
外に開かれた住まいを
ラワンの板張りだった外壁は、今回焼杉板と漆喰塗りとした。また、上の写真の通り道路側に窓がなかったので、今回三つの木製建具と、船舶用船窓をつけてアクセントとした。上部のはね上げ五連窓は、暗かった玄関や父の書斎に光を導くための装置だが、それにも増して夕刻に光が外に漏れる効果が大きかった。こういう形で「外に開かれた住まい」をつくることもできる。
中古で購入した後、ある時期に玄関(位置は変わらず)にアルミサッシの引違い戸が取り付けられていた。今回これを木製格子戸に変えた。一般的な縦格子でなく、横格子にすることで純粋和風からの距離を置いた。正面の珪藻土壁には、サハラと黄河(壺口瀑布)で採取した砂が吹き付けてある。
セルフビルドと無垢のキッチン
内部の塗装と 左官作業はすべてセルフビルドで行った。珪藻土・シラス火山灰・石灰クリーム、リボスオイル・蜂蜜ワックス・柿渋などを使用している。右上ははね上げて五連窓をつけたロフト部分。ここの床は杉の無垢の厚板。キズつきやすいが、夏涼しく冬暖かい理想的な床材。
家には「中心」が必要だ。かつて民家には囲炉裏があり、人はそこに集まり、留まり、そこから出発していった。食事のためだけでなく、独りの時も、語らいの時も。そう考えた時に母の「夢」であったという直径1350mmの円形テーブルはぴったりであった。
今回、キッチンを含めて家具製作一式をお願いしたのは、信州・高遠の家具工房「木のすず」の鈴木正己さん。
キッチンはステンレストップの他はすべて木製。扉はナラの無垢である。そのため季節によって収縮は免れないが、その「動き」を見越してはぎ合わせには「遊び」を設けている。既製品のシステムキッチンで多用される接着剤入り木質ボードなどは一切使わない。
頭上のブリッジ(双梁によるスノコ橋)からはペンダントライトが下がる。やわらかい光で包まれる居心地のいい丸テーブルは、時を経るごとによりその貫禄を増していくだろう。
父の書斎と寝室は壁・天井ともに節の多い杉板張り。張る前に家族でオイルを塗ったもの。山小屋風なところが父のお気に入り。無窓の部屋だったここも、トップライトと小窓で明るくなった。ロフトとの境には月桃紙の障子があり、これをあけると煙突効果で風のない日も空気が抜ける。
設計者と家族も施工に参加した記録「web版実況中継」は
こちらから。













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