はじめに
伊豆大島火山は百数十年ごとに大規模な噴火を繰り返している活火山で1986年の大噴火も記憶に新しいところです。この火山は世界でも最も噴火史がわかっている火山のひとつであるうえに、新鮮な露頭も数多くあるため、火山研究の方法を理解するうえで大変よいフィールドです。今回は伊豆大島の地形やいくつかの代表的な露頭をみてまわることで、堆積物から噴火の様子や、噴火史を読みとるにはどうしたらよいのか、考えていけるようコースを作りました。
伊豆大島火山の地理概要
伊豆大島火山の行政的な名称は東京都大島町です。大島町の人口は9693人(平成7年国勢調査)です。伊豆大島は伊豆諸島の最も北に位置し、伊豆諸島最大の島です。島内の最高地点は764メートルの三原新山です。島は北北西−南南東方向にのびており、長径は約15キロメートル、短径は約9キロメートルです。
伊豆大島火山の地質概要
基盤:伊豆大島の基盤は中新世の湯ヶ島層群相当の変質火山岩であることが噴出物中の異質岩片や、周辺海域の調査で推定されています。
古い火山:大島の大部分は大島火山でできているが島の北や東の海岸にはそれより古い、岡田、行者窟(ぎょうじゃのいわや)、筆島の3火山が露出しています。これらは数十万−十数万年前頃に生成した陸上の成層火山です。この巡検では筆島を見学します。
大島火山:大島火山は前項の火山を覆って数万年前頃から活動を開始した新しい成層火山で、先カルデラ成層火山、カルデラ形成期、後カルデラ期に区分されている。先カルデラ成層火山は岩相の違いからさらに古期山体と、新期山体にわけられています。古期山体はマグマと海水との接触によってできたような爆発的噴火の噴出物がおもで、新期山体は溶岩、スパターなどの比較的穏やかな噴火の噴出物です。新期山体は約100の噴火が認識されていますが、この一部をこの巡検でも見学します。
カルデラ形成期:約1500年前に起こった爆発的噴火の直後に山頂付近の南西部が、その後100年−200年後に起こった爆発的噴火の直後に、山頂付近の北西部が陥没し現在のまゆ型のカルデラができたと考えられています。このときの噴出物はこの巡検で詳しく見学します。
後カルデラ期:カルデラの形成後の大規模な噴火は島内の地質調査と、古記録、考古学的遺物を対照することでかなり詳しく明らかになっています。これらは表にまとめてあります。一部はこの巡検で詳しく見学します。
伊豆大島火山へのアクセス
東京港、横浜港、熱海港などからの船のアクセス、ならびに羽田空港、調布飛行場などからの空のアクセスがあります。もっとも一般的なのは船のアクセスで東京港または横浜港を深夜に出発し伊豆大島に早朝に着くというものです。でも、これは体力が衰えてくるとちょっとげんなりしてきます。飛行機はラクチンですがかなり高額な上欠航する場合が多々あります。わたしがもっともおすすめしたいのは熱海港から高速船で1時間というものです。詳しくは東海汽船、エアーニッポンのホームページをご覧ください。