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サイレントヒル (silent hill)  
これほど映画化を待ち焦がれていたのはディック作品以外には なかったかもしれない。
「遊星からの物体X」もめでたくリメイクされるというし
…映画化を待ち焦がれていたと云えば聞こえは良いけど、正しく はDVD化を待ち望んでいたのである。
この手の映画で劇場にまで足を運ぶのは「エイリアン」シリーズ だけであり、目を閉じ耳を塞ぎ、結局は鑑賞できずに出てきてし まう自分のような怖いもの観たさなのに臆病者にとっては、あり がたいDVD化である。大抵はレンタルなのだが、これは特典デ ィスク付き限定盤を予約して発売日にゲット!
 
これだけでもう客観的にこの作品を表するのは不可能だったりす るのだが、サイレントヒルは現在まで4作がリリースされている ゲームで、そのシリーズは特に関連性などはないのだが、舞台 設定ややダークな精神世界観は統一されていて、クリアしたとこ ろで残るのは、この世界から抜け出られたという安堵感と共に、 なんとも云えない虚脱感、遣る瀬無さだけである。感動?達成 感?など無縁の世界だったりする。
 
映像的にもゲームの世界を…例えば、引きちぎられたように寸 断された道路や建物、その室内に至るまで忠実に再現している ばかりか、特定のアングルまでゲームの画面と一緒だったりす る。ゲームの体験者を思わずニヤリとさせ…否、あの時の悪夢 が蘇ってドキリとさせ…るような、ちょっとした拘りも嬉しい。
クリーチャー達は多少ちゃちぃ感があったりで、存在感が今ひと つのものも少しあるが、全体にクオリティが高く、三角頭は素晴 らしい出来栄えだと思う。どのクリーチャーも原作に忠実に再現 されているのが嬉しい限りだ。
ストーリーや舞台設定は処女作である「サイレントヒル」に準じて はいるが、既存の街並やストーリーを踏まえながらやはり映画 独自のストーリとなっている。主人公は女性に、そしてその後の シリーズで登場するキャラクターやクリーチャーも相俟って、申し 分ないサイレントヒル・ワールドが拡がっている。誰だってこんな 世界に入り込みたくはないだろう。

ゲーム中はマップと首っ丈で進路を探し、アイティムをゲットした り、クリーチャーと戦い、或いは逃げ、隠れしたりしながら先へ進 めていくのが精一杯で、ゲームに織り込まれた様々な情報や複 線が紡ぎだすストーリー性にはなかなか気が付かないものであ る。多少不条理でも次のステージへ行ければOKみたいな感じ で、そのゲームの物語性を等閑(なおざり)にしてしまいがちで ある。
この作品を見ると、ゲーム中に展開されたいくつかのエピソード がより具体的に判るようになり、是非tも全シリーズを最初から、 丁寧に筋を追いながらリトライしてみたくなった。
 
事前に映画化にあたっての原作本を読んでいたので、結末は分 かっていたが、余りのどんでん返しに、本当に救い難い気持ちに なる。悲しくて泪が出そうだった。世界は非情で不条理なもの だ。例えそれが裏の世界であり、現実とは別な世界だとしても …この報われなさに泣きたい気持ちで一杯になる。
2006.11.22. by uk
監督:ピーター・ハイアムズ
製作:ハワード・ボールドウィン
脚本:トーマス・ディーン・ドネリー/ジョシュア・オッペンハイマー 原作:レイ・ブラッドベリ
撮影:ピーター・ハイアムズ 美術:キイス・ペイン 衣装:エステル・ワルツ
出演:エドワード・バーンズ/キャサリン・マコーマック/ベン・キングズレー
    ジェミマ・ルーパー/デビッド・オイェロウォ/コーリイ・ジョンソン

監督:クリストフ・ガンズ
製作:サミュエル・ハディダ/ドン・カーモディ
脚本:ロジャー・エイヴァリー ・ 撮影:ダン・ローストセン
美術:キャロル・スピアー ・ 音楽:ジェフ・ダナ ・ 衣装:ウェンディ・パートリッジ
出演:ラダ・ミッチェル/ショーン・ビーン/ローリー・ホールデン/デボラ・カーラ・アンガー
    キム・コーツ/タニヤ・アレン/アリス・クリーグ/ジョデル・フェルランド