<ある日の碇家でのこと・・・・・>
「シンちゃーん,ちょっと手伝って.」
「はーい」
「この納豆,かき混ぜてくれる?」
「うん!」
おかーさんのおてつだい.
なっとうをかきまぜるんだ.
ずっとまえ,おかーさんがかきまぜているのをみてたら
「シンちゃん,やってみる?」
といってくれたんだ.
いまはぼくのおしごと.
みぎてをぐーにしてはしをもつ.
うつわをひだりてでしっかりおさえなくちゃ.
まえにねばねばでひっくりかえしちゃってたいへんだったもん.
ちからをいれてぐるぐるかきまわす.
ちゃいろのまめからしろいいとがひいてくる.
どうしてだろう?いつみてもふしぎ.
おかーさんは,いとがひけばひくほどおいしいのよ.といってた.
おとーさんは,あみのさんがどーのっていってたけど,わからない.
おとーさん,おかーさんにややこしいこといわないでっておこられてた.
ねばねばがつよくなってまっしろになってく.
「ねばねばひいたよー.」
「はい.お醤油,入れるわね.シンちゃん.」
おかーさん,ねぎとしょーゆとからしをいれてくれた.
ぼく,いれたいんだけどおかーさんはおおきくなってからねってやらせてくれない.
はやくおおきくなりたいな.
それからまたなっとうをかきまぜる.
さいしょからいれてまぜるより,いとひいてからまぜたほうがおいしいんだって.
よくわからない.でも,おかーさんがいうんだからそうだとおもう.
(ぴんぽーん)
「シンジ!」
「あ.アスカ.」
「いらっしゃい.アスカちゃん.」
「こんにちは!おばさま!おじゃましまーす.」
おとなりのアスカ.ぼくとだいのなかよし.ぼくが,あかちゃんのころからいっしょなんだ.
きょうはアスカといっしょにたべるんだ.
「なにやってたの?シンジ.」
「なっとう,かきまぜてたんだ.」
「なっとう?なにそれ?」
アスカ,なっとうしらないんだ.おしえてあげよっと.
「うんとね,これ.」
「なにこれえ〜なんかきもちわるい〜.」
「これ,おいしんだよ〜アスカぁ.」
「ふ〜ん・・・」
アスカ,なんかいいかおしてない.おいしいのになあ.
あ.かきまぜなくちゃ.ぐちゅぐちゅ.ちからをいれて.ぐちゅぐちゅ.
よくかきまぜればかきまぜるほどおいしいんだ.
「できたよ〜.」
「はーい.ありがとう.シンちゃん.」
かきまぜるのおわったからおかーさんにおしえてあげる.
おかーさんに“ありがとう”っていわれるととてもうれしい.
「・・・それじゃ,食事にしましょ.席に座ってシンジ.アスカちゃん.」
「「はーい」」
ぼくとおかーさんとアスカのしょくじ.
ごはんとみそしるとたまごやき.にものとそしてぼくがかきまぜたなっとう.
ぼくんちは “わしょくちゅうしん” なんだあ.
「「「いただきまーす」」」
いただきますして,ごはんのうえになっとうをおかーさんにかけてもらう.
アスカがぼくのおちゃわんみてる.
「シンジぃ〜」
「なに?アスカ?」
「それ,なんかにおわない?」
「そうかな?」
「やっぱり,それだわ.アタシ,それたべないからね.」
「え〜アスカぁ〜!?たべないのぉ〜?」
「アタシ,おばさまのたまごやきでごはんたべるからねっ.」
「くわずぎらいはよくないんだよぉ〜.」
「なによ!?シンジ!なまいきよっ.」
そりゃ,おかーさんのたまごやき,おいしいけどさあ.
がっかり.なっとうもおいしいのに.いじいじ.
・・・ごはん,たべよっと.
・
・
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「シンジ.」
「なに?アスカ.」
「・・・ちょっとだけならたべてもいいわよ.」
「ほんとう?」
「ちょっとだけだからね.あじみよ.あ・じ・み.」
「うん!」
「おばさま!すこしだけちょうだい.」
「はい.アスカちゃん.」
おかーさんがアスカのおちゃわんになっとうをかけてる.
アスカ,こわいかおしてる.そんなかおしなくてもいいのになあ.
なっとうのつぶをじっとみてる.
「ちょっとじろじろみないでよね!シンジ!」
「・・・ごめん.アスカ.」
おこられちゃった.
「いただきまーす」
ひだりてのおちゃわんにはしをのばして,アスカ,ごはんとたべようとしてる.
「なんかぬるぬるしてて,たべづらいわね・・・(ぱくっ)」
アスカ,くちをもぐもぐさせてる.
おいしいよね?アスカ?
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「・・・ま.わるくはないわね.おばさま.もうすこしちょうだい.」
「アスカ・・・」
「あじみよ,あじみ.あじみなんだからね!シンジ.」
「・・・うん.アスカ.」
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アスカ,なっとう,たべてくれた.なんかうれしいなあ.
(おしまい)