運転報

 JR神戸線 10両編成の停車位置

11月23日

第 190902 号


前回5月の改正でJR琵琶湖・京都・神戸線に221系の10両編成で運転される
快速電車が増えたのは皆様ご存じのこと思います。ラッシュ時にもかかわらず2
21系6両で運転されていた快速は、かねてから混雑が激しく改善が求められて
いましたから、4両の付属編成を増結して輸送力増強を図ったことは誠に喜ばし
いことであり、またJR側の姿勢も評価できます。但し、同じ夕刻ラッシュ時間帯
でも上りの京都・米原方面行はこの限りではなく、この方面でも早期に同様な改
善が必要でしょう。

さて、数が増えたとはいっても、本線系統の快速の中で10両編成の電車はまだ
非常に少数派である為に、10両編成の電車に対する専用の停止標識が整備さ
れている駅は少なく、それが故に停車位置が不適正、つまり駅の旅客流動実態
に合致していないケースが目に付くようです。

当運転所独自の調査によると、これは三宮以西の各駅において特に顕著であり、神戸駅と須磨駅を例に挙げるなら下り快速電車の場合、8両編成の最後尾(8号車)の乗車位置は足下の△11ですが、10両編成の最後尾(10号車)は△10、つま
り最後尾の停車位置は8両編成よりも編成の長い10両編成の方が前寄りに停車
すると云った誠におかしな現象が生じています。

ここでは、そのうち緩急接続の行われる須磨駅のあまりにもひどすぎる一例を皆
様にご紹介したいと思います。(図1をご覧下さい)



図1 須磨駅における7両の普通電車 vs 10両の快速電車

快速電車の停車位置を論じる場合、対面ホームの普通電車の停車位置、駅本
屋への階段の位置、そしてホーム屋根の関係がキーポイントになるかと思いま
す。

須磨駅で1番線に入る普通電車は全て7両編成ですが、1番線には7両の停止
目標を示す標識が無い為に、8両の停止目標位置を示す[8]に先頭車が停車し
ます。しかし、普通電車の停車位置は階段の位置とホーム屋根との関係で見る
限りは適正と云えるので、7両の停止標識が無いこと自体は全く問題にはなりま
せん。

さて、ここで対面ホームに入ってきた先発の快速が10両編成だったらどうなるでし
ょう?

須磨駅の2番線には不幸にして10両編成の停止標識が無い為に、運転士は12両・
11両編成と同様な停止標識、すなわち[X]の位置に先頭車を停車させます。その
結果として、快速電車は普通電車とは6両分しか対面しない、ホーム屋根の有効
長が8両あるのに何故か3両分が野ざらしのホームにはみ出す、と云った大変お
かしな現象が生じています。(下の写真をご覧下さい)


写真1


写真2


写真3

写真1 10両編成の快速電車最後部付近
     対面の普通電車との位置関係に
     注目

     乗り換え客が快速の10号車に殺到
     している様子も判ります。

写真2  同じ10両編成の快速電車の先頭
     方向

写真3 8両編成の快速電車最後部付近
     写真1の10両編成との停車位置の違
     いに注目 

この際に付け加えて申し上げるなら、須磨駅の場合は6両編成の快速の停車位置も一考の余地があります。(図2をご覧下さい)


図2 須磨駅における7両の普通電車 vs 6両の快速電車

これも6両専用の停止標識が無く、8両の標識を代用?しているところに主たる原因があります。お陰で快速電車の6号車への乗客集中がひどくドアが閉まらないの
でこれが元凶となり、須磨駅で必ず数分の遅れが生じます。

さて、以上ここでご紹介した須磨駅は非常に極端なケースですが、他の駅でも10両編成の電車が12両の停止位置に停車すると、どうしても編成の前方(1号車寄り)が空いて、後方(10号車寄り)が混雑すると云った乗車率の不均衡な状況が生じます。

下り電車の場合、元町・神戸・兵庫・須磨の各駅における10両編成の最後尾は前述の様に8両編成の最後尾よりも前寄り停車しますので、ホームで待っていた人
が慌てて最後尾の車両に殺到する光景が見られます。(写真1が良い例です)

特定車両の乗車率だけが異常に高くなり、それが基で列車が遅延するといった結果を招いているとすれば、本末転倒もいいところで、これでは編成増強が逆に仇となっているとしか云いようがありません。

ここはやはり各駅の実態に合致した10両編成専用の停止標識を早急に設置するべきではないでしょう。ちなみに、舞子駅のホームが快速電車対応に延伸された直後は上り電車に対する10両の停止標識がありませんでしたが、いつの間にか設置されて駅の構造に即した位置に停車しています。10月の改正では休日に限り10両編成の新快速も登場していますので、編成に応じたきめ細かな停止位置の実現は旅客サービスの面からも益々重要になるものと思われます。


写真4


写真5


写真4 6両・7両・8両・10両・11両・12両全ての停止標識が揃っている舞子駅上りホーム

写真5 こちらも10両編成の停止標識がある西明石駅5番線

今回、当運転所では主な駅の停車標識の設置状況を調査し、独断と偏見をも交えた評価も書き加えましたので、御参考までに下表をご覧下さい。

表1 下り(内線・電車線)

-
10両編成の停車位置 記事 評価
西明石 10両専用標識 5,6番線共 極めて、適正と判断する
明石 ×すなわち11、12両と同位置 - 適正と判断する
舞子 ×(全編成同位置) - 議論の余地無し。当たり前
垂水 ×(11、12両と同位置) - 適正と判断する
須磨 ×(11、12両と同位置) - 10両専用が必要
(現行では前へ行き過ぎ)
兵庫 ×(11、12両と同位置) - 10両専用が必要
(現行では前へ行き過ぎ)
神戸 ×(11、12両と同位置) - 10両専用が必要
(現行では前へ行き過ぎ)
但し、外線には10両専用標識あり
元町 ×(11、12両と同位置) - 10両専用が必要(後部の階段用)
三宮 ×(全編成同位置) 3,4番線共 議論の余地無し。当たり前
六甲道 未調査 - 外線には10両専用標識あり
住吉 未調査 - 外線には10両専用標識あり
芦屋 未調査 - 外線には10両専用標識あり
尼崎 未調査 - -
大阪 未調査 - -

表2 上り(内線・電車線)

-
10両編成の停車位置 記事 評価
西明石 ×(11、12両と同位置) 3番線の場合 階段の位置から適正と判断する
明石 ×すなわち11、12両と同位置 - 10両専用が必要
舞子 10両専用標識 - 唯一の階段が最後尾にあるので
これは当たり前
垂水 ×(11、12両と同位置) - ぎりぎりで適正と判断する
須磨 ×(11、12両と同位置) - 適正と判断する
兵庫 ×(11、12両と同位置) - 適正と判断する
神戸 ×(11、12両と同位置) - 適正と判断する
元町 ×(11、12両と同位置) - 適正と判断する
三宮 11両の標識に停車 3,4番線共 10両専用が必要
現状では後部階段利用者に不親切
六甲道 ×(11、12両と同位置) -
住吉 10両専用標識 -
芦屋 10両専用標識 -
尼崎 ×(11、12両と同位置) -
大阪 8両の標識に停止 8番線の場合 これは不思議。
×(11、12両と同位置)にすべきでは

本運転報に対する皆様のご意見をお待ちしております。また、京都線・琵琶湖線の実状について読者の皆様からのレポートお待ちしております。



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