吾輩は黒猫だもん 吾輩は黒猫である。名前は龍之介である。 どこで生れたか。。。。。。。。。新小岩。 半野良の集まるとあるお家でニャーニャー泣いて居た事丈は記憶して居る。 吾輩はここで始めて人間といふものを見た。然もあとで聞くとそれは箱の中に入れられて。 とある女性から女性へ渡せれて そうこれが我輩のご主人様との出会いである。 我輩のたどり着いた家には。。。。。ちょっとお化けが。気持ち悪いくらいガタガタゆれる所だ。 ここで紹介しておくが我輩より二ヶ月年上のおねぇちゃんが居る 寂しがり屋のシスティであるここでは紹介は前略・中略・後略・・・・・? うちのご主人夫婦を見ねえ丸で満月と三日月だぜ。ハッハッハッハァー! システィの側に居ると御馳走が食へると見えるね。 何にお-れなんざどこの國へ行つたつて食ひ物に不自由はしねえ積りだ。この身をみせてやりてぇ〜くりゃいだ。 吾輩の主人は朝早く帰りの遅い。職業は自称職人ださうだ。現場から歸ると終日書齋に這入つたぎり殆んど出て來る事がない。 家のものは大變な勉強家だと思つて居る。極一部のものだけが。 當人も勉強家であるかの如く見せて居るだけ。然し實際はうちのものがいふ樣な勤勉家ではない。 吾輩は時々忍び足に彼の書齋を覗いて見るが彼はよく電脳いじりをして居る事がある。 文打板に涎をたらして居る。彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色を帶びて彈力のない不活溌な徴候をあらはして居る。 其癖に大飯を食ふ。大飯を食つた後で「イチョウ薬」を飮む。飮んだ後で電脳面を見る。 数分すると眠くなる。涎を文打板の上へ垂らす。是が彼の毎夜繰り返す日課である。 吾輩は猫ながら時々考へる事がある。職人といふものは實に樂なものだ。 技の達人となるに限る。こんなに寐て居て勤まるものなら猫にでも出來ぬ事はないと。 猫の手は貸したくない・・・・・ 暇があると場所かまわず屁を垂れ流す。 吾輩は此家へ住み込んだ當時は主人以外のものには甚だ不人望であつた。 どこへ行つても跳ね付けられて相手にしてくれ手がなかつた。 如何に珍重されなかつたかは。。。。。 おねぇちゃんとは違い綱でつながれ押入れに閉じ込められた。 しかし押入れの中も心地好い所であることはいうまでもない。 我輩は仕方がないから出來得る限り我輩を入れてくれた主人の傍に居る事をつとめた。朝主人がてれびを見るときは必ず彼の膝の上に乘る。 彼が糞をするときは必ず其足元に。是はあながち主人が好きといふ譯ではないが別に構ひ手がなかつたから已を得んのである。其後色々經驗の上朝は飯櫃の上夜は炬燵の上天氣のよい晝は椽側へ寐る事とした。 然し一番心持の好いのは夜に入つてこゝのうちの奥様の寐床へもぐり込んで一所にねる事である。 世間の小供といふのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入つて一間へ寐る。余はいつでもヤツ等の中間に己れを容るべき餘地を見出してどうにかこうにか割り込むのである。 時には奥様のあぁっ!あぁっ!と夜中なのに大きな聲で寝言を。。。。。 すると神經胃弱性のヤツは必ず眼をさます。そして何事もなかったかのように屁を垂らしてスヤスヤと眠りにつく。 我輩は人間と同居してヤツ等を觀察すればする程ヤツ等は我儘なものだと斷言せざるを得ない樣になつた。殊に吾輩が時々同衾するヤツの如きに至つては言語同斷である。自分の勝手な時は人を逆さにしたり。頭へ袋をかぶせたり。抛り出したり、へ-つ-つ-いの中へ押し込んだりする。而も我輩の方で少しでも手出しを仕樣ものなら家内總がゝりで追ひ廻して迫害を加へる。 此間も一寸疊で爪を磨いだら大奥様が非常に怒つてそれから容易に座敷へ入れない。自業自得なのだが。多めに見てほしい。。。我輩は我輩は猫だもん! ヤツは毎日現場へ行く。歸ると書齋へ立て籠る。来る日も来る日も体のあちらこちらが痛いという。貯金も一向に貯まらない。健康のためのお散歩も功能がないとかいつてやめて仕舞た。それでも感心に休まないで現場へかよふ。歸ると丸い丸いと吾輩の腹を触る。 吾輩は御馳走も食べ別腹にもシスティの飯を流し込み肥り気味?太っているが先々健康に。其日其日を暮して居る。一様去勢は強制的にやられた 名前は龍之介しかし呼ばれるのはリュウ。ちゃんと呼べと欲をいつても際限がないから生涯此馬鹿家で黒猫は黒猫らしく真っ黒の利にままに。 リュウと呼び捨てのまま終る積りだ。 しかし 爪磨ぎをしても猫じゃらしに反応しても魚に肉に敏感でも 許してい だって我輩は黒猫だもん! 名前は龍之介である 誰がなんと言っても 我輩は猫である
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