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映画祭で有名なカンヌの港からほど近い海上に、シトー派修道院が所有する島があると知りフェリーに乗った。
ミ船上にて |
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周囲4KMほどのこのSaint-Honorat島に建つ、Abbaye de Lerins(レラン修道院)に入ると、ちょうどミサが始まるところだった。今日は日曜だったのだ。 簡素な服に身を纏った修道士たちの荘厳な声明(しょうみょう)は、石のボールト天井にも反響して幻想的な時空を作り出す。トライスラーから刺し入る外光の下で、香を焚いた微かな煙が満ちていく。老人や幼な児の列が立ち上がる狭間で、身重の女性がひとり信徒席で一心に祈り続けていた。
ミAbbaye de Lerins |
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フランス最後の日没は、カンヌの港の丘の背景に紫色のグラデーションを残して消えた。 実はこの街の駅で2枚のスケッチを忘れてきた。空港から駅事務室に電話をかけたりしたがダメだった。トノラ島とカンヌの風景を描いたものだったが、一筆づつの色のタッチまでが思い出される気がする。今ごろは、誰かが拾ってくれているだろうか……。
ミ夕暮れのカンヌ |
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