雲をみるのがすきだな。

まだネクタイをして(俺はスーツは嫌いなの^^)
働いていたころ、よく、いろんな研修をうけたよ。

静まり返って張り詰めた空気の中、
「じゃ、次、Kさん読んで下さい」
トレーナーに指名された彼は、テキストをとり、
読み始めた。
そのページには真中あたりに表とグラフがあり、
通常ならそこはとばして文だけ読む…と俺は思う
のだが、彼は続けて表の中の「項目」を横の順に
デカい声で読み出し、混乱した研修室内は湖のように
いっそう静まり返り、でも、横にいた俺の上司は
「おい、表、読んでるぞ」
と真っ赤な顔をして俺に言った。笑った。

こういうのがあったよ。
「宇宙飛行士が月で遭難した。次の中から必要な
ものを優先順位をつけて、並べなさい』
俺は考えた。
まず、酸素だろ。次に水だな。…ピストル?これは
もっと後でいいかな…
そうして自分の中では納得した表をグループ6人で
見せ合うと、信じられないことに誰一人として同じ答え
がなかったのさ。
それでもなんとか話し合い、意見をまとめ、統一した
ものができた。一同、満足し、もう一つのグループの
ものと比べると、
「ありゃりゃ??」

これもまたぜーんぜん違うのさ。
「そうか!」
俺は一人一人が違った考え方をして、しかもそれには
それぞれ個人的に正しいと思う理由があるっていう、
ほーんと当たり前のことをはじめて知った。

寝転がって、空に浮かんでる雲を見る時、
「あれ、何にみえる?」
って聞くのが好きだな。
俺が「象」に見えるものが、別な人には「シャケ」だったり
するわけさ。
別にたいした意味はないんだけど、
「ふーん、そうみえるのか」
って思うことで、その人のことが、ほんのちょっぴりでも
わかったような気持ちになるからだよ。