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最近の歯科医療事情
渡辺歯科口腔外科 渡辺 哲也 
       
         口の機能が正常に働かなければ、食べたり、喋ったり
        
        、笑ったり、歌ったりするのに不自由を感じます。疾
        
        患の早期治療と日常的な口の健康管理をしていくこと
        
        は、健康を維持していくためには非常に大事なことと
        
        思われます。
        
        早期治療は最小限の外科的治療ですみ、術後の速やか
        
        で十分な機能回復がえられるうえ術後の健康管理も容
        
        易です。今回は、代表的な口腔疾患の早期治療と術後
        
        の維持管理についての新しい試みを例をあげて述べた
        
        いとおもいます。
        
        口腔内汚れていると細菌が増殖し歯ぐきは炎症し赤紫
        
        に腫れ、一方歯の表面のエナメル質が溶けてザラザラ
        
        になります。このような初期の状態では、歯の研磨と

    歯ぐきに薬を塗るだけでなおります。しかしエナメル
        
        質の下にある象牙質が感染した場合には軟化した象牙
        
        質を除去して消毒後欠損部を修復せねばなりません。
        
        感染した軟化象牙質の上層は機械的に除去しますが下
        
        層はYAG又は炭酸ガスレーザーで炭化させます。深部の

    歯髄を刺激せず殺菌することが出来るからです。下層は

    柔軟性のある接着性複合レジン、表層部は硬い光重合型
        
        の複合レジンで修復します。健康な歯質を出来るだけ
        
        削らない試みがなされています。
        
        歯を支持する組織、はぐき、歯根膜、セメント質、歯
        
        槽骨、が破壊される感染症を歯周病といいます。年齢と
        
        ともにゆっくり慢性的に進行する場合が多いのです。
        
        時に急性化しても自然に膿が漏れることが多いので自
        
        覚症状が乏しい病気です。歯周ポケット内部のはがれた
        
        歯肉の上皮と歯根表層部の壊死層をCO2レーザーで焼却
    
    除去し、再び歯根に付着させます。術前術後の歯と歯の

    間と歯ぐきと接する歯面の清掃が治癒には不可欠です。
        
        外傷によって脱臼した歯牙は柔らかい針金と接着性レ
        
        ジンで整復固定します。完全に脱落した歯でも再植し
        
        た後固定します。脱落した歯は口の中入れたまま、また
         
       は、牛乳の入った容器にいれて、乾燥させずに速やか
        
        に病院に持ってきてください。脱臼した歯は歯根部で
        
        破折している場合があります。こんな場合でも歯髄が
        
        あって活きている歯は抜歯する必要がありません。感
        
        染さえしなければ破折した部位の歯髄が石灰化して治
        
        癒するからです。1ヶ月後に歯根管内の治療をします。
        
        舌や口唇等、口腔内の粘膜には、線維腫、血管腫、乳頭腫

    白板症、粘液のう胞等がみられることがあります。CO2レー
        
        ザーによって数分の内に取り除くことが出来るように
        
        なりました。
        
        渡辺哲也・渡辺歯科口腔外科院長、元ペンシルベニア
        大学医学部助教授