昭和三四郎

小樽。俺は小樽が好きだ。10年住んでいたこともあるが、町の大きさが、俺には丁度良い。
小樽と聞くと、なにを思い出すかな?
スシ、硝子、運河。どれも有名だが、観光客には、小樽に焼肉屋がこんなにもたくさんある
ことは、あまり知られていないだろう、と思う。なにしろスゴイ数だ。街中の狭い小路をちらりと
見ると、1件や2件は必ず焼き肉屋さんがある。
そうして、数ある焼肉屋の中でも俺が最もスキなのがこの店だ。
実は、アルバイトの女の子(美)の実家であったこの店にさほどの期待ももたずに行ったのだが
実にウマいのである。そして回数を重ねる毎にその味は俺にシミつき、他の店に行っても、ん?
ちょっと違うな、と思ってしまうので、ここ以外では殆ど俺は焼肉はくわない。
「焼肉は料理だ」と言うガンコなオヤジさんのいるこの店で、俺が特に好むのは、カルビのアブラの
あるところと、ナンコツだ。それをガスで焼いてくらいいつく。ウマさが全身にひろがっていく。
え〜?七輪じゃないのォ〜?という輩もおるだろうが、なにで焼こうが俺には関係ない。ウマけりゃ
いいのだ。ビール、ミソ汁、メシとともに食い荒らし、トドメにタレをスープでわって飲む。あぁ、タメ息。ウマい。
前にいったときは生肉丼、というのを食った。メシの上に数種類の生肉を乗せてるだけなのだが、
あぁ、これがうまいのだ…。かなり神経を使って作るらしく、一度食った人には面倒なので、もう出さない
などとオヤジさんは言っていたが、なんとかもう一度食いたいものだ。