ひとりで食べる中国料理・広東編

Enjoy Chinese Food Alone! : Canton





大人数で盛大に豪勢に行きたいのは、広東料理を食べる以上できればぜひ望みたい前提。でも、その望みがぜんぜん無理な場合が、もちろんまれにはある。いや、実はしばしばある。一人旅の人間は連れがいないことのほうが多いし、地元の人だって、仕事の合間にさっと済ませたいことや、何かのはずみで静かな夕餉と相成る場合が、ないはずはないのだ。
というわけで、実は広東料理にも、一人で食べるものはいろいろある。その方向で、さまざまな新しいバージョンが生まれつつもある。ごらんあれ!
(1元≒13円〜15円。2000年夏現在)




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広東料理のご飯もの。日本人もすぐに大好きになるのが、[保+火]仔飯ポウジャイファーンである。土鍋で直に炊くところが似ているので「釜飯」と訳したりもします。
で、これは、広州市内で元気にチェーン展開する某レストランにていただいたセットメニューなり。レストラン=西餐庁とは、ちょっと高級でおしゃれで、でも大衆性も残しつつ、食事も喫茶もOKという場所。メニューは西洋風が中心ながら、中国風も必ず網羅している。という次第で、この海鮮[保+火]仔飯も、ナイフフォークで食べるわけです。
このご飯はものごっつうおいしかった。香り高くてあつあつで米粒一粒ずつがきりりと立っていて、「香噴噴」という擬態語はまさにこのことなり!!と叫びたくなる。
別な町の別な西餐庁で出会ったセットメニュー。セットって便利なのよ、ちょっとだけ野菜を食べるのに。長丁場の旅だと栄養のバランスも気をつけないといけないし。
これは、排骨[火屯]飯パーイクワッダンファーンというご飯と、紫菜肉松湯ジイチョーイヨッソントーンというスープ、それに季節の青菜です。[火屯]とは、湯煎状態で加熱すること。この素焼きの器にお米を入れて炊き上げ、仕上がり際に味付け済みのスペアリブをのせるのでしょう(たぶん)。具はにんにくがきいて食欲をそそる。ただ、この日のごはんは水が多かったようで、残念ながら「香噴噴」とはいかず。こういうご飯はおいしいときはとんでもなくおいしいだけに、ものすごく残念。
のりのスープは香りがいいし、栄養もあってナイス。
これはまたまた別な西餐庁で相まみえたセットメニュー。どうしてこうセットメニューばかり食べるのか。だから便利なんだってばよ。
というか、最近どうしてこう西餐庁が急増しているのか。いやいや、いいことですよお。お金の余裕さえあれば、ひとりの食事にはこれ以上重宝なものはない。
(従来タイプのひとり用食事メニュー=5〜10元程度。西餐庁では20〜30元代)
具入り味付けご飯を蓮の葉でくるんでせいろで蒸すというゴージャスなひとりメニュー。荷香滑鶏蒸篭飯ホーヒョンワーッカイチンロンファーン





なんとなく体が疲れたときや元気が出ないとき、汁気のある暖かい麺類をすすってほっと一息つきたい、麺でからだもこころも癒されたい!という願望は、きっと地球のあらゆる人々が共通して持っているものに違いない。と勝手に断定してやりたいくらい、この地の麺類は疲れた胃腸と心に安らぎを約束してくれる。 麺類、と言いましたが、実は米の粉で作った米粉マイファン=ビーフンです。中国語では、小麦粉を原料とする麺ミンとは名称が異なり、厳密に区分されるんですね。でも日本的概念では「麺」ということで同一視OKでしょう。
というわけで、牛丸湯米粉アウユントンマイファン。見て見て、このビーフンはかなり太い。優しい感じがします。






長くうろついていれば、時には目先を変えたくなる。これは某市・某ホテルのコーヒーハウスで食べた洋食です。墨西哥海鮮[火局]飯マクサイコーホイシンゴクファーンと、雑菜沙律ジャプチョイサーロッ
前者は卵チャーハンに具とホワイトソースをのせてオーブンで焼いたものです。どこがメキシコ(墨西哥)なのかはよくわかりませんが、このようなホワイトソース焼きは、洋食系の定番として、珠江デルタ地帯には改革・開放政策初期の昔からありますね。ご飯もスパゲティも、このホワイトソースで閉じ込めて焼く。ソースは油分が強くて、ご飯も卵チャーハンだし、これを食べたら向こう2食は抜いてもいいくらい腹持ちがいいです。
サラダは生のセロリやたまねぎや人参を甘いサウザンアイランドで豪快に食らう。
広東料理といえば焼味シウメイ。炉で焼き上げる動物系です。改まった宴席にも欠かせませんし、にぎやかな一家団欒の食卓にも欠かせませんが、これをごはんにちょいと乗せるだけで、あーら不思議、あっという間に一人用ごはんのできあがり!
というわけで、店で皿飯・茶碗飯のメニューとして各種焼味ごはんが食べられますし、希望すればお持ち帰りももちろん可能。今日は広東料理の華、白切鶏バーッチッカイをのせたごはんを持ちかえってみました。本日のスープをつけて13元なり。
長いことひとりでご飯を食べていると、ひと皿だけ、一杯だけというパターンに次第に飽きてきて、何でもいいから違うことをしたくなる。そういう熱き願いが突如煮えたぎったこの夜、思いの丈を注文取りのお姉さんにぶつけてみました。この料理は食べたい。この料理も食べたい。ビールもかっ食らいたい。でもってご飯も食べたい!......
どうですか、食べたいものを食べ、飲みたいものを飲むこの爽快さ。完全に2人分ですよ、この量。でも食う。
この時食べたかったのは、手前、涼瓜炒蛋リョンクワチャーウダーン、それに蝦米粉糸[保+火]ハーマイファンシーポウ。後者はホントにはるさめしか入ってないのもあるが、これはきくらげ、湯葉、人参、しいたけ、たけのこなど豊富に入り、ぜいたくなことこの上ない。





広東の一人ごはんと言えば、これにとどめをさすかも知れない。そう、雲呑麺ワンタンミンである。
食事にもなり、あるいは小腹が空いた際の虫押さえとなったり、飲んだ後の締めくくりとなったり、徹夜の追いこみ時の夜食となったりという万能選手ぶり。要は日本の食文化におけるラーメンの位置に匹敵する存在と言えるだろう。そういえば、ワンタンの数が多いだの味がどうだのという話題に人々の血ががたぎるのも、ラーメンにおけるチャーシューの枚数・クオリティ論争に相当しないだろうか?(しないか)
広州市内のとある台湾風喫茶店で出すセットメニューから。甘辛く煮付けた豚挽き肉がお皿のご飯にのった肉松飯ロウソンファン。目玉焼きや野菜もついて、これは嬉しいぞ!また肉の味付けが昔なつかしいお惣菜みたいで、なんか絶妙ー。
これに泡沫紅茶/緑茶がセットで25元は、お昼ご飯のスタンダードから見れば高い。でも喫茶店だし。冷房あって人は少なくて静かだし。トイレは(汚いが)着替えができるほど広いし。2時間半いてもOKだし。台湾ポップスが聞けるし。台湾のファッション雑誌も読めるし。テーブルが高くて広いからノート整理も写真整理もしやすいし。ということで許す。





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