誰がケーキを食べたのか
〜問題編〜
「あ〜!!!」
ケーキの箱を開けたアスカは中のケーキを見た途端大声を上げた。
「誰よ、勝手にケーキ食べたのはっ!?」
アスカは振り返り、そこにいた一同をねめつけると8分の1切り取られた丸いケーキを指差しながら詰問した。一同とはシンジ、レイ、ミサト、加持、リツコ、日向、青葉、マヤの8人である。
今日はネルフのメンバーとクリスマスパーティーを開くという事で、本部2階の会議室に集まっている。いざはじめようとケーキの箱を開けたら、真ん丸だったケーキが8分の1切り取られていたのだ。
「せっかく加持さんに自信作を見せようと思ってたのにっ!!」
そう、このケーキを生クリームといちごでデコレートしたのはアスカだった。スポンジを焼いたのはマヤだったが。
「まあまあアスカ、落ち着いて。ここはこのあたしに任せなさい。犯人はこの中にいるわ!」
ミサトは自信満々に言った。リツコはため息をつくと口を開いた。
「その根拠は?」
「女の勘!」
無意味に胸を張るミサト。リツコはあきれたように首を振ると、携帯端末を会議室のコネクタと繋ぎ始めた。
「まあとにかく順番に確認していきましょ。まずあたしがここにケーキを持って来た時にはレイと日向君、青葉君がいたのよね」
ミサトの言葉にシンジが首をひねった。
「あれ? ケーキ持って来たのはアスカじゃないんですか?」
「ケーキは台車に乗せて運んでたんだけど、途中でミサトがさ、台車を貸してくれればケーキも持ってっとくって言うから任せたのよ」
アスカは本部1階食堂のちゅう房から二階建ての台車の上の段にケーキ、下の段に皿やケーキナイフ等の食器類を積んで運んでいた。4時ごろの事だ。
「んであたしは地下1階の駐車場の車まで行って、ゲームの景品をつんでからここにきたの。つんであったケーキとかを降ろして、台車を返しに行こうとしたら日向君が使いたいって言ったのよね。だからあたしは日向君に台車を渡して、残った仕事を片づけに一旦自分の執務室に戻ったわ」
そしてミサトは日向を見た。
「飾り付けが大体終わったんで、あとはレイちゃんに任せて僕と青葉はカラオケの器材を借りに福利厚生部にいったんです」
皆の視線がレイに集まる。
「……私は飾り付けが終わるとトイレに行きました。その途中で加持一尉に会いました」
「俺はレイちゃんにパーティーの準備は出来たのか聞いたんだ。まだだって言うからここにはこないで葛城のところに様子を見に行ったよ」
「ほんとかしら? 案外あんたが犯人なんじゃないの?」
ミサトは加持に疑いの眼を向ける。
「ちょっとミサト、加持さんが犯人なわけないでしょ!」
アスカはミサトに食って掛かった。
「そうそう、エレベーターのところで日向君と鉢合わせたよ。俺はそのエレベーターに乗って葛城のところに行ったんだ」
「ええ、加持さんに会いましたよ。僕はそのまま台車を押して、ここで一人でカラオケ器材のセッティングをしてました」
「トイレから帰る途中で青葉二尉に会いました」
レイが思い出したように言った。
「俺はもう一台台車を借りに行ってたんで日向より遅れて戻ったんです」
「レイ、トイレに行ってたのはどれくらい?」
「……5分ほどだと思います」
ミサトの質問にレイは少し考えてから答えた。
「日向君はどれくらいで戻って来たの?」
「多分20分ぐらいだと思いますが」
「そのあとは?」
「カラオケの方は青葉に任せて僕とレイちゃんはちゅう房まで台車を押していきました。そこで料理が出来るのを待ってたんです」
日向はシンジの方を見ながら言った。
「僕とマヤさんは料理が出来上がると日向さんたちが持って来た台車に乗せて一緒に運びました」
シンジが日向の後に続けた。
「4人でって事?」
「いえ、アスカも一緒ですから5人です」
「あたしはもう一つのケーキを持って来たの。そのあとあたし、シンジ、レイがそれぞれ加持さん、ミサト、リツコに電話したのよね。準備できたって」
「それで日向君たちはどれくらいでここに戻って来たの?」
「そうですねぇ。10分ぐらいだと思います」
日向はちょっと考えてから答えた。
「ふむふむ。そして全員揃ったと。……リツコ、何してんの?」
「ちょっと待って。今ここの監視カメラの映像呼び出してるから」
リツコは携帯端末をカタカタとたたいて、監視カメラの映像を壁のスクリーンに呼び出した。
監視カメラの映像はパーティーの飾り付けのせいで一部かくれていた。ちょうどミサトがケーキを運び込んだところから始まった。タイムスタンプは16時28分。
ミサトの証言通りケーキなどを置くとミサトは会議室から出ていった。これが16時35分。肝心のケーキのところは隠れて写っていない。
16時43分に日向と青葉が出ていく。
独り残ったレイは飾り付けを終えるとケーキの側に立って何かしている。16時55分の事だ。
「ちょっとレイ、あんたが犯人なの!?」
アスカがレイに詰め寄った。
「違うわ」
レイはアスカの目を見てはっきりと答えた。
16時59分、レイは会議室を出ていった。
そのあと17時4分に日向が台車を押して戻って来た。ケーキの前でしばらく立っていた後、カラオケの器材をセットし始める。
17時6分になると青葉とレイが戻ってくる。青葉は日向と一緒にカラオケの器材をセットし始める。レイはまたケーキの前に立っている。
17時10分、日向とレイが台車を押して出ていった。
しばらくすると青葉はカラオケの準備が終わったのか、うろうろし始める。ギターを弾く真似なんかをしている。
17時16分、青葉はケーキの前でなにかしている。
「青葉さんが犯人だったの!?」
アスカはキッと青葉を睨んだ。
「ち、違うよ。俺じゃないよ」
17時21分、シンジたちが料理を持って来た。17時31分、メンバーが全員揃う。
「うーん、変ねぇ。怪しいのは青葉君とレイだけど……」
ミサトは頬に手を当て考えるふりをした。
「私じゃありません」
「俺もやってません!」
「ちょっと待って。リツコ、もう一度最初から見せて」
アスカが何かに気付いたようだ。リツコはいわれた通りに最初から映像を再生する。
「もういいわよ。謎は全て解けたわ!」
最後まで見ることなくアスカは言った。そしてある人物を指差してこういった。
「犯人はあんたよ!!」
きりうさんとこの真似をして推理企画なんかやってみました。さて犯人は分かりましたでしょうか? 答えは犯人の名前とそう推理した理由を必ず記入してこちらまでメールでお寄せ下さい。かなり簡単ですのでようく考えればすぐに分かると思います。解答編はまだ書いてませんが来年頭にでも発表できればと思っています。皆さんの名推理をお待ちしてます。
言い忘れてましたが、それぞれの場所から場所への移動時間は5分もかからないと思っておいて下さい。
戻る