日本国の列車の社内放送は、その懇切丁寧なことで、世界に冠たるものがあるらしい。
たしかにそうだ。次の列車がくるというアナウンス、白線の内側まで下がるようにとの、危険防止の
呼びかけ(まぁ、これは安全に留意してますよ、というポーズも入っているとおもうのだが)、閉まるドア、トブクロ
への注意、次の駅はどこそこ。はたまた社内販売、窓から見える景色等、そのサービスはとどまるところを
知らず、頼めば俺のホームページの宣伝もしてもらえそうなほどだ。
外国では、国によると思うが、車内放送はほとんどなく、発車のベルさえないところもあると聞く。
サービスというものは、その所々で受け止め方がかなり異なり、俺はロシアのトランジットのときはブルドーザー
みたいなロシア婦人ニパスポートを投げて返されたことがあるし、タイの都市間バスでは、座席も通路も満杯の
混雑の中、乗客係のおねーちゃんが、お盆にコップとジュースを乗せて配りに来たのには驚いた。
サジマという奴がいた。これは本名ではない。本当はコジマという。しかしなぜか我々は彼のことを
サジマと呼んでいた。これはまだ彼がサジマと呼ばれる前の、高校生の時の出来事である。
このページを見ているのは雪に憧れる南国の人も多いと思う。確かに、雪は美しい。
北海道は主にパウダースノーなので、一つ一つの結晶がきらきらと輝き、その不思議な美しさに
タメ息がでる。しかし、それどころではない。これをどうにかしないと、車を止めるところも歩くところも
なくなってしまうのだ。それで、雪どけ作業をしなくてはならないのだが、これがまた一苦労。
幹線道路でさえも、1車線が雪にふさがれ、渋滞、しかも車線は雪に隠れてみえない。オマケに
タイヤに研がれた道路はカガミのようにツルツルになり、それが街明かりを照らし返している。
サジマは授業が終わり、家路につこうと学校を出た。彼の家は恵庭にあり、そこから通っていたのである。
その日も北海道全域が大荒れ状態で、猛吹雪の中、JR駅までたどり着いた彼は、恵庭までの
路線が不通になっているのを知った。
「まいったな、どうしようかな」
とりあえず、彼は札幌駅まで移動することにして、電車に乗りこんだ。列車内は暖かすぎるぐらいの
暖房が効き、窓には結露した水と、氷が複雑な模様を作っているのだった。その一つの窓際に座る。
やがて、丁寧な車内放送と共に、列車は出発yした。一定の振動と共に通りすぎる真っ白な景色を
見ながら、彼はこれからどのように家にたどりつくかを考えていた。
そのとき、突然列車は激しい制動をかけて止まった。なんだろう?周りの乗客もざわめく。
すると、
「タダイマ、列車が吹き溜まりに突入致しました。しばらくお待ちください」
車内放送があった。あの、独特の言いまわし。
なるほど、そうか。吹き溜まりか、などと考えていると、次に列車が前・後・前・後と、変則的に動き出した。
再びざわめく車内。すると、
「イマ、吹き溜まりから抜けようと思って、頑張ってるところでアリマス」
とさっきの奴がまた、アナウンスをした。
そうか、実にわかりやすいな、と彼は思ったのだが、吹き溜まりは結構深いようで、列車は何度も前進・後退
を繰り返した。そしてついに、ズバッ!という感じで列車が吹き溜まりを脱出した時、
「ヤッターッ!」
という車内放送がかかったということである。
ボクはこの車掌さんが好きです。
オマケとして、まったく関係ない話を書く。キミらはNHKの、手話ニュース8:45をみているかね?
俺は見ていない。でも、以前はよく見ていた。この番組は必見である。今も出演しているかどうか
よく知らないのだが、大変奇妙な髪形をした、サルのような面白い顔をしたおじさんがでていて、
その手話の表現力といったら、ソウル界でいえばジェームズ・ブラウン級で、なにしろ面白いのだ。
俺のお気に入りはもう一人いて、彼は口が聞けないようなのだが手話がひとくくりついた時、必ず
爆笑問題の太田くんのような腕の組み方をするのである。ぜひ見てほしい。NHKにはこのほかに、ホモ
っぽいしゃべり方をする料理研究家のおじさんや、いろいろと変わったキャラクターの人が時々
出ていて、要チェキ!である。まぁ、どうでもいいのだが。