札幌在住のタイ人の実家に泊まっていた。バンコクから2.3時間の村だ。
彼女には妹がいて、ねぇ、妹と結婚しなよ、そしたら妹も日本にこれるし、なんてことをいっている。
なーにいってるのさ、などと言って入たが、写真をみるとなかなかの美人だったので、多少心が
ぐらついたことは、ここだけのヒミツということで、ひとつ。ということで、バスを乗り継いでここまで
きたのだった。
その妹はセクシーな黒いスケスケに近い、ほとんど乳首見え状態でいきなり目の前に現れた。
うひゃー!と思ったが、もちろんそれは喜んでいるのだ、俺が。
しかし、床に寝そべって本など読んでいると、足をからめてきたりするので、これはタイの風習で
いうところの、どんな意味かわからなく、いきなり襲いかかってナイフなど突き出されるのは困るので、
特に平和に時間が過ぎていくのだ。
平和といえば、俺は近所のガキどもと、毎日遊んでばかりいた。なにしろ言葉がほとんど通じないので
そうなるのだ。遊びに言葉はいらない。
ある日、そのガキどもが、ベトナム(そう聞こえた)に行こう、という。
チャリに二人乗りをして、ガキについていくと、そこには農業用水のような、幅4メートルくらいの川の
流れがあった。流れといっても水は殆ど動いておらず、ミドリ色に濁った水があり、先客のガキどもが
そこで水遊びしていた。多分、農薬なんかもたくさん含まれているに違いない、とチラリと思ったが、
気がつくと俺は服ごと水の中でガキどもの誰よりも楽しそうに遊んでいるのだった。
ガキに日本の武道を教えてやることにする。
剣はこう持ち、こうやって振るのだ。
手首をつかまれた時は、合気道の技をつかって、こうやって相手の関節をキメる、などと教えていると、
ガキの一人が、カラテ!と叫んでかかってきた。
そこで俺は、水から上がり、そのボンズにあそこに落ちているレンガを拾ってくるよう命じた。
左手にレンガを持ち、右手で手刀をつくる。地面の上に置いたレンガを左手でささえ、ゆっくりと
右手を振り上げる俺をガキどもが固唾を飲んでとりかこむ。
「ィヤー!」
と叫び、右手を振り下ろす瞬間にレンガをすこし持ち上げ、そのまま右手をぶつけると、地面に
ぶつかったレンガは激しい音と共にコナゴナになった。これなら誰だって割ることができる。
しかし、ガキどもはマンマとダマされ、突然現われたこの日本人が素手でレンガを割って見せたので
どよめいて目を丸くして驚き、一斉に
「ホーッ!!」
と尊敬と賞賛の声をあげた。
この瞬間から俺は彼らの大将としてみとめられ、その後日常生活でもいろいろとベンリになった。
わはは、いろいろやってみるものだな。だから、多分、俺の事は彼らの英雄で武道の達人、ということで
子々孫々に伝えられ、やがては銅像などができ、永遠に語り継がれるだろうと勝手に思っている。
悪い気分ではないぞ。わはは。