必要になる場合があります。
 臼歯では通常全身麻酔が必要になります。ウサギさんのお口は非常に小さいため、奥歯を削るには大きく口を開く必要があるからです。
 
 幸い、口の中の痛みや伸びた切歯の煩わしさから開放されたウサギさんの多くは以前にも増して良く食べるようになります。きっと、よほどお腹を空かせていたのでしょう。

 牧草を主食に与えたり、繊維分の多い良質のペレットを選んだり、ストレスをためてケージを咬んだりしないように予防をすることが重要です。
 一度、かかりつけの動物病院で口の中をチェックしてもらってみてはいかがでしょう。


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6.ウサギの斜頚(特にエンセファリトゾーンについて)




ウサギの斜頚 エンセファリトゾーン

斜頚その1





ウサギの斜頚 エンセファリトゾーン

斜頚その2





フェンベンダゾール

フェンベンダゾール




 
うさぎさんでは比較的多くみられる症状に斜頚(しゃけい)というものがあります。
 ある日突然、頭がどちらかの方向に傾き、眼球振盪(目が一定方向に揺れ動く)、まっすぐ立てなくなり転がるといった症状が現れます。
 ウサギさんの斜頚の原因として、@エンセファリトゾーン(原虫の一種)Aパスツレラ菌などによる内耳の異常B脳腫瘍などの神経疾患が考えられます。
 近年報告された情報(インターズー VEC23号より)では無症状のウサギさん196頭を含めた337頭の内エンセファリトゾーンの陽性率は6割以上であったと報告されています。無症状ですが、感染経験のあるウサギさんが非常に多いことに驚かされます。
 数年前より国内機関でこのエンセファリトゾーンの抗体検査を行えるような環境が整いました。
 しかし、結果が出るまでに数日間を要すことと、無症状でも高い陽性率がみられる為、確定診断ではなく参考程度の検査になる場合もみられます。
 当院でも、当初この検査を行っていましたが、上記の理由から希望される飼主様に対してのみ行うようになりました。
 治療としては、抗生物質ではなくフェンベンダゾール(ウサギに詳しい病院にしか在庫が無いかもしれません)という駆虫薬を長期(通常1ヶ月)に渡り内服します。しかし、仮診断の上での投薬なので、パスツレラ菌などの細菌感染の可能性も考慮し抗生物質の投薬も2週間程度併用します。
 神経の保護のためにステロイド剤を使用するケースもありますが、細菌感染を悪化させる可能性があるので、最初から処方することは当院ではあまりありません。
 一番大事なことは、薬の効果が現れるまで(2週間以上かかる場合があります。)、食餌を自分で取れない場合は飼主さんの手厚い看護が必要となります。
 この病気で命を落とすことがあるとすれば、食事を摂れない事による栄養不良によるものが多いと思われます。
 自分で食べてくれるようになるまでは、場合により流動食を自宅で与えてもらう必要が出てきます。
 神経の病気ですので、数日で改善するケースはあまりありません。なかなか良くならないウサギさんを前に、本当にこの治療で良いのか葛藤される飼主さんも沢山おります。
 スタッフ一同、飼主さんの手助けをできる限りいたしますので、些細なことでも遠慮なくご相談下さい。

 


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7.うさぎの膿瘍(のうよう)



うさぎの膿瘍

下顎の膿瘍





うさぎの膿瘍

摘出した膿瘍




うさぎの膿瘍

膿瘍の内容物


 
うさぎさんのアゴの付近がだんだん腫れてきたら要注意です。ウサギに非常に多い膿瘍(のうよう)の可能性があります。
 膿瘍とは
細菌感染により発生した膿を蓄えた空洞のことを言います。
 
 通常、うさぎさん以外の動物では膿瘍を切開して膿を洗い流し、抗生物質を投薬すれば間もなく完治させることが可能です。
 しかし、うさぎさんの膿瘍ではこの方法ではまず完治は望めません。恐らく次に病院にかかる時にはもっと悪化した状態で再診することになるでしょう。非常に厄介な病気です。
 
 なぜ、うさぎさんだけこのように治りにくいのでしょうか?まず、うさぎの膿が非常に濃く固いこと(クリームチーズや練りハミガキ状)、膿瘍の袋が非常に丈夫なこと、ウサギさんが細菌感染に弱いことがあげられます。
 特に、顎にできた膿瘍は歯の感染が原因のことが多く、口の中から顎の骨を通して皮膚の下までトンネルがあるため、ウサギ専門病院の獣医師でも9割は治らないと伝えるほど治療が困難な病気です。
 
 姑息的に皮膚を切開して排膿、消毒を行うだけでは完治どころか痛い思いをさせた上に悪化させることにもなります。
 治療の原則は、原因となっている臼歯の抜歯、徹底的な洗浄消毒、完全な膿瘍組織の摘出です。
 しかし、麻酔下でこのような処置を3回4回と繰り返しても治らないケースも見られます。高齢の為、麻酔をかけての大きな手術が行えない場合もあります。
 当院も所属しているエキゾチックペット研究会の先生方も様々に試行錯誤しながらどうにかこの難病を治そうと努力しています。
 
 当院では、ウサギさんの年齢や膿瘍の重症度、飼主さんの治療への理解を総合的に判断した上で、治療方法を検討しています。
 一日でも早く快適な生活をおくれる様、スタッフ一同ご協力したいと思いますのでお気軽にご相談下さい。
 




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