はじめに
口腔・顎顔面領域の悪性腫瘍は、その解剖学的位置か
ら、発見しやすい部位に発症するにもかかわらず、早
期発見・治療が問題なく行われている状況にあるとは
言えない。
その原因として、口内炎や咬傷など口腔粘膜の疾患は
比較的短時問で治癒する事が多く、早期の口腔癌もこ
れらと混同され放置されやすい。また、早期の口腔癌
では、疼痛など自覚症状が乏しいもが多く、相当大き
くなるまで放置されやすいためと思われる。さらに、
辺縁性歯周炎やエプーリス、アフタ性口内炎など日常
の臨床で毎日遭遇する疾患と早期口腔癌の臨床症状に
類似した点も多く、不的確な診断の基でのスケーリン
グや抜歯、ステロイド軟膏の長期投与が行われ、癌の
憎悪を余儀なくさせた症例もある。
好発年齢 50-70才
好発部位 舌、歯肉、口腔底、頬粘膜、硬口蓋の順
(上顎洞癌も進行に伴い口腔に症状を表し
上顎歯肉癌との鑑別が困難な場合もある。)
所見の違いにより
膨隆型、潰瘍型、肉芽型、白板型、乳頭型の5型に分
類される。
舌癌
舌癌の好発部位は舌側縁部である。舌根部や舌下面
などにも見られるが、舌背や舌尖に発生することはほ
とんどない。
無痛性の硬い腫隆や肥厚した白斑と、酸甘塩味に刺激
痛を訴える糜爛(ただれ)や潰瘍がある。
初期では疼痛などの自覚症状に乏しいが、腫瘍が進行
すると潰瘍や浸潤硬結の範囲が拡大し、舌の違和感や
疼痛、運動障害を訴えるようになる。
舌の奥の方にある見えにくい有郭乳頭や舌扁桃はとき
に目立つことがあり、舌側面の後方部分にある葉状乳
頭も赤く腫れたように見えるので、これらをがんと勘
違いして来院する方がいます。
まわりの健全な組織との境界がはっきりしないしこり、
ただれ、潰瘍がある、こすっても取れない白斑がある
場合は、必ず検診してください。
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