遊び・その1

音楽をやってきたせいか、俺の周りには、ヘン
な奴が多いぞ、ホント。
いつも奇妙なことを考えてる。たとえばこうだ。
みんなで集まり、酒を飲んでいたりする。
「なんかヒマだよな…。しりとりでもやるか?」
ふつうのしりとりをひねっても、せいぜい「歌しりとり」
「人名しりとり」(これもよくやる。ヤマノウエノタムラマロとかって)
ぐらいのものだが…

「じゃ、かなしいものしりとりにしよう!」
ということになる。
「よっし、俺から。『からっぽの江戸ムラサキの瓶のフタ』」
「おぉ〜!それは悲しい!悲しすぎるぞ、ギャハハ!」
かなしいと認められればそれでいいのだ。

外で飲んでるときもやる。
イカの干したやつをちょっとアブったやつなんか出てくると、
だまっていられない。
さっそくそれでオブジェをつくりはじめる。
「できた!作品名03、『エーゲ海の涙』!!」
「ウーム、素晴らしい!実に躍動感のある仕上がりですねぇ!」
などということをエンエンとやっている。

ドライブ中もやる。
話がひとくくりつき、なんとなくみんな黙りこむ。
しかし、油断してはいけない。もうすでにゲームははじまっているのだ。
道端の家などに、よくキリスト教の看板がはってあり、あれを最初に
みつけて読み上げたやつが勝ちなのだ。
「キリストの血は罪をきよめる!」
「神は三日後に墓からよみがえった!!」
などの絶叫で実にやかましいのだが、なかなかスリリングで、
それに夢中になり、道に迷ったことも一度ある。

ピアニストの山下洋輔さんの本に「江戸弁」についてかいてある。
母音を「え」にするとなんでも江戸弁になる。
「おれは、えどっこだ」→「えらぁ、えでっけでぇ」
「だいく」→「でえく」
「たい」→「てぇ」(サカナね)
その理論でいくと、「コップ」は「ケッペ」になるそうだ。
俺は小学校のとき、習いたてのローマ字で、自分の名前を書け、
と先生にいわれ、間違って大恥をかいたことがある、母音をぜんぶ「お」にしてしまったのだ。
さて、どうなるか。
「能」になるのであります!
自分の名前でやってみて。ね、なるでしょ?(^O^)
「コボってわかる?」
「?」
「カベだよ。じゃ、ヨモホは?」
「?」
「ヤマハ!ぎゃははは!!」
その時は腹を抱えて大笑いしてるのに、後で考えてなにが面白かったのか
サッパリわからないのが、これらの遊びのいいところだが、この遊びをを理解してくれない
人の方が圧倒的に多く、ヘタすると虫を見るような目つきで見られてしまうので、
初対面の人にはできるだけしないよう、俺は努力している。

「能」的話し方は、練習すれば日常会話もできるようになると思うのだが
だれも相手にしてくれないので、なかなか上達は、しない(笑)