[§1]ビルマ入国Words,sketch and photo by Y.Watanabe(R) |
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ヤンゴン着陸 大地は、見渡すかぎりの赤土だった。 ビルマは暑期だった。 ランウェイにソロソロと近づいてくるオレンジ色のバスには、どこか見覚えがあった。気のせいではない。「自動ドア」という文字、「次、停まります」のボタンもそのまま、これはまぎれもなく東武バスである。日本の中古バスがそのまま現役で使われているのである。 大半が西洋人の乗客達は、その巨躯を小柄な日本仕様のバス席に静めると、間もなく誰もが汗をかきだした。冷房は動いていない。バスが動き出すことで窓から入ってくるであろう微かな風を、誰もが無言で待っている。
謙虚になる旅人たち 天井の高いターミナルビルの1階で、入国審査に進むが、これが遅々として進まない。四つのカウンターにそれぞれ20〜25人ほどが列をつくっている。若い係官が二人ずつ付き、作業をしている。いずれも手を止めているのではないのだが、どういうわけか時間がかかる。一人5分程か。日本人を含めた西洋人から見るとどうしてこんなに効率の悪いことをしているのか、といいたいところだが、もちろん誰もが黙っている。 |
(※1)国名にはビルマを用いて、都市名にはヤンゴンを用いることについては以下の理由によります。 |
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入国審査に時間がかかる、といえば、ロシアもまた「悪名高い」ところだった。 ビルマの入国は事情は少し複雑だ。 それはこの国が軍事政権下にあることに起因する。今も、NLD(国民民主連盟)を支持する人びとは、ビルマへの観光旅行自体を批判している。入国時に強制的に両替させられる200ドル(これを200単位の兌換券=FECに替えさせられる)が、政府の武器の購入に使われているとの話も聞く。 ぼくのパスポートを繰っているこの少女のようなイミグレ職員たちも、やはり軍政に連なる人びとなんだろうか、などを考える(後日、ビルマの僧侶から「空港職員たちはごく普通の公務員と思っていい」との話を聞いたが)。 そうか、これは礼儀のようなものなんだ。 数日後、ゲストハウスの衛星テレビは、イラクの首都に到達した米英軍兵士の勝ち誇った姿を報じていた。 |
(※2)モスクワの国際空港。国内線およひCIS諸国用の「シェレメチェヴォ1」と、国際線用の「シェレメチェヴォ2」からなる。アエロフロート・ロシア国際航空を利用して欧州方面に飛ぶ場合、この空港に隣接するホテルでトランジット宿泊することが多い。 |