出稼ぎ!(食中毒編)

そう、マジでカワいかったぞ。でも別になんにもない。
ただそれだけさ(笑)
キレイなおねーちゃんがたは、宿舎が別だった.
まわりの人たちは、おっちゃん、おねーさん、おばさんのみさ。
それでも、「下宿」や「寮」の生活にけっこう憧れのある俺なので、
旅館の廊下でわいのわいのいって仕事のあとにみんなで酒を
飲むのはけっこうおもしろかったぞ。

その日、俺は残業で夜10時過ぎに宿に着き、メシを食い始めていた。
凄いご馳走だ。実は、毎日毎日ローソンの弁当が支給され、ひどい時
は朝・昼・晩とローソン弁当だったので、さすがにアキていたのだ、俺は。

サシミなんて久しぶりだよ(T_T)。そうだよ、醤油とワサビをつけて食うという
あの食い物だよ。
さて、いただきます、と思ったところで具合の悪い人が発生した。
くそー、ひさびさのサシミなのに、と思ったが、俺は寮長みたいなことを
やらされていたので、、救急車を迎えに出たりなんだかんだで大幅に
メシを食うのが遅れた。思えばそれが命取りだったのさ。
食事を終え、みんなで酒を飲みながら
「さっきのは、きっと疲れからきてるんだよ」
などと話していたが、実は腸炎ビブリオという、名前からして獰猛そうな
菌のせいで、サシミにくっついてたその菌は、一番最後にメシを食った
俺の時にはかなり増殖してたらしい。
すっかりドクのまわりきったサシミに俺は満足し、なにも知らずにその後は気分よくねた(笑)

異常に気づいたのは丁度丑三つ時の頃で、車で病院にいったが、
すでに歩けるような状態ではなく、車イスにのせられて即入院。
苦しみながらも、初めての入院がなんだかうれしく、
「先生ぇ…酒のんでも死なないんですねぇ…菌は…」
などといいながらベッドについたが、モノ凄い発熱と内臓を絞られるような
激痛、津波のようなゲリ状態で、点滴の台につかまりながらトイレとの往復。
どのくらい凄いかっていうと、痛みで気を失い、また痛みで目をさますような
状態が朝まで続くんだ。
朝になり、へたり込んだ俺は看護婦さんにパンツをおろされたが、」俺には抵抗する
気力も体力もなく、伸びすぎたコンブのような状態だったのでそのまま綿棒をけっつに
入れられるという初めての倒錯的体験をした。
隣のベッドの物凄い筋肉のオジさんはかなり緊張してるらしく、カーテンごしに
看「もっと身体の力ぬいてッ!」
オジ「は、はい」
看「口開けて息をハーハーしなさい!」
オジ「はぁ…はぁ…」
なんてやっていて、「これは回復したら誰かに話してやろう」などど考えていた。
同じ病室の男4人とも皆、そろいのオムツをさせられているのはなかなかイキだ
ッたぞ(笑)

退院後、工場のパートのおばちゃんが声かけてきた。
「にいちゃん、久しぶりだねぇ。どこいってたのさ?」
「いやー、俺もやられちゃったんだよ、食中毒」
「あー、サシミだって?アンタ食べててわかんなかったのかい?」
「いやー、それがさ…ウマかったんだよねぇ」

味は、関係ないらしい(笑)