というわけで、ブジ、2週間に及ぶタイ、ラオス旅行から戻ってきたのだ。
しかし、性格はまるで変わっていない。
「モーリー、スペイン語で食堂ってなんていうか知ってる?」
「イイエ、ワカリマセン」
「たべるな、っていうんだよ」
「キャハハ!ソレハニホンゴジャナインデスカ?」
「いや、スペイン語。で、ホテルはねるなっていうんだよ」
「エエ!?ホント??」
「いや、これはウソ」
と言うような会話の毎日なのだ。
で、俺はここで何をしているんだ、と思っているわけだ。
ここはタイ東北部、スリン県のド田舎、サムローン村である。
前にきたときよりもかなり開発が進み、1件きりしかなかった店が数件に増え、
電話ボックスが2台も設置された。泊めてもらってるポーさんの家には冷蔵庫まで
あった。しかし、水道はまだきていない。
前にきたとき、ここの家の一人娘ゲーちゃんにギターをあげる約束をしたので、
わざわざここまで持ってきたのだった。
しかし、彼女は学校の寄宿舎にいるため、我々はこうして家族の人たちと酒盛りをしているのである。
ワッタナー先生。彼のノリは天下一品だ。彼はサムローン小学校の先生であるのだが、良く笑いよく話す大変
陽気で芸達者な人なのである。
宴もたけなわになってくると彼はケーンという、日本の笙に似た楽器をとりだし、モーラムという
伝統音楽を弾き出した。gop、オマエはこれを叩け、というので、俺は渡されたバケツの底を叩きながら
こうして踊っているわけだ。
タイ語はカタコトだけは話せるのだが、95%はわからない。仕事柄、料理や材料の名前はわかるのだが
一般的な会話は続くものではないのだ。
だから、会話は非常に端的な、無駄のないもので終るのである。
「gop,どこ行くんだ?」
と聞かれると、寺!と吠える。会話終わり。
「寒くないか?」
ときかれると、寒くない!と答える。会話終わり。(なにせ我々は厳冬の北海道からやってきているのである)
しかし、それでもお互いにこにこしていて、極めて友好的な雰囲気なのである。
俺はこの何もない村が大好きなのだ。
ニワトリやらシチメンチョウやらスイギュウやらがその辺をうろつき、ちょっと散歩するとお寺がある。
村人共有の貯水池では洗濯や水浴びをする人々がいて、バナナ畑の陰にあるハンモックでお日様が
沈むのを静かに見守るのである。
時々ワッタナー先生がきて
「ソバを食いにいこう。この地域でいちばんの味の店がある」
とか
「生のラープ(ミンチ肉を使った料理)を食いにいこう」
などと誘いにくる。
gopはこれに乗れ、などと前ブレーキの壊れたバイクをよこされ、後ろにフジ子をのせてソバを食いにいくのである。で、そこでビールなどを飲み、いい気持ちになってその辺の店をひやかしながら帰る。
帰ってもやることがない。なんせなにもないところなのだ。まぁ、これもいい。
今日は先生、タイのダンスが見れるぞ、という。
どうも我々が外出しているうちに仕込んだらしく、デカいカセットが用意してある。
村の器量良しの中学生くらいの少女が一張羅を着込み、現れた。
オマエも踊れ、などと言われ踊りまくってきたのだが、次にこれにあわせてギターを弾け、という。
使える音がわかったので音楽に合わせて演奏していると、伝統音楽を日本人が演奏するのが珍しいのか
村人が楽器を弾いている俺の10センチまで近づいてきてじっと見ている。
そしてきちんと弾いているのを確認して、おまえ、なかなかやるじゃないか、というような表情で
俺の肩をニコニコしながら叩いていくのだった。
今回の旅はまだ自分の中で消化できていない。
もう少したてば、次々とアップできることと思う。
とにかく紀行文は難しいものなのだ。
いつもはカメラを持たない俺なのだが、今回はデジカメを持っていったので、近々アップ予定。
お楽しみに!ということで、ビールだ、ビール。