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今回の工事でも、間取りの変更、一部屋根形状の変更が伴うため、柱の移設箇所が多い。
しかし雨の季節であることや工期の短縮などを考慮して屋根も外壁もまったく触らずに内部だけを改造している状況で、いったいどうやって柱を抜いたり加えたりできるのか、疑問に思う方も多いだろう。私自身、かつて不思議でならなかった。
まず【写真1】のように、土台の脇に仮の柱を立てて油圧ジャッキで梁(桁など横架材)を押し上げる。このジャッキは一台で2トン位の力がある。右側に見えているパイプを上下させて上げていく。ちなみに力を抜くときには、シリンダー緩め弁を回すと「キュー」と蛸のような声を出して戻っていく。
ジャッキアップを続けていくと【写真2】のように梁・桁は持ち上がる。木造軸組では接合部は「剛」ではなく「ピン」であること、そして木材自体が適度の軟らかさを持っていることから、こういう動きが可能になる。
写真では、奥に見える白い柱がジャッキにつながる仮柱。これがふんばっているために、手前の柱から梁が浮いている。そのため「ホゾ」が抜けかかっている。これがポロッと外れるところまで上げたら柱を抜くことができるのだ。
別の箇所で新しく柱を刺しているところ【写真3】。
ただしこれは古い柱。不要になった和室の柱を、新たにつくる便所の仕切りに使う。これは集成材であることがわかった。約40年前の集成柱。米松・ベイツガ様の材に2ミリ厚のヒノキのスライスが貼られている。当時は、接着剤の耐久性の問題でまだ構造用集成材は一般的ではなかったが、こういう内部造作材としては使われていたのである。

【写真4】は新しい梁(105mm×270mm)を古い柱に差しているところ。通常ならばクレーンで釣り上げるが、ここではすべてが手作業である。上部の母屋に滑車をかけ、ロープでたぐって上げている。
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