ありと俺

春だねぇ。うん。北海道もやっと春がやってきたよ。
今まで白かった山も少しずつこんな色になってくるんだなぁ。
草も木も新しい芽を出して、春を待ち焦がれていたんだなぁ。
立松和平さんの本名は横松っていうらしいなぁ。
ほら、パソコンの横を2匹のワラジムシがゆっくりと歩いて行くじゃないか。
そういう謙虚な姿って俺は好きだなぁ。
いいさ。仲良く一緒に暮らそう。
それにしても昨日のアイツはずうずうしかったぞ。
シャワーあびてて、なんとなしに自分の足をみて
「あれ、なんでここだけ俺はスネ毛がこいのかなぁ」
なんて」思ったら、ゲジの野郎だよ。勝手に俺の足で休憩しやがって。
さすがの俺も驚くじゃないか。無礼者めが。そーいう根性がまわりの人に
どれだけ迷惑をかけてるかキミは考えたことがあるのか?ん?
え、ない。さいですか。フム。それじゃ、俺がもしケニヤのモイ大統領でも
キミは俺のスネで休むのだネ?ナルホド。キミのその姿勢には共感する部分も
あるが、とりあえず、そこから、おり、なさ、い。うぉ〜っ!

高校生だったある日、俺はバスケ部のキモダメシ大会から帰り、いつものように
万年床の上で本を読んでいた。昔から俺は本好きで、しかもものぐさなのだ。
本を読み進む中、ひょいと横のカーペットをみると、3匹のありがいた。
当時の俺は今よりも粗暴で冷酷だったので、早速殺虫剤をふきかけた。
「よし、死んだな」
さらに読み進んでるうち、俺の視野内でまた何か動いている。今度は5匹。
5−2=さっきより2匹多いぞ。
これはおかしい。何か変だ。
わけもわからず不安になった俺は起き上がり、何気なくふとんとマットレスをもちあげた
「うゎー!!!!!!!」
そこには一面に数百匹のありたちがおり、カベから外に向かってきちんと4列の
ありどもが、巣から俺の部屋へときゃつらの給餌活動のため、やってきていたの
だった。動転した俺はいつものように説諭して許してやる余裕はなく、半狂乱になって
スプレー1缶と掃除機で撃退し、ぜぃぜぃと荒い息をしていた。
俺はありを大キライになった。

実はその後にも似たようなことがあった。それはありどもに全ての罪をかぶせるのは
いささかムリがあり、俺のものぐさにも起因している。
ティッシュで鼻をかむ。まるめて
「ヤッ」
っとゴミ箱に投げる。はずれる。
「あ、はずれた」
といって、その後そばを通っても拾わなかったりするところが俺にはあるのだ。
その時はスイカだった。
半月型に切ったおおぶりのスイカを食った後、つい悪いクセがでて、しばらくほおっておいた。
1日、また1日と時間が経過すると、当初はしゃきっとしていたスイカも徐々に水分を失い、
ダンゴムシのようにまるまってくるのである。
それでもそこで捨てるとスイカに負けるような気がして、俺はなおも放置していた。
一週間ほど過ぎたある日、スイカのそばを通りかかると、あちこちに、黒いシミが広がっていた。
おぉ、ついに腐ってしまったか。さすがに不快になった俺は皿ごとスイカを持ち上げた。
「うっ!」
俺は凍りついた。腐敗ではなかった。黒いシミの正体は、ア、ア、アリだったのだ!!
「ワーッ!」
俺が投げたスイカは皿ごと網戸をぶっこわし、眼下の道路へとすっとんでいった。

それ以来、俺は多少ものぐさが治り、そしてありを目の敵にするようになった。
なんで目なのかね。鼻の立場はどうなる?彼も頑張っているんだけどねぇ。
どう?読んでてカユくなったでしょ?ハッハッハ、それなら俺の勝ちさ!