日刊移動体通信ニュース
by 編集長

■ カメラ付き携帯電話がデジタルカメラに取って代わる 


■国内市場でのデジタルカメラの普及率が飽和状態に近づき、低価格帯のコンパクト型を中心に売れ行きが低迷している。価格下落も止まらず、店頭での売れ筋は高性能の一眼レフ機種に移行しつつある。これに伴ってメーカー間の格差も生じてきており、デジタル一眼レフが好調なニコンやキャノン、コンパクトカメラで手ぶれ防止機構や電池の長寿命化、本体の薄型化などの特色を持たせた松下電器産業やカシオ計算機などは好調で、三洋電機やオリンパスなどは赤字に転落するなど、明暗がはっきりとしてきた。一方ではカメラ付き携帯電話が、デジタルカメラの市場を奪い始めているのも、デジカメの成長をブレーキをかける要因となっている。米社の予測によると、2年以内にローエンドデジカメ市場を上回るとみているほどだ。

 カメラ映像機器工業会によると、2005年のデジタルカメラの国内出荷予想台数を1月時点よりも30万台少ない840万台(前年比1・7%減)に下方修正している。これは1999年に統計を取り始めて以来初めて、前年を下回ることになる。
 年初の予測では05年のデジタルカメラの出荷は、伸び率1.1%が見込まれていた。しかし、前半6ヶ月の実績では前年同期比1・1%減の390万台に留まっており、こうしたことから通年の出荷見通し修正した。
 国内出荷額は、04年に前年比0・7%減の2431億円と落ち込み、すでに前年を下回っている。同工業会は、05年出荷額は明らかになっていないが、「デジタルカメラの普及が高いレベルまで進展して来ている中では、今年後半の大幅な回復は考えにくい」としている。

一眼レフへシフトするデジカメ

 デジタルカメラは国内市場では、コンパクト型を中心に価格が昨年だけで1−3割程度下落しているという。
 こうした中で各社は、価格下落が激しいコンパクト型の販売台数を削減する動きが出始めており、販売のウェイトを需要が伸びている一眼レフ型に切り替えている。
 最大手のキヤノンは、今期に一眼レフ型を四割増の180万台、ニコンは5割増の160万台の出荷を計画している。

この一眼レフ型では、コニカミノルタが、今期、コンパクト型の販売をデジカメ全体の出荷台数を2割削減し、一眼レフは3倍増の25万台の出荷を計画している。ペンタックスもコンパクト型を3機種程度に絞り込み、一眼レフを5割増の12万台出荷するとしている。

 一方、ソニーはコニカミノルタフォトイメージングと共同開発で一眼レフ型を06年夏に発売するほか、松下電器産業もオリンパスと提携し、06年春にも発売する計画だ。
 しかし各社ともに、初心者向けの低価格機種を発売する計画など、こちらもコンパクト型同様に低下するもの時間の問題かもしれない。

高画質化する携帯カメラ

 こうした中でカメラ付き携帯電話の出荷台数が伸びており、すでに03年上半期の時点で世界で2500万台に達し、デジタルカメラ(2000万台)を上回っている。07年には携帯電話総出荷台数のうち50%以上が、カメラ付きになるとものともみられている。
 今年には米国のIT市場調査会社、ABI Researchが「ローエンドデジカメ市場の大部分は、向こう2年以内にカメラ付き携帯に奪われる見通しだ」と発表している。

 それによると、今後短期間のうちにカメラ付き携帯電話は130万画素カメラを搭載するようになり、500万画素カメラ搭載モデルも一般化するという。06年前半までには、130万画素モデルが販売台数で30万画素(VGA)モデルを上回るとみられている。
 それに続いて数年で、200万、300万、400万画素モデルが下位スペックのモデルに取って代わると予測。ハイエンドのカメラ付き携帯電話では、レンズの品質やズームの正確さなど、画素数以外の機能も高まっていくものと予想されている。

デジカメ並みの画像処理機能も

 カメラ付き携帯電話が世界規模で急速に拡大する中で、デジタルカメラとして市場で認知されるようになり、高度な画像処理機能が求められるようになってきた。
 現行のカメラ付き携帯電話の画像処理は、イメージセンサの出力を受けて画像処理を行うもので、デジタルカメラに比べて画質が悪いものだった。
 ところがメガチップスLSIソリューションズ(大阪市淀川区、鵜飼幸弘社長)が開発した、画像処理LSI「Pepper/PepperMCP」は、携帯電話に高性能デジタル一眼レフカメラ並みの高画質・高速処理を可能にしたものだという。

 今後はデジタルカメラの置き換えも期待できる300万画素以上のカメラ付き携帯電話は、このISPがデジタルカメラと同等の処理速度・クオリティーを提供してくれるという。
 同社はすでにこの画像処理LSIをベースにしたカメラモジュールを大手レンズメーカーとセンサーメーカーと共同で開発しているという。2005年末から量産を始め、年間500万個の販売を見込んでいる。
 同社では「低価格帯の携帯電話でも、高機能・高性能なデジタルカメラ機能を付加することが可能になる」と話しており、カメラ付き携帯電話はますますデジタルカメラに取って代わることになりそうだ。



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