FOTOGRAFIA y BELLAS ARTES


4月5日 マデイラ島にて、他

3月末、上京という言葉が良く似合う上野へ直行。
プラド美術館展の開催が始まった国立西洋美術館へ行く。
上野のお山の桜には目もくれず、美術館へ一直線。
混雑を覚悟して、開館とほぼ同時の入場であったが、
意外にも、なんとかゆっくり見られる位の混み様。
ベラスケス、ゴヤ、エルグレコ(これってスゴイ芸名で、スペイン語でギリシャ人
という意味、実際彼はテオドル???なんちゃらみたいな名のギリシャ人)
といった巨匠の作品をはじめとするスペイン宮廷美術の粋を集めたこの展覧会は
やはり要チェックだ。

プラド美術館には2度程いったことがある。スペインの首都マドリードに
あるのだが、最大級の美術館にありがちな「もういっぱいいっぱいです!」
といった感が見終わった後に襲い掛かって来る為、その中のいくつかを
選んで持ってきているこの企画展はその点非常に有り難い。

しかし、やはり私が好きなのはルネッサンス前後、ましてやそのもっと前の
絵画ではなく、19世紀から20世紀前半にかけてのものなのだと再認識もした。
プラドのメインディッシュは、やはり宮廷美術であり、描き込んで
描き込んで、そこに直感とか閃きといったものを感じ取りにくいものが多い。
この企画展の後、国立西洋の常設展に入った。
ガランとした館内にはたくさんの松方コレクションが展示されており
これがなかなか良かった。



さて、お次はいつものPGI
母を連れてきたのは初めてだ。私は今まで一体何度此処へ足を運んだのだろう・・・
今回の企画展は、大西洋に浮かぶポルトガル領の島、マデイラでのものだった。
まさに南欧といった石の陰影や、芸術的な色のグラデーションを持った屋根瓦、
紺碧の海。

鮮やかなカラーで捉えられた植物、船、海・・・の風景と、
海へと飛び込んで行く少年達のその肢体の輪郭がおもしろい様に踊っている黒白。
古ぼけた店先のショーウィンドウ・・・

南の太陽とそれが作る色濃い影が恋しくなった。

南、それは多分私にとって憧れの詰まった船の舳先


12月3日 師走の週末


ああ、繊細なBlack & White。
形なき水の静けさや、ささやかな抵抗

時に風の動きに敏感に反応しサワサワとざわめき
時に光を映し煌き
時に光なき木々の陰を吸い込む

水の様相はまるで時間軸と別の次元に存在しているかのようだ。
限りなく自由であり、限りなく制限される。


おお、力強きBlack & White。

人の営みは、
人の感情は、
人々の文化は

その表層にしっかりと表出する。
面の皮、瞳、そこに宿る光
それを真っ向から捉える
そんな目を以って切られたシャッター
見知らぬ国の、見知った国の、
見知らぬ造作の所作の、見知った造作の所作の、
顔から、ジェスチャーから見えるたくさんのもの


静の、動の、二つの側面から見た美しきもの溢れる世界



*繊細な・・・の方は、7月に書いたPGIで始まったばかりの企画展
 清家 冨夫(セイケ トミオ)氏の「WATERSCAPE」です。
 他に彼の撮ったパリのやはり黒白も数点ありました。
 光沢のない印画紙にプリントされたそれらはこの季節にピッタリの
 洗練されたひそやかな美しさを醸し出していました。
 JR田町駅から徒歩10分位、入場は無料ですし、12月20日までやっていますので、
 是非お出かけになってみて下さい。
 以前は土曜休だったのですが、現在は日曜祝日のみ休館となっております。
 
 再々になりますが、アドレスはこちら→ http://www.pgi.ac/gallery/gallery.html


*力強き・・・の方は、フォスコ・マライーニというイタリアの著名な文化人類学者の写真展です。
 ”イル・ミラモンドーレンズの向こうの世界”というもので芸術写真であり且つ彼の多大なる
 好奇心と研究の一端を垣間見れる興味深い展覧会でした。
 テーマ毎に構成されているので、点数はかなりあるものの雑然とした感じはありません。
 文化人類学者としての彼の著作を読みたくなりました。
 残念ながらもうこの企画展は終了しますが、催された東京都写真美術館は
 恵比寿ガーデンプレイス内にあり、今の時期はフランスのバカラ社製のツリーや、
 ニコライ2世の燭台などをクリスマスイルミネーションと共に見ることができ、
 特にカップルの方々にはお勧めの場所です。

 写真がお好きな方は是非、企画展をチェックしてガーデンプレイス散策がてら写真美術館にも
 立ち寄られてみては如何でしょうか?

 東京都写真美術館 → http://www.tokyo-photo-museum.or.jp/html/exhibition.htm


7月31日  

地球の皺、打ち寄せるまたは去りゆく波
エドワード・ウェストンはそんなサマを
そんな悠久の様を一瞬に写し取る天才

パリの街角をロマンティックに撮らせたら
ブラッサイ

アメリカのこれぞ大自然という雄雄しき森や岩の
ブラック&ホワイトを撮るのは、温かな風貌の
アンセル・アダムス

心の中を覗き込まれるような創造の奇才
ルーカス・サマラス

そして、私を写真の世界へ最初に引き込んだのは
ハンガリー生まれのロバート・キャパ
彼のその独特のダンディズムと不屈の精神と
潔い生き方には、人間の強さと尊さを教えられた
気さえする


* 真面目にカメラマンへの道を進もうとした時期があった。
  多感な頃で、とにかく自分の感動を表現したかった。
  人を感動させる何かを自分の手で作りたかった。
  "絵"が描きたくて描けなかった。
  全身で叫びたいのに、身体はしなやかな動きを拒んだ。
  音楽を創出しようともその泉もなく、
  思い立ったのはシャッターを押すという行為。
  が、・・・結局残ったのは、人が創出したものから感動を享受するという趣味。


  以前勤めていた会社はインターナショナルな所で、本業の他に日本初の写真専門
  ギャラリーを持ったりなどしておりました。
  ギャラリーは非常に質の高いオリジナルプリントを多数所蔵しており、
  企画展が変わる度毎に楽しみに出かけておりました。
  絹ごし豆腐のようななめらかで高品質な現像のオリジナルプリントの展示された
  空間はまるで大きな玉手箱のようでした。
  今でも年に数回の企画展のお知らせレターが私の元へ届きます。

  PGI(フォトギャラリーインターナショナル)という所で、昔は虎ノ門にありましたが、
  今は芝浦にございます。お好きな方は是非足をお運び下さいませ。
                           http://www.pgi.ac/gallery/gallery.html


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